第275話「馬鹿だなー、虐殺しに行くんだよ」
第二百七十五話『馬鹿だなー、虐殺しに行くんだよ』
八月九日、早朝、雲一つない大森林が朝焼けに染まる。
俺は早起きして神木マハーカダンバの下まで転移。
夏の早朝は蟲も早起きして朝食中だ。
筋斗雲に乗り神木の樹液を吸う蟲眷属達に挨拶しながら上昇、イモ息子君が居ると思しきハーレムポイントへ向かう。
地上二千m付近の太い枝に
イモ息子君のお世話をする蟲系チビッ子侍女達だ。
俺の接近に気付いたチビッ子達が
妖蜂などの
オッスオッス!!
イモ息子君は俺を無視して神木の葉を食べている。樹液は飲まない派だろうか?
あ、妖蜂と妖蟻のローヤル……じゃなくて【ロイヤルゼリー】を貰っているんですね……俺でも飲んだ事ないのに……
でも君達の母親とかお姉さん達からロイヤルジュースは飲ませてもらっています。大人の味だ、息子にはまだ早い。
え、イモ息子君も飲んでるって?
しかも
ケシカラン、ケシカランですぞ……っ!!
ガキの頃から蟲腹の先に顔面を……っ!!
『父親と同じ飲み方ですね』
いやしかし、蟲腹からの顔射は早すぎるだろ……
幼少期からレベルが高すぎる……っ!!
大人になってマトモなセクロスが出来なくなるぞっ!!
いずれ刺激が足りずにハードプレイに
せめて皿かコップに移して飲むべきだっ!!
『ご自分が幼少期を岩の中で過ごしたからと嫉妬ですか、見苦しい。朝食が済んだ様ですのでご用件を』
「あ、ハイ」
いやぁ~失敬失敬、ハレンチ学園入学待った無しの息子を
さぁガールズ、道を開けるのです、今日は息子にペットを持って来たのです。
チビッ子侍女達がサッと左右に分かれ道を造ってくれた。
おぉ、チビッ子なのに動きが良いな、さすが皇子に付く侍女だ。
見ろヴェーダ、あのキレのある動きをっ!!
体育大学の学生さんがやる集団行動の様じゃないか……
では、ちょ~っと通りますねぇ~。
はい到着、おはようイモ息子っ!!
ハッハッハ、コイツぅ~、今日の体色も黒いなっ!!
イモ息子君が顔を上げます、蟲顔なので表情が分かりません。
「……キュ?」
「……鳴けるのか」
『……驚きですね』
微妙に小首を傾げている……のかな?
≪何か用かよ≫的な念が伝わってきました、強気やのぉ……
チビッ子侍女達は胸を押さえて頬を染めながら
意味が分からない、胸がキュンキュンするなの?
小首を傾げたイモ息子の仕草が可愛かったのでしょうか、ちょっと僕には分からない。
取り敢えずゴリラのデカい右手を広げ、手の中に居る魔界の甲蟲二匹をイモ息子君に見せる。
イモ息子君が胴体を伸ばし、甲蟲に顔を近付けた。
「……キュ、キュ?」
「え、コレ? 魔界の蟲だよ、ペットにどう?」
「……キュッ」
……舌打ち、今この子舌打ちした?
≪使えねぇモン持って来んな≫的な念が伝わって来たよ……
反抗期が早すぎて草。
ゴム丸君より武闘派じゃねぇのこの子……
あ、イモ息子君が神気を練り始めた。
『権能を使うようです。さすがイズアルナーギの
なるほどなー、幼神様の血筋か……
いや待て、『叔父と祖母が
親である俺とオルダーナも夫婦揃ってサイコパスなんですが……
おぅふ、血筋が悲惨過ぎてワロタ。
目も当てられんなオイ……
母親のオルダーナは世界さんが設定した『三種族の憎悪』とか無い異世界で人間ブッ殺しまくってるガチサイコだからなぁ。
せめてオルダーナが正常だったらワンチャンあったのに……
ゴメンよイモ息子、君の血はサイコ成分100%だっ!!
そんなアホな事を考えている間に、俺が持って来た二匹の魔界甲蟲は……男女の蟲人間になっていました。
私は目を閉じ、眉間を摘まんで
やっぱ居るね、二体居るわ……
腕が四本、脚が二本、黒い甲殻に包まれたのが居るわ……
3m近いガタイのカブトムシ系蟲人間が立ってますわ……
これはどう言う事でしょうか……
解説のヴェーダ女史に
ヴェーダさん、コレは何でしょうか?
『なるほど……これは転生の一種ですね。イモ息子の権能は昆虫の生育過程に
「それってアレか、その辺の蟲とかアレか、幾らでも兵隊に出来ます的なアレなのか?」
『そうですねぇ、神気が枯れぬ限りは。ですが、この子は蟲系眷属から絶大な人気を得ておりますし、
「いずれは権能の乱発も問題無く
『現時点でも日に百や二百は余裕でしょう、この子がやりたいと思えば、の話ですが。どちらにせよ、個ではなく衆を強化する富国強兵に向いた権能ですね』
「ふほぉーっ、そりゃスゲェ。ガンダーラは衣食住が充実してるからなぁ、どう考えても軍事寄りの考えで権能使ってもらいそうな気がする」
魔界の悪魔もほぼ無限湧き状態だが、昆虫は魔界も下界も含めて母数が桁違いだ。兵隊なんてどんだけ作れるか分からんわ……
って言うか、このクソ強そうな蟲人間は悪魔化とかすんのか?
『悪魔化は無理ですね、種族は蟲魔人となっています。イモ息子眷属ですが、ラージャの
「ふぅ~ん、息子家の家臣ってわけね、了解」
『交配が可能なのは今のところラージャとイモ息子、そして同種のみです』
「イヤイヤイヤ、俺はちょっと厳しいかなぁ、昆虫な部分が多すぎる。顔とかまんま昆虫じゃん、四肢の付け根とか関節がグロい、胸部装甲が装甲すぎてエロスを感じない」
股間がウンともスンとも言わん。
それじゃない感がパない……
何故か蟲系魔族の女性達に囲まれたくなった……あの子達がどんだけ美しいか再確認出来た事には感謝するぞ蟲魔人のメスっ!!
取り敢えず、残りの甲蟲四匹もイモ息子君に転生処理してもらおう。
イモ息子君はコイツら要る?
あ、要らんか、じゃぁパパが持って帰るねっ!!
『蟲魔人を六体も連れてどちらへ?』
え、新大陸に行って人類虐殺するんだけど?
『え?』
「え?」
『あ、あぁ~、なるほど、『です☆すた』経由で新大陸に降下ですか。南北どちらの大陸から攻めます?』
う~ん、南の端から上がって行くかな。
大陸の端から
『然様ですか。では下降後で構いませんので、すぐにどこかをダンジョン化してお伴を転移召喚して下さいね』
あっちはまだ瘴気が薄いから、随伴は魔族系眷属だな。
そう言えば、蟲魔人は瘴気が無くても動けるの?
『ふむ……動けますね、瘴気不要とまではいきませんが、ひと月ほど瘴気を吸わなくても問題無いようです』
よっしゃ。
じゃぁ行きますか。
旅のお供は……転移召喚する時に考えよう!!
ソイヤーっ!!
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