第244話「これこそベストカップルだよ」





 第二百四十四話『これこそベストカップルだよ』





 南の島に在る林でメチャとラヴにキツいお仕置きをした。


 まったく……以後、夫の耳を覚悟無くセクシャルに触るんじゃぁないぜ?


 アヘ顔ダブルピース状態の嫁二人と、同状態の侍女二十三名、護衛五十六名をミニ筋斗雲に乗せ、俺達はダンジョンに入った。


 アヘ顔でビクンビクンしていた侍女と護衛達は、ダンジョンに入った瞬間待機組と入れ替えられた。


 尊妻様の手際が良すぎるぜっ!!



『妻の務めです(キリッ』



 おうっ!! 頼りにしてるぜっ!!


 さて、このダンジョンはヴェーダに任せて放置していたので、優秀な眷属や召喚悪魔を置かず、正式な管理者も決めていなかった。


 無論、コアっ子も寄越よこしていない。


 だがしかしっ、コアっ子と言う秘密兵器を授かった俺は『ダンジョンの縛り』を気にしてマスターを決める必要が無いので、要塞や街を任せる太守選びと同じ感覚でマスターを任命出来る。


 まずはマスターになりたい奴に声を掛けるつもりだが、南の孤島勤務を眷属ネットで応募してみるのも良いな。自薦他薦は問いません。


 おっと、こんな事を考えたら、『俺の尊妻様チャンピオン』が迅速に処理してしまいそうなんだぜっ!!



『ッッン、え? 何か言いましたか? あ、イケナイ、私ったらヤダもぅ、ついウッカリ太守候補をリストアップした上で別途の応募要項を纏め上げ勝手にダンジョンマスター応募を開始してしまいました御免なさい(キリッ』



 セックス、あ間違えた、サンクス。


 優秀なお前を褒める為にセクハラしてしまった。


 たはーっ!!


 これアレだ、好きな子に意地悪するガキ大将ムーブ的な?


 たはーっ、なんつってなっ!!



『……えば良いのに』


「え?」


『今すぐヤりたいって言えば良いのに、バカ』


「え?」



 俺の胸から上半身だけニュルリと出したヴェーダ。


 そのとがった美乳を両手で持ち上げ、もう一対の両手を左右に伸ばすと俺の手首をガッチリキャッチ。


 掴んだ俺の手首を美乳に誘導。

 少し息が荒いヴェーダ、手首が折れそうなゴリラ。


 一瞬で桃色に変わる視界。

 見つめ合う二人。



「押して」


「はい……」



 もう、半年前のように甘酸っぱい軽口の叩き合いは無いんだね……


 小さな愛情表現でイチャイチャは出来ないんだね……


 まぁ知ってたけどねっ!!


 桃色空間のお蔭で、甘酸っぱい新婚期間なんてうの昔に終わってたって知ってたけどねっ!!



 アッーーーー…………



 そ、そうか、俺は甘酸っぺぇ恋が好アッーーー……


 待って待って違う違うっ!!

 お前が甘酸っぱくないって意味じゃなくてアッーーー……


 お、お前は少し酸味が強すアッーーー……


 あ、でもオシドリ夫婦って感じで俺は好ギャァァーーー……


 はぁげぇしぃすぅぎぃぃぃっ!!



「ンもう、長年連れ添い合った相思相愛の夫婦とか真のベストカップルとかナオキさんに言われてもそれを石碑に碑文として刻んで神気結界で厳重に保護する事くらいしか出来ませんよ困った人ですねまったく私の事好きすぎるのも大概にして下さい業務に支障が出るんですハァァ愛妻家もホドホドにして頂かないと周囲に笑われますよホントにもうハイもう一度ヤりますのでてて私を貫いて大好き」


「……はい」




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




『ふぅ……うふふ、ちょっと産んできますね』


「はい……」



 南の孤島ダンジョンの一階層入口、ダンジョンに入ってすぐヴェーダに拉致された俺は、何事も無かったかのように拉致現場へ戻って来た。


 ミニ筋斗雲に乗せたアヘ顔さん達は、拉致当時と同じ状態でダブルピースしている。


 しっかし、よく考えれば不思議だ、七億年ぶりの再会だと言うのに、久しぶりだと思えない。


 体感的には一時間半ぶりくらいか……?


