第258話「優しく運んでおくれよ」





 第二百五十八話『優しく運んでおくれよ』





 六月十一日、昼前、ジュダス帝国東部沿岸、快晴の海原が綺麗です。


 この地から海を臨むと、水平線の彼方かなたに薄っすらボヤけて何かが見える。


 それが大きな島だと分かっているが、神の目や何らかの視力補正スキル等が無けりゃぁ、肉眼では見えんな。


 あの島には大きなダンジョンも数個確認出来ている、面積は日本より広い。


 先ほど、島の制圧部隊が出撃した。部隊長はレイン、ワイバーンのヤスシ率いる空挺部隊も先遣隊として早朝に飛び立っている。


『です☆すた』から千機の無人偵察機も送られている、対地・対空攻撃も可能な優れた偵察機なので、制圧部隊を上手く支援してくれるだろう。



「お兄様ぁ~、もう無理でしゅぅ~、出ましぇ~ん」


「大丈夫だ、問題無い【性凰せいおう按摩拳あんまけん】っ!!」


「え、痛くも痒くもアヒィィィィッーー……ッッ!!」



 ブッシャーーッッ!!



 豊穣三姉妹の末妹『チッパイエ』の豪快な慈雨が、大陸東端に巨大な虹をえがいた。美しい……


 これはスゴイ防風林ですねぇ……

 あ、ワカメやコンブにも影響が……


 アヘ顔ダブルピースで碧眼を白目に変えて昇天してしまった女神。


 小さな体、ボブカットの金髪は淡い緑が混じり輝いている。


 チッパイエの小さな『おか』は、姉の巨峰に比べれば随分と控えめだ。いや、比べるのは惨酷だった反省している。


 ……丘と言うのも誤りだ、正確には『丘?』だろう。


 その可愛らしいチッパイの先端には極薄ピンクのサクランボ……


 ふぅ……


 も、もう一回、もう一回だけだからっ!!



『死んでしまいますめてあげて』



 クッ、残念だ……


 俺はチッパイエの右頬に激熱のキッスを撃ち込み、姉がアヘ顔ダブルピースで眠る俺のベッドへ転送した。姉妹で眠れ、俺のキッスに撃たれて……


 ちなみに、そのベッドには早朝からフオウさんもアヘ顔で気絶している。目が覚めるのは昼過ぎだろう。


 フオウさんが起きる前に本日の仕事を終わらせなければ……


 明日でジュダス帝国東部のジャングル化は終わるから、各地のダンジョン化と魔界トンネルの大量設置で良いかな?



『妖蜂と妖蟻の王皇族が本日の深夜には全ての産卵を終えます。産まれるのは全て貴方の子ですから、分封の為の領地を用意する必要が有りますね。オルダーナの祖父王が蜂系の人外ですので、嫁に出すのも良いでしょう』


「なるほどなー」



 分封か、妖蟻は地下だからどうとでもなるが、妖蜂は地上の方が好ましい……う~ん、マハルシの階層ごと贈ろうか、その辺の領地よりよっぽど広いし便利だろ。


 でも不満が出そうだな。

 マハルシが快適すぎる。



『マハルシ分封階層への振り分けはアカギやカスガ達が決めるでしょう、御心配無く。それより、今度は両族の士官や上位の文官達が産卵を開始するので、一時的な配置転換が必要となります、ご承知おき下さい、厠番は総換えです』


「はいよー」



 そうか、士官組がなぁ……

 ツバキやオキクがママに、か……


 そう言えば、アイツら軍級が上がってたなぁ。



『ツバキ大尉は大佐に、オキク少尉は少佐に。ツバキは産卵を機に退役して准将を生前贈級されました、今後は専業主婦になるそうです。後任はイオリ曹長、現在は中尉です』


「はぇ~」



 なるほどなー。

 みんな頑張ってるなぁ~。



『ツバキ達はラージャとの逢瀬が極端に減りましたので、情緒不安定になっていましたが、分神の大量投入で正常に戻りました。罪な人ですねぇラージャは』



 ッッッ!!!!!!


 ふんぬっブチブチブチブチィィィッ!!!!

 ファサ~、ファサ~、ファサ~、ファサ~ッッ!!

 舞い踊れ俺の鼻毛っ!! 届け俺の情熱っ!! ファサ~ッ!!


 ほいやぁっブチブチブチブチィィィッ!!!!

 ファサ~、ファサ~、ファサ~、ファサ~ッッ!!

 天翔あまかけよ俺の鼻毛っ!!  届け俺の懺悔ざんげっ!! ファサ~ッ!!



『ちょっ、待っ――』



 俺のようなクソ虫を赦してくれいとしい花々っ!!

 すまぬっ、びるっ、帰って謝るっ、うおおおぉっ!!


 開けっ、俺の【性なる第七感セブンセックス】っ!!


 萌えろ性宇宙セクモっ!!


 天地あめつちを貫け【ゴルゴ・勃起宝輪】っ!!



『ラージャ待っキャァァッーー……』



“帝王様ご乱心っ、帝王様ご乱心っ!!”

“全機散開っ、回避回避ーーっ!!”

“戦艦ヴェーダ面舵一杯、対性欲ショック準備”


“クッ、こちら『スカル4』、そろそろイきそうだよ……”

“スカル4っ、頑張れっ、まだイくのは早いぞっ!!”

“えへへ、隊長、アタシ、先にイくね、バイバイックゥゥ!!”


“スカル4ォォッ!! 畜生ぉっ!! スカル隊っ、コケシ挿入だっ”


“隊長……自慰じけつですか、ふふふ、ヤってやりましょう!!”

“よぉ~し、イこうぜみんなっ、隊長に続けぇっ!!”

“ヒュ~、今日のオカズは帝王味、なんてなっ、イッぐぅ!!”




「うむ、成敗っ!!」



 ヨシっ!!


 届いたかな、俺の愛……


 どう思う、ヴェーダ?……


 ……ヴェーダ?

 ヴェーダちゃん、ねぇ、返事してっ!!



『大丈、夫、と、ど、いて、ま……(ガクッ)』



 そうか、届いたかっ!!


 でもさ、妖蜂と妖蟻の数は……あんな鼻毛の数じゃ足りねぇ!!


 ふんぬっブチブチブチブチィィィッ!!!!

 ファサ~、ファサ~、ファサ~、ファサ~ッッ!!


 ほいやぁっブチブチブチブチィィィッ!!!!

 ファサ~、ファサ~、ファサ~、ファサ~ッッ!!



 運んでおくれ初夏の風、俺の後悔を潮の香りと共に……









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