第285話「参った参った、完敗だよ」





 第二百八十五話『参った参った、完敗だよ』





 国王勇者イカ・ハンセンの魔核はピーナッツバターサンドの味だった。オッパイエの濃厚な『女神めがミルク』との相性は抜群だろうなぁと思ったので召喚してチュパチュパした、美味しかった。


 人間国家ハロイン王国の制圧指揮をハードに任せ、荒らされた山脈ダンジョン付近の森をよみがえらせる為に豊穣姉妹と励む。


 今日はメチャと大事な約束が有るからな、テキパキ行きました。


 日暮れまで豊穣姉妹と世界中を飛び回り慈雨を降らせ、宇宙から見た支配地域が緑に染まるように樹海の範囲を広げる。ついでに海藻も増やして昆布とワカメをゲットした。


 調子に乗って海辺に慈雨を降らせまくったらサンゴが元気になって産卵を始めた。正直キモかった。


 サンゴの一斉産卵には驚いたが、その後に出来た美しいサンゴ礁は圧巻の一言、地球で見た物とは範囲が違う。小魚達の楽園やなっ!!


 さらに調子に乗ってヴェーダとトンネル君が選んだ魔界の土地に慈雨を降らせた。魔界大森林が出来た。俺の所有地になった。太守立候補者が雨後のタケノコの如く湧いた。


 面倒臭いのでゴム丸君を太守、補佐にママンの所に居るシタカラとその甥四名を付けた。ママンが天女達も百柱くらい付けてくれた、有り難う御座いますっ!!


 艶々つやつやになった妖蟻姉妹とアヘ顔になっていた妖蟻工兵部隊を魔界大森林に召喚、森の中央に城郭都市『ゴム魔殿』の造営をお願いし、快諾を得た。


 すると、当たり前のように地下都市の造営も開始、魔界の地下にも妖蟻の手が伸びた……フッフッフ、さすがだよアカギ君っ!!


 ゴム魔殿完成後はダンジョン化する予定だが、魔界でダンジョン化が出来るのだろうか? 俺の中に在るコアとしての感覚では『イケるっ』と出ているが……ヴェーダに聞いてみた。



『出来ますが、異空間とは別の仕様になるようです』



 詳しく。



『例えば、通常の地下ダンジョンはその範囲をどれだけ広げても地上に影響は有りません、地上から穴を掘り進めてもダンジョンに辿り着けません、異界だから当然です』



 アーハン、続けてどうぞ。



『魔界ではその異界仕様が無くなります、地上から穴を掘ればダンジョンに繋がる、その逆もまたしかり、と言う事ですね』



 ハァハァ、興奮してきた、続きをどうぞ。



もっとも、これは指定部分のダンジョン化解除が出来るマスター、即ちラージャにしか出来ません、ダンジョンの不壊設定は変わりませんから』



 え、何それ最高じゃん、一番やりたかったヤツだよそれっ!!

 ダンジョンからの急襲が一番やりたかったんだよっ!!

 しかも不壊なので相当リスクを減らせるっ!!


 ……と言う感じになった。


 これは魔界の覇王も夢じゃねぇぜ、なんて事を考えていたらカスガから『魔界に山を創ってくれ』とお願いされた。お願いと言う名の強制だった。


 つまり魔界の『クララ・ガ・タッタ』が欲しいんですね分かります。


 岩仙だった大猿の神髄を見て頂こうと思った。


 結構な神気を使ったら高さ二万四千mの魔界一高い山が出来た。


 妖蜂姉妹や王族方が歓喜して桃色空間に拉致された。二億四千万年監禁された。この春産卵を終えたばかりなのに、また妊娠した。先王ニッシンさんと先王妹のアサマさんはド淫乱熟女で大好きです。



 新たな領地と激しい種付け祭りを終えた妖蟻と妖蜂は魔界でも爆発的に数を増やすこと必至、魔界生まれ魔界育ちの悪魔っ子が生まれるねっ!! 魔核も消えるし言う事無しだっ!!


 そんな感じで、豊穣姉妹と一緒に魔界でゴリラの森を広げまくった。日暮れまではアッという間だった。


 帰還後すぐ侍女達に拉致られ浴場へ。俺の欲情も洗い流してもらう。


 お風呂の後は嫁さんズと夕餉ゆうげのお時間、カスガ大陸の戦況報告などをヴェーダに教えて貰いながら食事を楽しむ。


 食後の歓談が終わる頃、俺の股間は鬼神の如きイライラ状態。


 メチャに視線を送って一緒に立ち上がる。俺の股間もっている。



「イこうか」

「……はぃ」



 メチャをお姫様抱っこ。

 嫁さんズがメチャへ祝福の拍手を贈る。


 拍手に見送られながら桃色空間に転移。この空間から戻ったらまだ拍手が止んでいない状況なんだなと思うと面白いなぁ。


 俺がそんな事をポツリと言うと、『初夜を無事に終えた事に対する祝いの拍手だと思って受け取りましょう』、そんな感じの事をメチャに言われた。実際は噛み噛みで何を言っているのか理解するのに時間が掛かった。


 そんな赤面噛み三十路が可愛かったので襲った。


 お前が悪いんだ、モジモジするお前が悪いんだーっ!!


