第267話「メズゴズだぁぁっ!!」





 第二百六十七話『メズゴズだぁぁっ!!』





 七月八日、午前、オーストラリア的な大陸の西海岸は雷雨。


 昨日の『第一次性徴戦争セクシャル・ウォー』から一夜明け、眷属達は魔族救出作戦を開始した。


 フオウさんとプルピーが早朝から率先して救出に向かったのは良い事だ、必死な様子が伝わって来る。何かに怯えてるようだが、不思議だ。


 俺はいつもの様にソロでダンジョン攻略。

 と言っても、常に愛棒が一緒だがなっ!!



『ンもう、バカ』



 たはーっ!! 昼間っから惚気のろけが過ぎましたかな?


 まぁね、さっきまで他のダンジョンを攻略してたからね、テンション上がってんだよね、コアが美味しかったしダンマスがクソだったしねっ!!


 今から攻略するのは二皇三帝の内の誰かが居るダンジョンだ。


 テンションを上げずにはおれんのですよっ!!

 興奮せずにはおれんのですよ僕ぁっ!!


 ダンマスにトドメを刺す時だけ眷属の誰かを呼ぶ算段です。必要ではなくなったとは言え、不要になったワケじゃないからね、経験値。



『私の愛するマハーラージャ、五階層まで侵食を終えましたよ』



 お、おう。

 何だろう、何か怖いな……


 取り敢えず、小猿君達に……いや待てよ?


 侵食が終わってるならその部分は俺のダンジョンだ、敵の養殖は俺の物にはならんから殺すのはいつも通り、なら俺がブッ殺すより創造悪魔を召喚して殺らせる方が経験値的には美味しいのか……



『そうですね、ゾロアスター・シリーズは暇を持て余していますので、彼らに先行させるのも良いでしょう。創造悪魔ではありませんが、丘陵街セパルトゥラの冒険者や傭兵を呼ぶと喜びますね』



 あぁ~、セパルトゥラの冒険者や傭兵も近場じゃぁ仕事が無くなったもんなぁ。



『最近は旧ジュダス帝国のダンジョンに転移遠征しておりましたが、ラージャのダンジョンになってしまいましたから、お宝を全部奪って養殖を皆殺しに、とは参りません。こちらが気にしなくても、彼らは気後れするようですね』



 そりゃなぁ、そっかそっか、オッケー!!

 そんじゃぁ丘陵街の荒くれ共を呼んでみっかぁ!!


 連絡ヨロシクゥ~!!



『うふふ、はいはい』




 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 ふむふむ、中々やりおる……

 悪魔冒険者も悪魔傭兵も職業は飾りじゃねぇぜ!!


 さすが生粋の悪魔と言ったところか、残虐ファイトが通常運転なんですなぁ。ニッコニコしながら養殖をブッ殺しまくってる。


 って言うか、そんな事より……


 ここのダンマスは『ヒト系眷属適正』だったのかな?

 皮膚や髪の色が違う人間養殖だらけなんですが……

 ゴーレムとか基本の五種族すら居ないんですが……



『その様ですね、魔族系や獣人系養殖が居るのですから当然と言えば当然ですが、異様な光景に思えてしまいます』



 だよなぁ、頭のオカシイ日本のRPGでもコレは無くねぇか?


 全裸の老若男女が人種を問わず襲って来るゲーム、発禁だろ……


 ゾンビとかならギリギリセーフか?

 いやセウトだな、無理。


 これって初期に攻略した魔窟の『養殖ゴブリン・ブッカケ事件』より酷いんだけど……


 養殖だから『三種族の相互憎悪』とは切り離されてるのが救いか、そうじゃなかったら魔族と獣人が怒りで発狂しそうだな。


 ある意味、悪魔に攻略させたのは正解だった感じ?



