第262話「ふふふ、強くなっていく……」





 第二百六十二話『ふふふ、強くなっていく……』





 六月二十七日、夕刻、ジュダス帝国全土は雨模様。


 俺は相変わらず巨大戦艦の艦橋指令室で嫁さんズと共にダンジョン攻略を観戦中。


 ダンジョンは上下共に第一万階層一歩前、現在はそれぞれ勇者部隊と交戦中。


 どの勇者も地球生まれではない、髪の色や召喚道具がファンタジックです。翻訳を切った状態で聞く言語も知らん。


 地球の言葉を全部知ってるわけじゃないが、赤や青い髪色をしたアホのヘンテコな言葉は地球の言葉ではないと信じたいっ!!


 ウッペペマルマスンマッ!? オゥンマッ、ハメッコ!!

 アー、リリッケムッセ!! ウィデウィデッ、ンソッマソ!?

 ンバァーッ、グッ、ンバァーッ、ンバァーッ、フェンヨー!!


 とか、絶対に地球の言葉ではない……っ!!

 断じて女の子が発して良い言葉ではない……っ!!


 って言うか、『ンバァーッ』は『痛いよーっ』って意味なんだぜ……


 あ、ンバァーッの女勇者が死んだ。

 殺したのは赤髪小悪魔幼女のキャラスンだ。

 巨大な瘴気ビームサーベルで障壁ごと薙ぎ払った。



 攻略組は最終戦に向けてロボを投入した。ヴェーダの侵食は終わっているので階層は拡張済み、巨大ロボでも十分動き回れる。ただし、サイコメンタルシリーズは除く。


 キャラスンは専用機の赤いロボ【Rジャジャ馬】に乗って暴れている。全体的に尖った印象で俺は好きです。


 桃色ワイルドヘアーのパゾムリアは【ルゲリグ】と言う赤と黒で塗装された専用機。何か肩が異様にデカい。


 黒髪長髪のニギレンの専用機は【カズアル】、青いボディ以外は銀色、右肩にデカいツノが付いてる。


 青黒髪のランギレン専用機は【カズエル】、ニギレンの同型機でボディが赤、左肩にデカいツノ有り。



 プルピーとフオウさんがクッソひまそうに体育座りしてるのが怖い。何かソワソワしてるのが怖い。



『両者からサイコメンタルの転送要請が絶え間なく来ております』



 心を鬼にして拒否をお願いします。



『伝えておきます』


「馬鹿なの?」



 何で俺が言ってる風に言うの?

 あ、フオウさんが立ち上が――



「ただーいまっ!! ねぇねぇ、何で意地悪するの?」

「ただいまーっ!! お兄ちゃん、サイコ出してよサイコ!!」


「うむ、そうだな……【フェミニ・銀河的性感爆発ギャラクシアン・セクスプロージョン】っ!!」


「ッッ!! ばかばかっ、キャァァッ意地悪ぅぅ……」

「ッッ!! ぴゃぁぁっ、お兄ちゃんのアホーー……」

『なっ!! イヤァァァッ、何で私までぇぇっ……』


“帝王様がまたっイッぐぅぅぅぅ……”

“性欲ショックに備えろっ逝くぞっアッーー……”

“対性欲バリアを張れっ何やってイッぐぅぅぅぅ”



「成敗っ!!」



 うむっ!!

 悪い子は滅びた……

 乗員の皆さんはスマンかった。


 さて、乗組員の総入れ替えをしましょうかね。



「アルガ、後は頼んだ」


≪お任せを≫



 戦艦ヴェーダのコアは息子の『アルガコサック』に決まった。

 略称はアルガ、戦艦大好きな海の男だっ!!



『お~い親父ぃ、勇者を全部ブッ殺したぜぇ!!』

『こっちもブッ殺してやったぜ!!』


「そうか、じゃぁ上から行くわ」



 キャラスンとパゾムリアから戦闘終了の報告。

 彼女達の口調はワルっぽいが、良い子達なんだ……

 ニギレンとランギレン兄弟より口が悪いが良い子達なんだっ!!


 ちなみに短い青黒髪のランギレンは活発な男の娘だ……




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 帝都ダンジョンの上部、パパドンプリーチ城よりデカい城がメインのダンジョンになっている。


 その最上階にやって参りました、しかし、ここにダンマスは居ない。


 代わりにサブコアとサブマスが居る、が……



≪マスター、気を付けて≫

「大丈夫、さて、私がこの白鳥城ダンジョンのマス――」


「萌えろ性宇宙セクモっ【フェチナス・金剛色欲搾乳ダイヤモンドバスト】っ!!」


≪イッぐぅぅぅぅっ……≫

「イッぐぅぅぅぅっ……」


「親父のアホーーっ……」



 しまった、キャラスンも一緒にイカせてしまった。

 たはーっ、申し訳ないっ!!