 三十路の豊満ボディを獲得したのに初心ウブなお前が悪いんだーっ!!


 今日に限ってミニスカ行燈袴あんどんばかま姿で晩飯時に俺の眼前でドジっ子を発揮して桃尻丸出しズッコケなんかするお前が悪いんだよぉーっ!!



「大好きだメチャーっ、うおおおおっ!!」


「あ、嗚呼っ、賢者様っ賢者様ぁぁっ!!」



 ふぉおおおっミミズ七億匹のカズノコ天井ぉぉぉっ!!

 三擦みこすり半どころの話じゃイッぐぅぅぅぅーっ!!



『フフフ、さすが私の愛弟子、骨抜きですねラージャ。さぁ可愛いメチャ、至りなさい、誰も見ぬ喪女の世界へ……』



 破瓜はかを終えたメチャの体からドギツい桃色の光が放たれる。


 待って待って何コレすっごい……

 あ、駄目だコレ……



 イッぐぅぅぅぅ……




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 賢者、そう、賢者とはこう言う状態なんだなと理解出来た。


 メチャとの桃色生活が百年目に突入した頃だっただろうか、連日のいや、毎分毎時に起きるメチャの同棲ハプニング(R30指定激エロ)でイライラが治まらない俺は、ハプニング直後に必ずメチャを襲っていた。


 当然だが、一日あたりの『嫁さん襲撃回数』はメチャがダントツになった。本当にダントツだ、ケタが違う。


 誰かを犯す回数ならヴェーダに並ぶ者無しだろうが、誰かに犯された回数ならメチャに勝る者は居ない、大宇宙を探し回ってもメチャを超える者は居ない、メチャを犯した俺が証明出来る。


 桃色空間生活を始め、わずか百年にして初めて本当の賢者に至った。


 だが待って欲しい、勘違いするんじゃぁないぜ?


 俺が真の賢者に至れたのはヤリ過ぎたのが要因じゃぁない、知らず知らずのうちにヤラれていた事が主要因だった。


 気付けば挿入していた、なんて事が多々あった。あれは間違いなく意図的なペニス誘導、計算され尽くしたゴリラ堕とし……ハメられていたんだよ、俺は。


 現在は十二億年目の桃色生活を送っている。


 赤面バッテン顔は相変わらずのメチャだが、その肩には腕が四本有る。メチャは進化した。


 彼女が歩んだ特殊進化の最終形態『ハラフワティ』、水をたたえる者と言う意味の名を持つ女神の名だ。


 ゴブリン眷属の中で唯一水魔法を取得したメチャらしい最終形態だと思う。メチャは魔王クイーン種でもパイズリンでもない種族になった。


 彼女は神族になった、水と慈愛の女神メチャ・ハラフワティの誕生だ。


 まぁ、女神になってもメチャの本質は変わらない。常にワタワタしているし心優しいのは相変わらずだ。


 だがしかしっ、大喪女に至った魅惑の三十路ボディと見えない喪女力が俺を狂わせる。


 俺は間違いなく賢者タイムが続いている、なのにっ……


 その賢者タイムを強制終了させる大喪女メチャの恐ろしさよ……


 メチャは恐らく意図せず、しかし大喪女の常時発動『男ハンティング効果』で俺を仕留めに来ている……っ!!


 俺の桃色空間には嫁さんズの持ち込み品が大量に置いてある。メチャ好みの和風アイテムも当然有るし、日本の伝統的な武家屋敷も組み立てられている。


 俺達はその武家屋敷で生活しているわけだが、メチャはこの武家屋敷で色々とブチかましてくれる……


 例えば、今だってそうだ。


 メチャは着替えと称して暗い隣室へ入ったが、そこはふすまではなく何故か障子しょうじで仕切られている。その暗い部屋には神気の光を発する置行燈おきあんどんが一つ……


 障子越しにメチャの妖艶三十路ボディがエロスの波動を発しながら黒いシルエットとなってゴリラを挑発する……


 お解りだろうか?


 多くの日本人が共有する『見えないエロス』と『妄想がはかどるチラリズム』に対する真摯な想い、そして大和魂に刻まれて意識すらしていない『エロスのび』……


 これらを全部、一度に全部持って来るのが大喪女メチャ、だ。


 やっちゃぁおれんぜ、賢者なんぞやっちゃぁおれんよ。



「あ、あのぉ、賢者様ぁ、スケスケ赤襦袢あかじゅばんが良いですかぁ、それとも、あの、えっとぉ、あっ、ヒモふんどしかなぁ?」


「ふぅ……」



 ヤレヤレだぜ……


 そんなの、どうやって選べって言うんだ……っ!!



『どちらも身に着けさせれば宜しいのでは?』



 お前はエロスの侘び寂びをメチャ先生に学んで来い。

 赤襦袢の下は裸、ヒモ褌はそれ以外不可、基本だろうがっ!!


 まったく、落ち着いて勃起も出来やしねぇ……



「あのぉ賢者様ぁ、喰い込みすぎて痛いですぅ……」



 何がドコに、とは言わんさ。


 さて、今日はヒモ褌姿の愛妻を愛でよう……


 俺は勢いよく障子を開けた。

 って言うか勃起しすぎて障子を貫いた。









  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る