第237話「婚約じゃ駄目なの?」





 第二百三十七話『婚約じゃ駄目なの?』





 大猩々のクソデカい手の平をう黒いイモムシ。


 ピクシー達の幼体ナイトクロウラーはアゲハの幼虫みたいだったが、この子はカブトムシとか甲虫系の幼虫に似ている。


 とは言っても、俺の右腕をガンガン登って来るし、動きが緩慢というわけでもない。非常に活発なイモムシです。


 俺がこの世界で生まれた人外じゃなけりゃ『ヒィィ』って叫ぶレベルでおぞましい姿ですね。少年時代だったら絶対に殺してる。会うのが今で良かった!!



 これは、アレだな、イズアルナーギ様がお姉ちゃんを昆虫とコネコネしちゃった影響で生まれた感じかな。


 って事は、ピクシーみたいに蛹化ようかするんだろう。その後は羽化って事になるか。ふむふむ。


 俺が息子幼虫を観察していると、オルダーナ姫に股間をツンツンされた。


 彼女の顔を見る、ハニカむ王女。股間に悪いですね。


 こらこらハシタナイ、そのハニカミが俺を狂わせる。


 俺は紳士だが、ヤるときはヤるぜ?

 ちょマジお前寝室来いや。


 俺の太ももに座るオルダーナ姫が『よいしょ、よいしょ』とか言ってケツをずらしながら距離を詰めて来る。


 お前マジいい加減に……すこ。


 鋼のような俺のボディまで辿り着いた彼女が『あは』と言って抱き着いて来た。


 フゥ……これもうヤるしかねぇな。


 マジで怒った、亀頭アタマにキたぞ?

 俺は気が長ぇ方じゃねぇんだ、金玉袋の緒が切れるぜ?


 俺のシックスパックな腹に顔をうずめるオルダーナ。

 もっと下の方に顔を埋めてもイイんだぜ?



「あは、フカフカですね……ハァハァ、すごいニオい……」


「え、くさい? 神木天然樹液配合ボディーソープ【セックス・スーパーリッチ】使ってんだけど……」


「クンカクンカ、臭いなんてとんでもないっ!! これは陛下のフェチモン?ですわっ!!」


「あぁ、そっちね、俺には分らんけど。臭くないなら安心」



 へへへ、俺って自分のワキに自信が無いんだよね、むしろ信じてないんだよね、体臭には気を配ってんだよね。


 その信じきれない両ワキの真上に毎日座るメチャとラヴは勇者だと思うんだよね、熱気で上昇したワキの暴風に真っ向勝負ってもう『ワキの風のナデシコ』を名乗って良いと思うんだよね。


 そんで、悪臭を嗅いでしまったあとに『少し肺に入った』とか言って現実を見る視線を俺のワキに向けて欲しいんだよね。


 まぁ、そうなったらお母ちゃんにワキガの根源を消し飛ばしてもらうんだけどね。



「クンカクンカ、ッン……ふぅ……ところで陛下」


「はいはい、何ですか?」


「私、イザークに聞きましたの、この子に合ったベビーフードが陛下のお膝元に有るのだと」


「ん? 離乳食かな? 葉っぱ?」


「神木マハーカダンバの葉と、神木を支える大地ですわ」


「ほほう、なるほど、好きなだけ食べて貰おう。神木の葉は食っても一瞬で生えるし、大森林には土なんて腐るほど有るからね。早速向かう?」


「クンカクンカ、あら、戦争は宜しいの?」



 俺はモニターを見ます。


 アエーシュマとアカ・マナフが勇者三人をボコボコにしてる。


 あ、一人死んだ。バカ、低レベルの眷属に渡せよバカ。


 念話で注意。ビクッとしてシュンとなる二体。


 弱った勇者二人にゴブリン眷属が……あ、あれは双子熊カストル大好き少女じゃないか、素早いな、二人ともぶっ殺した。


 あはは、良い度胸だ。

 おやおやぁ、進化を始めたな……


 なっ!!


 パ、パイズリン、だとっ!?


 周囲の男性ゴブリン達が中腰になった。

 分かるぜ、その気持ち……俺も股間がイライラする。


 あ、こらこら姫様、先端をナデナデしない、いいね?


 ふむふむ、王都陥落、だな。

 よっしゃー、撤収っ!!



「アン・スラクースの王城には暫定太守としてアエーシュマがけ、ダンジョン化は娘のテンガーに任せる。戦艦ヴェーダは反転、撤収だ」



 さて、大森林に帰りましょうかね。



「クンカクンカ、あは、戦争は終わりましたのね、でしたら……」



 そう言って、オルダーナはドレスの胸元を――



 俺はこの星に生まれて初めて『ルパンダイブ』をした。


 モチロン、桃色空間でなっ!!




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 アヘ顔ダブルピースってのは、高貴な生まれの美少女がやると、とんでもない破壊力を生み出す。


 それが真理、だっ。


 そしてオルダーナのアヘ顔ダブルピースについては、俺の責任……とは言い難い。


 彼女は使徒に成った事で特殊能力を覚醒させた。

 状態維持とか固定とか、何かそんな感じの能力っぽい。


 その能力を、彼女は俺の黒光りするナイフに使ったわけだ。


 ただでさえマーラニキによって強化されたナイフに、だ。


 結果は推して知るべし。


 オルダーナは『お、お待ちになって、お待ちになって、陛下っ、そんなっ、ご無体なっ、ヒドいっ、純潔を捧げて日が浅いのにっ、このような性玩具の如き扱いだなんてっ、わたくしっ、壊れてしまいますわ~っ!!(大勝利)』と俺を拒みながら果てた。


 すまない、お清楚せいそな君が悪いんだ……


 ワシの股間を刺激するお清楚な君が悪いんやでぇ!!


 なんかもうベチョベチョでワケが分からないお姫様を抱え、桃色空間から戦艦の寝室に転移する。イカ臭い少女は、嫌いじゃない。


 寝室では侍女がズラリと並んでいた。

 全員舌舐めずりをしながらオルダーナの白化粧を見ている。


 あとは宜しくオナシャス。


 ベッドに寝かせたオルダーナに群がる侍女軍団。


 おや、オルダーナの『使隷しれい』とか言う従者の娘も居る。


 こんちゃース、君は……あ、吸い取るんですね、どうぞどうぞ。



 ふぅ、すげぇ光景だぜ……ゾンビかな?


 僕はソファーに座って短い船旅を満喫します。

 まぁ、メチャとラヴが服を脱ぎ始めたんですけどね。


 たはーっ!!




 で、その日の晩餐。


 オルダーナの提案で、コア息子の一人を婿入れさせる事になった。


 お相手は第七使徒『イルーサ』王女殿下。

 イズアルナーギ様の一番歳の近いお姉様です。



 それ、チビッ子だよね? 大丈夫?







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