 しかしまぁ、女性型ならコアでも魔人眷属サブマスでもイケるんだなっ、それが確認出来て良かったです。



「ニギレン、そこのアホ女をブッ殺したらキャラスン連れて転移しろ」


「うぃーっす、俺も下に行っちゃ駄目?」


「別に構わんが、俺の予想じゃぁここと余り変わらんと思うぞ?」


「りょうかーい。そんじゃぁ魔人さん、死にな」



 ニギレンが気絶したサブマスの心臓を貫き、魔核をブッコ抜いた。あ、俺にくれるのか、サンキュ!! ん~、美味い!!


 ではでは、前菜も喰い終わったのでメインをむさぼりましょう。


 サブコアの綺麗な銀髪を掴んで~……服は邪魔だな、神気で弾き飛ばします、では改めて~……



「イタダキマス」



 ゴックン……ふむふむ、ンッン~……美味いっ!!

 これはアレだ、ピーナッツバターを塗った食パン味だっ!!

 くっふぅ~、新鮮な搾りたてミルクが飲みたいぜっ!!


 新鮮な搾りたて女神メガミルクが飲みたいぜっ!!

 オッパイエとチッパイエの産地直送が欲しいぜっ!!


 ……勃起したんだぜ?


 ちょっと神域に行って来るぜっ!!




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 ふぅ……


 ミルクを飲みに行ったのに、何故かミルクを出してしまったんだぜ、不思議なんだぜ?


 ついでにヴェーダから怒られたんだぜっ!!

 七万年くらい一緒に寝たんだぜ……



『反省して下さい』



 反省したんだぜっ!!

 愛するお前に迷惑は掛けたくないんだぜっ!!



『ンもう、調子の良い事ばっかり』



 えへへ、って事で、帝都ダンジョンの下部へ来たんですが。


 う~んコレは……予想通りかなぁ。


 最後の砦に居るサブマスが女だったからな、俺ならそんな危険な所に大切な異性は置かねぇと思ったが、そうだよなぁ。


 逆ハーレムってヤツか?



『そうですね、まぁ、一途いちずな私には理解出来ませんが、異常とは思いません』



 だな、男を囲いたいなら好きにすりゃいいって話だ。


 ってかまぁ、その囲ってる男共は今から殺すわけだが。



『私は避難しておきますので、思いっきりどうぞ』



 はいよー。



「パゾムリア、ランギレン、殺せ」


「おうっ、死ねオラーっ!!」

「じゃぁ僕はこっちを殺すーっ!!」



 二人が乗るロボが男のダンジョン眷属共を虐殺する。


 逃げ惑うゴミ共、ダンマスとコアが障壁やら結界やらで防戦しているが間に合わない。固有能力と思われる未来兵器召喚も役に立たない。


 神の干渉はまだ無い。

 まぁ、どうでも良いが。


 出て来ないなら好きにやるさ。

 女のダンマスに加護を与えた事を悔いるこった。

 ついでに、コアの性別も受肉先も、な。



仮初かりそめの愛におぼれろ【性凰せいおう・性魔拳】っ!!」



≪マスター、次は右からミサイルがイッぐぅぅぅぅ……≫


「畜生っ、みんな待ってて、今助けイッぐぅぅぅぅ……」


『クックック、舐めるよ大魔神、我が名はイッぐぅぅぅぅっ……』



 ふむ、女神だったか……

 顕現けんげんしなければ助かったものを。



『お疲れ様ですラージャ。その女神はどうしましょう? アートマンの許へ連れて行って教育しますか? この場で滅ぼしても構いませんが』



 う~ん、食べちゃうっ!!

 何か美味そうだからっ!!

 異世界神の知識も丸ごと欲しいしっ!!


 って事は、コアとダンマスの魔核と女神を連続で食えるわけか、こいつぁ贅沢ぜいたくだなっ!!



『うふふ、私は魔界トンネルと共にダンジョンの整理をしますね、ゆっくりお召し上がり下さい』


「おうっ、トンネルズに任せるぜっ、サンキュー!!  パゾムリアとランギレンはダンマスをどっちが殺すか決めとけ」


「アタシがブッ殺す!! ランギレンは残りのゴミを殺しな」


「おっけー」



 うんうん、喧嘩にならんのはエライっ!!


 あ、ここを管理するコアっ子をオマンとこさえなきゃ!!


 よ~し、頑張るぞーっ!!



 取り敢えずコアを喰いますか……

 イタダキマス。








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