閑話其の十「先っちょだけ、先っちょだけだから」





 閑話其の十『先っちょだけ、先っちょだけだから』





 【ジャキ領・領都ジャッキータウンにて】





 あぁ~コレ、すっごいコレ、あぁ~キた、イクイク、イッちゃうよ、ねぇこれイッちゃうよ、あぁ~ほら見てココ、ビクンビクンしてるコレほら、あぁ~ふ、あぁ~ふ、あ、あ、あぁ~……フハッフ、ンッンッ~。



「閣下? 大丈夫ですか?」


「ブッヒィ……問題ねぇ」



 兄貴がコア嫁三姉妹の『ウケミ』『パシブ』『セヴィル』経由で注いでくる生気が俺をもだえさせていた。心配した嫁悪魔のペニバンが背中を撫でてくれる。


 俺はペニバンの右頬に熱いキッスを撃ち込み、三姉妹にお礼を言ってベッドから立ち上がる。


 強化された体の調子は……へへっ、ゴキゲンだぜ。

 コイツぁ少しばかり肩慣らしが必要だ。



「レインと北エイフルニアに行ってくる」


「お帰りはいつ頃でしょうか?」



 無表情だが寂しそうな雰囲気のペニバンが俺の太すぎる左腕を胸に抱く。


 よせよ、戦いの前に勃起をきたしてしまう。

 三姉妹も悲し気に俺の衣服を剥ぎ取りだした。


 よせよ、戦いの前に僕は死んでしまうなの?

 三姉妹が悲し気に自分の衣服を脱ぎ捨てた。



「旦那様、出立前に」

「さぁどうぞ」

「こちらへ」



 戦いに向かう旦那を気遣う三姉妹。

 三姉妹のトリプルM字開脚、オメェら……

 優しい三姉妹、俺のドリルが天をく。


 そんなドリルを見たペニバンが俺の背中を押した。

 俺はヨロヨロとベッドに倒れ両手を突く。



「ヨツンバインになって」



 無様ブザマな格好の俺を更におとしめようとする非情なペニバンの言葉に、三姉妹は目を伏せて涙を流す。


 へへへ、なるほど、俺はハメられたってワケか……


 いや、ハメられる、か……へへっ。



 アッーーーー!!!!



 しゅ、しゅごいなのぉぉぉっ!!

 今日のペニバンお姉しゃん、しゅごいなのぉぉっ!!




 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 【北エイフルニア・とあるダンジョンにて】




 むしゃむしゃ、ゴックン。

 相変わらず美味いぜ、兄貴の干し芋はよぅ……

 おっと、麦茶を飲まなきゃな……グビグビ。


 止まらねぇ永遠のサイクル……

 干し芋と麦茶のコンビが俺を狂わせる。



「ぷはー、美味いんだぜっ!! イズアルナーギ様から授かった加護のお蔭で、神木銀行に預けてある物がどこに居ても取り出せるのは最高だなっ!!」



 俺は高級サツマイモ製干し芋を呑み込み、竹水筒に入れた麦茶でのどうるおしながら、隣で歩くレインに声を掛けた。


 レインも兄貴の生気注入で強化されている。

 ここへ来たのは俺と同じ目的だ。



「……そうだな、異次元袋や収納スキル以上に使い勝手が良い。神木銀行に振り込まれる給料や支給品も、こちらで分別し管理する必要も無く好きな時に取り出せる」



 肩に担いだ御自慢の槍で軽く肩叩きしながら、レインは俺様を見ずに答える。こう言うカッコ付けた仕草がコイツの駄目なところだなっ!!



「むしゃむしゃ、輜重隊の仕事が無くなりそうだな」


「……無くならんさ、物資を外に晒さなくなるだけだ」


「なるほどなー、むしゃむしゃ」



 レインは時々頭良さげに語るのが玉にキズだなっ!!

 ペニスが二本有っても考える頭は一つか、ヤレヤレだぜ!!


 もう少しコンパクトにものを考えなきゃぁ、好い漢にはなれねぇぜ?


 俺のドリルは一本だが、そのドッシリと構えて全てを受け入れる造形が多種多様な思考を生み出す……ってペニバンが言ってたんだぜっ!!



「……ジャキ、狩りの時間だ、奥の剣士は俺がる。手前のメス格闘家はお前が殺れ」



「え、おぉ、あれか、むしゃむしゃ……あ、剣士が逃げたぞ」


「……ちっ、仲間を見捨てる下衆か。たとえ人間のやる事だとしても気に喰わんな。俺は奴を追う」


「むしゃむしゃ、ゴックン、グビグビ、おうっ!!」



 レインが走って行った。転移すれば良いのに……

 これだからペニスが二本有る奴は……はぁ~。


 取り敢えず、メス格闘家を囲む養殖悪魔達を下がらせる。

 ハイハイどけどけ、俺様が通るぜっ!!


