第250話「聞いて来なさい、早くっ!!」





 第二百五十話『聞いて来なさい、早くっ!!』





 兄貴の威厳か、大人の責務か、俺はお転婆な妹達を折檻せっかんしてやった。


 プルピーとその姉妹五名を桃色空間に招き入れ、軍隊にける命令の遵守じゅんしゅとその大切さを懇々こんこんと、彼是かれこれ一億と二千年の間、真摯しんしな態度で切実に股間に叩き込んだ。


 マグロ状態の冥府侍女五姉妹が、千年経過辺りから『ッン』とか反応し始めて、徐々に人形状態から脱していく様は、何とも感慨深いものだった。


 私の性癖に合っていますねっ!!


 しっかし、プルピーの甘えセクロスは何なんだ?



『オシャレなパールは貫頭衣を縫うのが上手なの、僕もお兄ちゃんの針で縫われたい、えへへ』


『お茶目なデジタンはイタズラっ子なの、僕もお兄ちゃんにイタズラされたい、駄目?』


『おてんば娘のティケットは一番優しい子、でも泣き虫なの、僕も泣き虫だからチュってして?』


『食いしん坊のボノはドングリをポケットに隠してたの、僕も食いしん坊だから、お兄ちゃんのミルク沢山飲ませて?』


『小さなニシノフは賢い子、魔法がとっても得意なの、僕はバカで魔法も得意じゃないから、お兄ちゃんのソレで僕にキツく教えて?』



 などなど……甘えん坊にも限度がある。


 私の性癖に合っていますねっ!!


 桃色空間から出る頃には、六姉妹が揃って『お兄ちゃんっ!!』と呼んでくれるようになった。感動した俺は三千年プラスして折檻した。お転婆が過ぎるぜ。


 折檻を終えたプルピー達は、俺の許可を取って早速出撃。哨戒任務だ何だと言っていたが、だたの宇宙遊泳だな。


 冥府五姉妹には専用機【キュベレイ(パープルカラー)】をプレゼントした。五姉妹が今まで搭乗していた【サイコ5】はプルピーが念力で動かす事にしたようだ。



『です☆すた』を管理するコアっ子は、昨晩生まれた男の子『情事ルーカス』に決まった。少し変な名前だが、秘められた情事を好む想像力豊かなイケメン男子だ。


 今夜は『巨大戦艦ヴェーダ』のコアっ子をこさえたいと思っている。困ったな、またオマンの所で泊まりか、参ったな、ヤレヤレだぜ。


 あ、オマン? 今日の夜、晩飯食ったら行くから、おう、うん、アハハ、馬鹿言ってんじゃねぇよ、朝まで寝かさんぞ?


 え? あぁ、今からは難しいな。

 ん? 今好きって言った?

 あ、勘違いか、うん、じゃぁね!!



『……』



 うむっ、ちょっと仕事のスピードを上げるか……

 鹵獲ろかくした衛星の解析はまだだな……

 これはヴェーダに任せるとして……


 エイフルニア大陸に魔界トンネル設置しまくるか……


 いや、ダンジョン創ってから内部に設置した方が効率良いな……


 この広大なエイフルニア大陸に多くのダンジョンを……


 え、って事は、そのダンジョンを管理するコアっ子が必要になるじゃないですヤダー。物凄く必要になるじゃないですかヤダー。


 たはーっ、参ったねこりゃ、オマンに迷惑を掛けっぱなしだ。


 たはーっ、神木エキスの化粧品でも贈って謝ろう。たはーっ!!


 あ、でもアイツ最近は料理の勉強を始めたしなぁ……

 あ、アハトマイトの包丁とかどうだろうか?


 ヴェーダはどう思う?



『……宜しいのでは?』



 じゃぁちょっと包丁作ってくりゅー!!

 神木前に転移しますぞー、ソイヤッ!!




『王妃達よ聞きなさい、時代は甘酸っぱい同棲風のかよこんです。各地に散らばるダンジョン内に個人用別荘を造りなさい、妖蜂と妖蟻の姉妹以外は必ず個人用を建てるように、宜しいですね? あと、料理学校を開きます』




 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 五月二十五日、朝、大森林は快晴。


 エイフルニア大陸でのダンジョン創造は順調に進んでいる。


 地上に何かを建てる事はしない、ダンジョン内で俺達の生活は完成されているからな、地上はジャングル化する事にした。


 オッパイエは大活躍だった。彼女は紳士な眷属達に絶大な人気が在るので、神格も随分上がりジャングル化がはかどった。シャワーを浴びた連中の子作りも捗った。


 緑の少ないエイフルニア大陸が、あっという間に緑溢れる大陸に変わった。これはとても素晴らしい事、なわけだが……


 エイフルニア大陸の北部はユースアネイジア大陸の西端と地続き。北東部はユースアネイジア西部の半島と細い海峡でへだたれている。当然のように問題発生だ。


 地球で例えるなら、西欧とアラビア半島から目を付けられた状況。


 まだ軍艦が派遣された様子はないが、商船が頻繁にエイフルニア北部を往来し、小舟を出して上陸を試みる事例が多発。


 緊急処置として地続きの場所には長城を築こうと考えたが、ダンジョンに誘い込んで飼い殺す方が楽なので、北部の国境や海岸沿いにダンジョンと小さな街を創りまくった。


 もう爆釣でした。


 欲に駆られた馬鹿共がアホかと思うほど釣れる。

 各国から冒険者御一行様が連日押し寄せて来ます。


 人畜不足が一気に解決した。


 お客を呼び込む為の貴重品も大量に撒いたので、何人死んでもひるまず再突入してくれます。


 隠れ悪魔娼館も在るので、ダンジョンにびたる奴が増えてる。当然、ダンジョンの横に造った街にも悪魔娼館は在るが、こっちは悪魔娼婦や悪魔男娼達の遊び場だな。


 DPの収入は上々、ついでに人間達のドロドロとにごった感情も日増しに増えている。そのヘドロと化した感情が瘴気と混ざり、それを吸ったゴミカス共の心をむしばむ。


 ダンジョンで置き去りにされた奴とか、荷物持ちの奴隷とか、ほどほどに精神が擦り切れている奴が多い。こんな奴は『シナガワエキ』に送って悪魔化実験にご参加願う。


 ランクの高い冒険者はほどほどに間引く。

 底辺冒険者は人畜牧場にドナドナ。

 中堅冒険者は悪魔の快楽漬けで搾取。


 ダンジョンと街を並べた国境や海岸沿いを越え、大陸内部の森に入ったアホは無条件で牧場行き。幼い眷属達に森で狩らせる事もある。


 もう経験値による成長クソシステムをどうにかしたい。

 利点は多いがいい加減メンドクセェんだよなぁ……



『イズアルナーギが眷属に施す強化を教えて貰いましょうか?』



 コネコネ改造ではなく?



『あの子の場合は【生体燃料】注入による強化ですね。ラージャはダンジョンコアと一体化しましたので、徴収した生気をダンジョンに回さず眷属に注入出来ると思うのですが……』



 それは是非ともうかがって頂きたいっ!!








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