第247話「ごめんごめん、勃起した」





 第二百四十七話『ごめんごめん、勃起した』





 四月二十日、午前、南の孤島は雨、豪雨です。



 俺は今、シナガワエキ第七階層のコアルームで、嫁さんズや侍女達に囲まれながら第二階層の様子を見ている。


 ダンジョンが映し出す巨大画面は、映画館で見るような臨場感がある。


 女性陣も筋斗雲ソファーに腰掛け、くつろぎながら静かに映像を見ていた。


 鑑賞中なのに、一部イケナイ事をする女性達が居るが、俺は好い男なので気にしない。


 むしろイケナイ事を推奨すウッ、ふぅ……


 厠番の子達がやたらと飲み物を勧めて来る。

 困ったもんだ、一気飲みせずにはいられないっ!!


 さて、俺達が第二階層の映像を見ている理由だが、簡単に言えば『過程と結果の確認』だな。


 先日、ヴェーダが選別した『心が弱った人間と獣人のメス』を、KGBとつがいにさせる為のセッティングが終わったので、今日はそのラヴロマンス鑑賞会なのです。


 って言うか、どう見てもエロ動画風なんだよなぁ……

 恋人達の野外情事を隠し撮り生配信、的な?


 ゲスいなぁ……ウッ、ふぅ……

 ちょっと待ってね、賢者タイムの時はくすぐったいんだ。


 ところで、今日は嫁さんズが大人しいんだぜ? へへへ。

 彼女達には分神を渡してあるからな、静かなもんだ。


 分神は無理やり創らされたんだけどね……


『あくしろよ』って皆に言われたから鼻毛を抜きまくったんだけどね……


 綺麗な水色のドレスを着たオルダーナと侍女服姿の使隷ペルゥさんは、その長いスカートが不自然に盛り上がってるんだよね。澄ました顔して紅茶を飲んでるけど、時々ビクンッてなるんだよね、不思議だよね。



『メチャが中仕切りの無い行灯袴あんどんばかまを履いている理由が分かりました。面白い子、うふふ』



 俺と目が合うとアワアワして目を逸らすんだぜアイツ。浮気してるわけでもねぇのにな。



『そうは言っても、やはり本体とは違いますからね、理解していても気まずいのでしょう』



 まぁねぇ、メチャは眷属だから罪悪感がすごく伝わってきます。今日は子猿達と一緒にメチャと夜を過ごそう。



『そうしてあげて下さい。そろそろ第二階層で種族変化する者も現れそうですね、アートマンとラージャにくだった神々を神域の大神殿に集め終わりました、属神化をお願いします』



 お母ちゃんはそいつら要らねぇって?



『どうでも良いそうです。まったく興味を持っていませんね』



 ははは、だろうな、知ってた。

 そんじゃぁちょっとシメて来るか。


 眷属神になってオッパイエみてぇな神託が降りればいいが、降りねぇなら神核ブッこ抜いて殺そうかね、邪魔だ。


 よ~し行きますか。

 ちょっと、侍女の君、僕は大事な仕事ウッ、ふぅ……


 僕は大事な仕事があるんだ、その賢者ナイフから顔を離してクレメンス。


 うん、上下しなくていい、手も放してね。

 じゃぁ胸で?じゃないから。何言ってんの?


 キョトンてすんな、服を脱がなくていい。

 パンツも脱がなくていい、履いて?

 履いたままヤるんですかじゃねぇよ。


 いや入れなくていい、え?って顔しなくていい。


 君は何、アホなの?



『その娘はキスキル・リラから奉公に上がった名無しの新人ですね、少し頭が弱いようです』



 あぁ~、キスキル・ダンジョンのリリーちゃんが推薦したのかな?



『ラージャはアホの子に弱いと有名ですので』



 え、弱くねぇよ、好きなだけだよ、何言ってんだよ……

 そんな偏見はやめてもらウッ、ふぅ……


 気に入った。

 さすが女悪魔一族キスキル・リラ、あなどれんっ!!


 そう言えば、この子はまだ名無しだったな……ヨシ。



「有り難う、君に『アンポンたん』の名を授けよう」


「えぇ~っ、やったー、私は今日からアンポンたんですぅー!!」



『ムゴい……』



 では参ろうかっ!!




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 まったく、まったくもう。


 最近の神々はゴリラに対する礼ってものを知らねぇ。


 特に男神は駄目だ、俺を見ただけで失禁脱糞とか礼を欠くにもほどがある。


 一応眷属神にしてやったが、アイツらはロキさんの所で一から教育してもらう事にした。


 女神の連中もなぁ……


 俺を見ただけでアヘ顔ダブルピースはねぇだろ、どうなってんだ神界の礼儀はっ!!


 股間が激おこぷんぷん丸になるのも当然だ。


 お仕置きする為にヴェーダの桃色空間で三千年ほど説教してやった。


 運命の女神と幸運の女神は妊娠が早すぎる、何だあの幸せいっぱいの笑顔は、反省の色が見えない。


 地水火風の四女神はオッパイエの近縁らしいが……豊穣の慈雨がナイアガラの滝だとすれば、彼女達の慈雨は贔屓ひいき目で言ってもスコルのマーキング以下、せいぜいジャキの放尿がいいところ。修行が足りん。


 太陽と月の姉妹神も誠意と言うかヤる気が見えない。

 姉妹なのに丼ぶりが出来んとは何事だ?

 必ずどちらかがダブルピース状態だ、話にならんわ!!


 婚姻の契約は結ばれたが、先が思いやられる……



『大魔神の神気と溢れ出るフェチモンに即落ち祭りでしたね、私もあれほど乱れるとは思いませんでした。今ラージャに張り付いて眠っている女神達は、もうゴリラ依存症と言って良い状態かと』



 困ったもんです。

 このまま神域の寝室に転移して下さい。

 そこで第二階層の実況をオナシャス。



『うふふ、はいはい』




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




『第七公衆便所で鍛冶神の神託を受けた人妻三十八歳が、KGB893の往復ビンタで何かに目覚めました。魔核に亀裂が入ります……二度目の神託……魔核修復、ラージャの加護と眷属化を確認、悪魔化しました』


「ふむふむ、続けて」


『人妻がKGB893の強制的なお掃除を偽りの拒否で抵抗、人妻の性欲と体温が上昇、KGB893が追加の往復ビンタ、人妻が絶頂を隠蔽いんぺい、お掃除を開始、人畜の夫との離婚を決意、ラージャの加護が強化、肉体の若返りを確認』


「アーハン、続けてどうぞ」


『KGB893がお掃除中の人妻にDP200を要求、人妻がDP残高34の人畜カードを譲渡、KGB893が少ない残高に激怒して三度目の往復ビンタ、人妻が再び絶頂を隠蔽、嘘泣きしながらお掃除を続行、KGB893が交尾を要求、人妻が後ろを向いて承諾、KGB893乱暴に……終了、無許可中出しで人妻が嘘泣き、受胎』


「ヒドすぎワロタ」



 と、取り敢えず、眷属化の過程は牛獣人と同じだな。


 加護の強化と肉体強化は牛獣人も同じ、若返りはコイツだけか?


 何が違うんだ?



『母親や姉として分神に接しようと願う者、恋人としてそばに居たいと願う者、両者の願いからくる変化だと思われます』


「あぁ~、なるほどなぁ、言われてみりゃそうか」


『調査は始まったばかりです、ゆっくり見ていきましょう』



 そうだな、そこまで急ぐ必要は無い。


 ところで……



『ンもう、仕方のない人』



 えへへ、実況で勃起しちった!!


 ごめ~んネ?








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