第295話「カチンとキました……」
第二百九十五話『カチンとキました……』
九月七日、朝、山脈ダンジョン上層山脈側、第二百十三階層。
カスガ大陸南部は大雨続き、樹海化が影響してんのかな?
あぁそう言えば、猫魔人殺しのレベル上げで神気を使い続けている冥神だが、いよいよ神気が枯渇してきたようで泣きが入ってきた。
ってかアイツの名前何だったっけ?
ディ、ディープ……
あっ!! ディープインパク――
『冥神ディプスロートです』
お、おう、そうだった、厠番に居そうな名前だなっ!!
深く呑み込んでくれそうな感じがするぜっ!!
で、そのディプスロートにはもっと神気タンクとして活躍して貰いたいので会議を開いて打開案を議論。
結果、youやっちゃいなよ、となった。
まぁ予想は出来ていたしヤるのは構わんが……
嫁にするとタンク扱い出来なくなるので
皆からは『クズやなぁ』と言われたが自覚しているので特に何とも思わない。ロキさんよりはマシかなと思っている。ロキさんは身内以外をゴミの様に使い捨てるからな、俺は使い続ける派なので少しマシな気がする。
非常に面倒臭かったがディプスロートが居る俺の冥界に向かった。
アイツはママンに根源改変されて俺の冥界に幽閉中だからね。
って言うか終焉ちゃんが居るから冥界ゴリ神殿の奥で息を殺してジッとしている。まぁブラックホールがうろついてたら生きた心地はせんなっ!!
そう言えば、猫魔人は気が狂ったようだ。四六時中ブッ殺されれば気が狂うのも当然か。体験を引き継ぐ【死に戻り】の欠点側だなっ!!
サンドバックの精神なんてどうでも良いが、冥神ディプスロートの精神もヤバかった。
冥神はどいつもこいつも雰囲気が暗い、ヘルは以前より明るくなったらしいが俺的にはまだまだ暗い、ディプスロートは病んでいた頃のヘルより七倍は暗いと思った。
ママンの根源改変で縛られたディプスロートは基本的に自由だ、牢屋に入れる事も鎖で繋ぐ事も無いしする必要も無い、ママンの
冥界ゴリ神殿はクソデカいので空き部屋だらけだ。一応、ディプスロートには地下の質素な部屋を与えてあるが、人類の上流階級が使う豪華な部屋より立派で広いと思う。
そんな部屋の片隅で膝を抱えながら座って
もう神気で衣服を創る事も出来ない模様。大丈夫だ、俺もまだ創り方が解らないから安心しろディプスロートと心で呟いたね。
少し引き気味になりながら骨皮さんに近付く。
骨皮さんが力無く頭を上げ、虚ろな目で俺の顔を見た。
作り笑顔を浮かべたディプスロート。
しかし、彼女の虚ろな目から涙が零れ落ちる。
乱れた長い金髪が涙に濡れた頬に張り付く。
その姿が哀れすぎて草も生えん……
何と言う事でしょう、私は女性を泣かせてしまった……
だと言うのにっ!!
有ろう事か私は勃起をきたしてしまったのですっ!!
私は、私と言うクズ男はっ、薄幸美人の涙に勃起をきたしたのですっ!!
「しゃぶれや」
しかもっ、しかも私は……っ!!
そんな女性に無体な事を言う始末っ!!
私は気付かぬうちにズボンを下げていたのです……っ!!
『ディプスロートを見た直後に御立派様がズボンを貫通しておりましたし衣服は即座に脱ぎ捨てましたよね?』
それはお仕置きの準備的なアレです、勘違いしないでよねっ!!
『ヤり過ぎて滅びない様に生気と神気を注入したくせに……』
か、過激なお仕置きで滅びるかもしれないだろっ、勘違いしないでよねっ!!
『……【
わ、【わからせ】をする為なんだからねっ、勘違いしないでよねっ!!
