第303話「消化試合を完勝する俺(ハァハァ」
第三百三話『消化試合を完勝する俺(ハァハァ』
「野蛮猿っ!! 貴っ様ぁ~っ!! 子供達を実験に使うつもりかっ!!」
「いやいやいや、モチロン俺が食って安全を確かめてからダヨ?」
強化コアの吸収をオマンに念話で話したら激オコぷんぷん姫になって転移して来た。
自分のダンジョンから出る事を良しとしないオマンにしては珍しい、それほど怒っていると言う事だ。
まぁ確かに、俺がやろうとしている事は実子に変なもんを食わそうとする俺の親父みたいなもんだ、でも蜂の子の味噌汁は美味しかったです。
いや待て、危険度からすると俺の方がヤベェか?
蜂の子は別に危険な食い物じゃねぇしな……
そんな事を考えていると、プンスカした可愛いオマンがまた説教を始めた。やめろよ、襲いたくなるだろ?
「貴っ様ぁ~っ!! 万民を預かる身でありながら真っ先に毒見をするとは何事かっ!! カッコイイ好き。 覚えておけっ、貴様を殺すのは私だタワケっ!! あ、なので私が毒見しますねぇ、ふむふむコレは綺麗なコアですねぇ、フハハハハ野蛮猿めっ、私が先に頂くぞっ!!……もしもの時は子供達を頼みます、心からお
「あっバカ……あぁ~」
綺麗な笑顔を見せながら強化コアを吸収したオマン。
オマンの自己犠牲とその勇気にデパイトスが驚愕。
驚愕して跳ねた体と同時に揺れる巨乳に俺が驚愕。
それはさて置き、強化コア吸収についてはヴェーダが何も言わんので問題は無いだろう。
『それはどうも。ですが、さすがに不可触神が手を加えたモノを吸収した存在を見るのは初めてです、安全であっても違った意味の危険が生まれないとは言えませんね』
違った意味の危険とはいったい……
『無論、ラージャを凌辱出来るほどの強化、などです』
知ってた。
十中八九、害を
なので僕にも強化コアをクレメンス。早くクレメンス。
『オルダーナが持ち帰ってくれればたくさん食べられますよ、それよりもほら、オマンの体が発光し始めました……おや? アレは……』
うひゃぁ~、
昔のミギカラのハゲ頭より眩しいぜっ!!
でもそう考えたらそこまで眩しくないなっ!!
薄目で見れば直視出来ん事も……なっ!!
発光がやや収まったオマンがこちらへ近付いて来た……
ピプッ、ピプッ、ピプッ……
その異音が俺の鼓膜を破壊する。
「フハハハハ、
「オ、オマン、お前……」
「クックック、どうした人外帝王、怖いか?」
「いや怖くねぇけど……」
「強がる事は無い、安心しろ、私はお前を殺すまでドコにも行きはしないのだから……(キリッ」
「いや違っ、そうじゃなくて、お前……」
確かに、オマンは強くなっている、存在感が段違いだ。
だがしかし……それ以上に……
それ以上に存在感を持ったモノがお前の足を……っ!!
ピプッ、ピピプッ……
このままでは俺は……俺は……っ!!
不可触神の狂気に呑み込まれてしまうっ!!
『オマンが履いているのは地球の人気アニメキャラグッズ、歩くたびにピコピコ音が鳴るアニキャラゴムシューズですね。見た目を裏切る無駄に高性能な靴ですが……確かイズアルナーギの秘蔵品だったような? あの子は式典の時などに履くようです』
いやオカシイでしょ~、強化コアを吸収したらピコピコシューズ履いてましたってオカシイでしょ~……
ってか式典にアレ履くの?
それもオカシイよ……
『あ、ラージャ、衣服にも変化が……』
「なん……だと……っ!!」
「フハハハハ、恐れるな人外帝王……私は私、お前を狂おしいほど愛してしまった罪な女のまま、だ(キリッ」
あの美人なオマンが……
俺の心のオアシスオマンが……
幼稚園児が着る定番の『水色スモック』を着て中二発言……
しかもチューリップ型の名札とイエローハット付き……っ!!
何て、何てハレンチなっ!!
ぱっつんぱっつんやないか……っ!!
残念だが俺の性癖には刺さらな――
「な、何だいアレ……し、渋い……」
バカな……っ!!
デパイトスが英雄を見るような表情でオマンを……っ!!
い、いや違うっ、正確には水色スモックを……っ!!
『鍛冶三姉妹が着るならセーフでは?』
な、なるほ………………いや、セウトだ。
コパイトスは着て良いが姉貴二人はアウトだ。
三姉妹が着たらドワーフ達が真似するからなっ!!
ムラマッサがアレを着ながら作業をするのは公害と言っても過言ではない。
いやぁ~しっかし、俺が食ってたら俺もアレになってたのかな?
スモックゴリラなんて誰得だって話だよっ!!
ハハハハハ。
『……これは強化コア大量入荷の必要が有りますね(ハァハァ』
え、大量入荷すんの?
無事に強化出来たから良いけど……
コアっ子達は吸収してくれるかなぁ?
園児装備を解除出来るなら……あ、出来るんですね良かった。
じゃぁオマン、強化された性能を調べてみようぜっ!!