 これは慣れなのだろうか?

 神様になったからだろうか?


 最初は記憶が飛んでたからなぁ、やっぱ慣れなのかな?


 う~ん、これも検証が必要かなぁ……別に良いけどねっ!!


 などと考えながらテキトーにダンジョンを改造。

 今回は階層追加と拡張がメインだな。


 と言っても、他にやる事は多い。


 テクテク歩きながら人畜用集合住宅を並べます。

 人畜と分神専用のラブホテルと神殿を創造します。


 眷属化成功人畜用ショッピングセンターを創造します。

 スーパー銭湯娼館と、ほぼ出産専用病院を創造します。


 魔界トンネルも設置します。

 移住はトンネルズに任せます。


 そう言えば、女子大戦で貯まりに貯まった白因子を不思議空間でブッカケまくったヴェーダは、先ほどの行為でお母ちゃんに手伝って貰いながら六百六十柱の赤ちゃんを出産しました。


 そして今、第六百六十四子を出産中のヴェーダから応募終了の知らせと選定済み候補者リストが届きました。


 脳裏に映る候補者リストを見ながら第二階層に進みます。


 第二階層は緑地公園にします。


 野外セクロスに打って付けの隠れ場所を多めに設置します。草むらとか増やします。


 エロスの代名詞『昭和後期の公衆トイレ』を創造します、『捨てられたエロ本』もセットです。


 候補者リストから『ウェクサー・ミラァマン』と言う地球圏出身の男性悪魔を選んで転移召喚。


 灰色のスーツを着たせ型の黒髪オッサンが登場。見た目は白人種の中年ですね。


 歩きながらお互いに自己紹介。


 ウェクサーは魔界で経済学を修めたとのこと。

 先天的に鏡を使った能力を持っているそうだ。

 なかなか誠実そうな千二百歳のオッサンだ。



「お前、俺の娘と結婚したい?」


「是非に」


「容姿の好みは?」


「御座いません、ただ……」


「ただ?」


「私は野外での行為や、その、覗きに興味が……」


「っっ!! そうか、ちょっと待ってろ」



 女性コアっ子にウェクサーの情報を親子通信で送る。

 コア娘の一人が嫁に立候補、こちらへ転移させる。


 オマン似のセーラー服美少女登場。

 うん、分かってるなコイツ、さすが俺の娘。


 娘を見て驚愕するウェクサー。



「ばばばば、バカなっ、黒髪三つ編みお下げジャパニーズガール風で気弱な雰囲気の学級委員長っぽい丸眼鏡美少女……だとっ!!」


「あの……初めまして、父がいつもお世話になっております、えっと、娘の『アオカン』です、宜しくお願いします……」


「けけけけ、結婚して下さいっ!!」


「あっ……ポッ、はい」


「幸せにしますぅぅ、イヤッフゥゥゥゥッ!!」



 うむ、青春だな……



≪お父様、私はこれよりダンジョン運営を引き継ぎます。サブコア吸収完了、本日はウェクサーさんとの野外性交業務をメインに致します≫



 こらこら、夫婦の営みを業務とか言うな。



≪コアと言う重い責務を背負った身の上で、なおかつ役職と王族位を持つ妻が夫の有責を防ぐ為に業務上仕方なく、と言ったシチュエーションはウェクサーさんの性的嗜好に合致しておりますし、私にも合っておりますので≫



 お、おう……


 深ぇ、深ぇよ、オメェらの業はよぅ……


 でもまぁ……


 お似合いですねっ!!






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