 あれれ、言う事聞いてくれねぇな……

 俺がここのマスターじゃねぇからかな?


 まぁいいや、養殖なら殺して構わんだろ、死んでしまえっ!!



「南都無情豪掌波っ!! えいさほぁーっ!!」



 二十三匹の養殖悪魔をブッ殺した。

 やれやれ、俺は弱い者イジメが嫌いなんだがな?



「た、助かっ……猪人っ!?」


「だったら何だコノヤロー」



 俺を見た人間のメスが尻もちをついて後ずさる。

 短い黒髪、茶色い肌と黒い瞳は東の半島出身か?


 装備は胸当てと変な小手、服は上下とも赤い――

 チッ、小便漏らしやがった、臭うぜ……


 だがしかし、お漏らし格闘家でも容赦しねぇのが俺の流儀。


 そして、魔族女のお漏らしなら大歓迎するのが俺流、だっ!!


 このメスは高ランカーとか言う奴らしいからな、強化された俺様の肩慣らしに丁度良い。


 ではさっそく勝負を挑むぜっ!!



「俺の名を言ってクレメンスゥゥ」


「ヒ、ヒィィ、あ、あっち行けっ!!」


「兄より勝る弟など存在せんのだぁぁ」


「ヒ、ヒィィ、来ないで、イヤだぁ!!」


「戦神ムンジャジよ、戦いの鐘を鳴らしてクレメンスっ!!」



≪宜しい、その勝負この戦神ムンジャジが見届けアンッ、馬鹿、今はよせ……もぅ、君の弟分が一対一の勝負で、アッ、もう少し、ゆっくり、頼む、まだ、慣れて、ない、から……アッ、好き、ハァハァ、愛してるよ、愛してるんだ≫



「なっ、戦神の神託……っ!!」


「そ、そうだ」



 兄貴は、あの超絶別嬪べっぴんな男前女神様とヤってんのか……


 クッ、羨ましいっ!!

 卑怯だ、兄貴だけ卑怯だっ!!



「ヒ、ヒィィ、ななな、何て太いの……ゴクリ」



 しまった、戦神様のスケベな格好を想像したら勃起をきたしてしまった。


 クソッ、この股間に集まる熱いパトスをどうにかしたいっ!!


 目の前のメスをヤっちまうか?

 いや駄目だ、兄貴にブッ殺される……



『同意を得れば怒られませんよ』



 あわわわわねぇさんっ!?



『そのメスは仲間の裏切りによって精神が揺らいでいます、さらに、魔族に対する嫌悪と自分を加護する神への不信で考えがまとまりません』



 と、申しますと?



『堕としなさい、貴方のドリルで、悪魔に。最後の処置はラージャがやってくれます』



 ヒュ~、言ってくれるじゃないの。

 オッケー、任せなよ、俺に。


 俺は服を脱ぎ捨て全裸になった。

 メスの顔が恐怖に染まる。


 ここだ。



「人間の女、先っちょだけ、先っちょだけだから」


「ヒ、ヒィィ、ど、どうせ、殺すんでしょっ!!」


「約束しよう、先っちょだけ入れさせてくれたら、殺さん」


「……せ、戦神様の名に懸けて?」


「誓おう、戦神ムンジャジの名に懸けてっ!!」



≪こ、こら、今は君の弟分が大事な宣誓をッッン、そ、そっちの穴は、まだ、早いよ、バカ……アッ……私を離さないでおくれ、永遠に、永遠に、だよ、チュッ≫



「せ、戦神に誓いを立てたと言うのっ!?」


「そ、そうだ」



 クッ、何て事だっ!!


 兄貴はあの超絶別嬪べっぴんな男前女神様と後ろまでっ!!


 チクショウ畜生ちくしょうめぇっ!!

 ロマンティックが止まらないっ!!

 俺のペニスは限界だっ!!



「あくしろよっ!!」


「わ、分かった、先っちょだけなら……」


「ヨツンバインになれよ」


「クッ、絶対に先っちょだけだからねっ!!」


「ウソは言わねぇ」



 まぁ、俺のドリルはどこからどこまでが先っちょなのか分かんねぇけどなっ!!



 では早速、ズボっとな。



「ウソつきぃぃぃ、しゅごいぃぃ、コレしゅごいぃぃっ!!」




 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 フゥ……

 今日は疲れたんだぜっ!!



「お帰りなさいませ」



 俺の城に転移すると、ペニバンが真っ先に出迎えてくれた。


 抱き着いて来るのは毎度の事だが、甘え過ぎも困るぜ?


 ったく、体臭を嗅ぐのはヤメな、俺を好きすぎかよ。



「ヒトメス臭い……ヨツンバインになって」


「あ、ハイ……」



 ヒュ~、軽い浮気がバレちまったかな?


 たはーっ!!



 アッーーーー……




 俺はジャキ、南都四兄弟の三男坊。


 最近、ミギカラのジジィと一緒にダンジョン巡りするのがマイブーム。









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