えっ、俺?
俺は食わんでよくね?
『いいえ食べて下さい(ハァハァ』
『『然様、好き嫌いはイカン(ハァハァ』』
『『神域で幼児化して喰らうべし、参れ(ハァハァ』』
いやいやいや、ママン待っ――……ウソやろ。
一瞬で幼児化した俺はママンの膝の上で座っていた……
しかも桃色空間だ……嫁さんズも揃っててワロタ……
目を血走らせたヴェーダが強化コアを片手に近付いて来る。お前はいつの間に俺の中から出たの?
「さぁ坊や、お上がり」
「はい……」
お上がりと優し気に言いながらほぼ強制的にコアを口に詰め込む鬼嫁……
水色スモックとイエローハット姿のチビゴリラ誕生。
名札に『なおき』と平仮名で書いてあるのがムカつく……
衣服を脱ぎ始める嫁さんズ。
俺を撫で回すママンとアングルママ。
こんな事をしている場合じゃないんダヨ?
ぼ、僕はお外で殺る事が山積みなんだ……
山脈ダンジョンをギャフンと言わせる準備を……
ってデパイトスが
待て待て、何でお前はジャングルジム創り始めたの?
何で俺の格好をキラキラした目で見てんの? バカなの?
ねぇヴェーダ、アイツ少し頭がアッーーーー……
ヴェーダ待って俺の話アッーーー……
ちょ後ろに誰か居……アーベ、お前、ウソやろ?
アッーーー……
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ふぅ……
アーベの新技も中々にエグかったなっ!!
危うく新しい扉を開くとこだったぜ……
あれって医療行為じゃなかったっけ?
まぁいい、済んだ事だ(記憶封印
そんな事より強化された能力の話をせねばっ!!
まず何と言っても『コアの破壊を阻止出来る』、これだな。
『まさかダンジョンとは別の亜空間を創造出来るようになるとは、驚きも有りますがイズアルナーギの権能を知る身からすると納得です』
だな、最奥にコアルームなんてもんを創って隠れる必要が無くなったし、そもそもコア自体が武力的な意味で強くなった、自由度が跳ね上がるぜ。
そして次はメインダンジョン生成能力だな、眷属適性を必要としないならマスターも必要無い。
『そこはイズアルナーギの強化コアと明確に違う特徴ですね、あちらはマスター契約が必要ですが、こちらはコアっ子自身がマスターを兼任出来る』
しかも好きな時に好きな場所でダンジョンを創れるからな、おまけにダンジョン創造時は魔力消費じゃなくて腐るほど手に入る瘴気消費、やりたい放題だ。
そう言えば、イズアルナーギ様の眷属が皆コアを持ってるって話だったが、あっちもダンジョンだらけなのか?
『家屋をダンジョン化しているようです』
なるほど家を、か……それはそれで有りだな。
コアを持ち運べないのとダンジョンの場所が固定されるのが難点だろうか?
いや場所が固定されるのは俺達も同じか、ただマスターが居ないしコアも簡単に退避出来るから気軽に廃棄っつうか崩壊させても問題無い。
『そうですね、うちはコア自身が自由に歩き回れますし、今後はダンジョンを使い捨て同然に扱う事も出来ます』
コア自体の使い捨てはイズアルナーギ様んトコも似たようなもんだろうけどな、しかし神様からの下賜品を気軽に捨てられる眷属なんて居ねぇだろ、命令であってもキツい。
『あとは……やはりオマンが新たに産んだ子供達ですね、桃色空間で沢山産んだのは良かったんですけど……』
そうだな……
まさかスモック姿の幼児しか産めなくなるとは……
時間と共に体も成長してくれるから良いけどな。
でもまぁ、嫁さんズが産んだ異母兄弟や異母姉妹は当然だが、眷属の幼児とも一緒に成長していくってのは良い事だ。
ふむふむ、って事は実質、国民総ダンマスかぁ……
イズアルナーギ様んトコもそうだよな……
おやおやぁ~、これは……
ムフフフ、高まって参りましたなぁ~っ!!
ここまでガッチガチに固めさせて、俺達を何と戦わせるんだ?
なぁ世界さん、聞いてるかい?……
まぁいいさ、取り敢えず消化試合を済ませとこう。
カスガ大陸の掌握は時間の問題、山脈ダンジョン以外は道路掃除と変わらん。戦力はまだ十分有る、今のうちにアカギ大陸を『です☆すた』から攻撃するってのも良いな……
『その巨大航宙要塞を楽園化した大魔王家がアカギ大陸を譲ってくれと言っていますよ?』
あぁ、ルシフェルさん一家かぁ……
って事はプルピーが出撃するんですね分かります。
そうだな、ヨロシク頼みますって言っといて。俺は今のうちに魔界トンネルでアカギ大陸に瘴気放出させとくわ。
『それこそ至る所にダンジョンを生み出せる事が可能になったコアっ子達の出番ですね。沢山産んだオマンに感謝せねば』
あ、そっか、コアっ子は俺のサブコアって感じで繋がってるからな、トンネル創りの権利を許可すれば俺じゃなくても良いのか……
こいつぁ惑星掌握が
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