『分からせるも何も、敗北を理解しすぎた結果の無抵抗搾取で滅びそうなんですが……まぁ嫁に迎えない分別はついていたようで何よりです』
当たり前だっ!!
狼人族への虐待に関わった女神だ、赦すかよ。
そう、だからこそ性的指導は厳しめにするのです……
『もうあの冥界ゴリ神殿は女神娼館にすれば宜しいのでは?』
「お前……天才やな」
そうか、タンク要員はまだまだ必要かもしれんしなっ!!
致し方無し、是非に及ばず、
あの神殿は今後『ボッキンガム宮殿』と呼ぶ事にするっ!!
終焉ちゃん達の宮殿は新たに創るので伝えておきなさいっ!!
あ、ちなみに、ボッキンガム宮殿内の娼婦女神は基本的にゴリラ専属なので、そこんとこヨロシクぅ。ついでに俺以外の男神立ち入りを禁ずる。
『桃色空間に愛人を囲う館を創ると言われなくて良かったです。私はまだ未亡人になりたくないので』
ハッハッハ何を言って……え、それどう言う意味?
何で未亡人? 僕は死んでしまうなの?
ああああ安心するなのっ!!
ぼぼぼ僕は愛人とか要らないなのっ!!
嫁が好きなのっ、特にヴェーダが好きなのっ!!
『あら、それは良かった。うふふ……』
ふぅ、地雷が多すぎる人生だぜ……っ!!
もう何度も踏み抜いて自爆に慣れた感が悲しいぜ……っ!!
取り敢えず、こうして冥神ディプスロートの滅びは回避出来た。
って言うか勝手に眷属神になってたが、これはゴリ派閥に入った的なニュアンスだそうだ。互いの意志を確認して眷属化したオッパイエやムンジャジとは違う。後者の方が繋がりが強い、まぁ当然か。
それで、だ。何故ここでディプスロートの話を出したかと言うと、アイツは異世界神で俺達の知らない知識を沢山持っているわけで、その知識の中には魔導兵器に関する知識も有った。
かつての俺達にとって勇者より実質的な脅威だった魔導兵器、ジュダス帝国戦でも使われたようだが神気障壁や結界の前にはガラクタ同然。
三皇五帝のダンジョン攻略では俺達が攻略を進めると、奴らはすぐに『お宝』に入れていた魔導兵器を回収するので入手出来なかった。まぁ俺達も欲しかったワケじゃないし、ハッキリ言えば忘れていた。
だが、だがですよ、ここの山脈ダンジョン、まだ二百階層ちょいしか進んでいないのに『お宝』が出たワケです。
クソデカい大砲型魔導兵器、未回収の魔導兵器だ。
ヴェーダの知識には無い異世界兵器です。
こんなモン、怪しいにも程が有るだろ?
そこで異世界神ディプスロートの話になって、滅びそうって話になって、ヤッちゃったワケですが、それは置いといて、この魔導兵器をディプスロートに見てもらう事にした。
俺は何柱かの異世界神を喰らったが、見つけた魔導兵器の知識は得られていなかった。ディプスロートは違う意味で食ったので彼女の知識を俺は得ていない、智愛神ヴェーダの知識にも無い。
知ってたら
その結果、『ウディリシの大砲』なるクソ兵器である事が判明。
ディプスロートの居た惑星で使われた『トロイの木馬』だ。
何て事でしょうっ!!
このクソデカ魔導兵器の中は異次元袋的な構造になっていて、そこに色んなモノを詰め込めるようですっ!!
でも残念です、非常に残念ですよ私はっ!!
だから言っただろう?
オメェらは俺の力量をしっかり測れたのかって。
現場を知らねぇ監督は使えないって。
人の力量ってのはな、そいつの全て、総合的な力の量を指すんだ。
俺の
ところでオタクら……
ゴリラの正妻は智愛の破壊神って知ってたか?
太古インドが誇る知識の神だ、舐めるんじゃぁねぇぜ。
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