『あの養殖は本物の人間ではないので、攻略組に魔族が加わっていたとしても何の問題も無かったでしょう。少し驚く程度かと』



 そんなもんかねぇ。


 ん?……あの冒険者……



『獣人国から流れて来た例の悪魔化した人妻牛獣人ですね、元気そうでなにより。ラージャとオッパイエに対する崇拝が極まっているようです』



 あのオバちゃんも頑張ってんなぁ……

 名前は……『フェラウ・ボウ』か、良い名だっ!!


 ふむ、これも何かの縁だ、俺とオッパイエとの間に出来た息子の乳母うばになって貰うか……お乳がメッチャ出そうだしなっ!!



『神域入りさせるなら彼女に神気を注いで【神の御使みつかい】に昇華させる必要が有ります。ラージャとオッパイエの神気を少し与えるだけで大丈夫です』



 なるほどなー、任せとけっ!!



『少しだけ、少しだけですよ? 振りじゃありませんよ?』



 わ、分かってる、小猿君一匹分くらい?



『分かってなかったですね……小猿の小指第一関節より先、この程度で十分です。何なら小猿の鼻毛二本でも構いません』



 鼻毛は可哀そうだ、ヨシ分った、小指の先程度ね!!


 おーいオッパイエ、一緒にヤらないか?



“ヤりますっ!!”



 ではオバちゃんを呼びましょう、来なさいっ!!

 目の前にオバちゃんを転移させます。


 オバちゃんがキョロキョロして驚いてます、俺に気付いて腰を抜かしました、お漏らしは目をつぶってあげます、僕は紳士なのでっ!!


 オバちゃんを念力で宙に浮かべます、オバちゃんが頬を染めてM字開脚しました、違うそうじゃない。


 ではオッパイエさんっ、ヤりますよっ!!



“はーい”



 頬を染めるオバちゃんの六つ有るデカパイにさり気なく触れながら神気を流します……ちょっと瘴気も入りましたが大丈夫、想定の範囲外です、ヤベェ……



『…………』



 ヴェーダが何も言わないのでセーフでしょう。

 僕とオッパイエの神気注入が済みました。

 あ、ついでに生気注入もしておきましょうっ!!



『…………』



 オバちゃんがビクンビクンして気持ち悪いです……

 何だかオバちゃんの衣服が中華風になりました……


 体色が真っ黒になって体もワイルドに……

 小さかった角が雄バッファロー的な角に……

 持っていた手斧がクソデカい戦斧せんぷに……


 あ、あれれ~、何だかおっかしいぞぉ~??



牛頭鬼ゴズキですね、お疲れ様でした』



 お、おう。

 取り敢えず、ヨシッ!!


 何だか若返ってビルドアップしたオバちゃんを着地させます。

 オバちゃんがカッコ良くひざまずいて頭を垂れました。


 な、何か言った方が良いな!!



「ゴッホン、フェラウ・ボウよ、お前に息子の乳母を任せたい。俺とオッパイエの子だ」


「ッッ!! ははーっ、有り難き幸せっ、この乳が干乾ひからびるまで授乳してご覧に入れますっ!!」


「そ、そうか、あ、お賃金は……」


『ひと月で【二坊や】、良いな?』


「ッッ!! これは智愛神様っ、そそそそんな高待遇をっ!? 十分で御座いますっ、そそそそのおチンチ……お賃金で結構で御座いますぅぅっ!!」


『宜しい、ならば神域に向へ、もう行き方は分かるな?』


「はっ!! それでは大魔神様、智愛神様、御前失礼しますっ!!」



 オバちゃんは消えました。

 もの凄く興奮して消えました。

 少しだけ息子が心配です……



『ラージャ、ムンジャジが妬いています、オッパイエの子だけズルいとプンプン丸ですよ?』


「え、どうしよう」


『う~ん、バランスを取るなら……あそこに居る馬獣人の人妻、あの女性も小猿に心を奪われ最後に涙した一人です、先ほどと同じように【御使い化】してみては?』



 むむむっ、どうするムンジャジ?



“ヤってやろうじゃぁないか!!”



 ヨシッ!!

 そんじゃ二発目いきますかぁ!!



馬頭鬼メズキに成るんですね分かります』



 お、おう。








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る