第235話「いやマジ、ヤベェよコイツ」





 第二百三十五話『いやマジ、ヤベェよコイツ』





 オカシイ……これはオカシイ……


 今日は四月四日、お昼、ガンダーラ全域で天気は快晴。


 だがしかし、俺の心は曇りがち。


 嫁さんズの不可解な行動でゴリラハートはクラウディーハート。


 いったい何が、ダンディーで男前な俺の心を曇らせるのか……



 それは……


 虐待セックスが無いからだッ!!



 あの無限地獄に等しい色欲空間での旦那ゴリラ輪姦が二日も無い、今日を入れれば三日っっ!!


 あの性欲の権化たる嫁さんズが輪姦学校を閉鎖中っっ!!


 有り得ないっっ!!


 しかも、しかもだっ、凌辱大好きアングルママがっ、少しツンデレ気味に『バカ……嫌いじゃないけど(小声)』とか言って俺に甘えてくるっっ!!


 驚愕した、愕然とした、何より、それを可愛いと思って勃起バクハツした俺のペニスに失望したっ、貴様はその程度だったのかとっ!! あれしきのギャップでズボンを突き破るほどイライラMAXイッテキマスするのかとっ!!


 俺と義母との痴態を覗いていたロキさんが『いまだかつて味わった事の無い性的興奮を覚えたぜサンキュー』と真っ白に萌え尽きていたほどにっ、アングルママは夫への義理を性欲で上塗りされた悲しみと快感を見事に表現していたっ!!



 俺のペニスが抵抗できるワケがない……



 金髪碧眼の爆乳人妻子持ちドちゃくそ美熟女がっ、『嗚呼っロキごめんなさいっ』とかっ『中はヤメテっ外に出してっ』とかっ、その辺の死にかけ人間奴隷並みの力で抵抗しながらっ、最後は義息に無理やり中出しされた的な哀愁を漂わせつつ一筋の涙を流すプレイも追加だなんてっっ!!



 本当にっ、本当に有り難う御座いましたぁぁっ!!



 いやいや、違う違う、オカシイでしょって話です。


 嫁さんズの八割がこんな感じだ……

 演技が幼稚園児レベルのメチャと母性爆発のオッパイエは除く。


 あ、無論、最新嫁さんのオマンは最初からイライラMAXなので『オカしくなった嫁』の中に入っていない。


 現に、今も生まれたばかりの赤ん坊を愛情タップリの微笑みで抱きしめながら、俺に向かって罵倒を浴びせつつ赤ん坊に『パパの所に行きましょうねぇ』とか言ってる、全裸で。



「クッ、その素敵すぎる射制力センズリックと溢れんばかり神気でおどしっ、愛する赤子を奪う卑怯者めっ、あ、もっと優しく抱いてあげて下さいね、あ、首の所、そうそう、クッ、奪うがいいっ、しかしっ、忘れるなっ、その子が成長したあかつきにはっ、貴様の素敵で男前な太い首を刎ねてくれるだろうっ!! クックック、さぁいつもの様に私を犯せっ、貴様をしいする勇者を沢山産んでくれるわっ!! あ、今日はあの、あっちに行きましょう、あの大岩の所、景色が綺麗なんですよ? バカめっ!!」


「じゃぁ、そこに行こう。そう言えば、今日の口紅は薄いオレンジか、好きだぜ、その色」


「ふぁぁーー、あ、汚らわしいっ、見るな見るなバカァ、何と言う卑劣な攻撃っ、その憎たらしい口を私のリップで塞いでくれるぅンっチュ、バカァ」



 とまぁ、オマンの変わった愛情表現はいつもの事、いつもと違うのは……


 俺の両肩標準装備嫁となっている二人だ。


 何故か、メモを取っている……

 オマンの言動を観察しているようだが……



「あ、あ、ラヴちゃん、見て、あの仕草可愛いねっ」


「どうだろ、天然だとは思うけど……旦那マスターと過ごす時間をもンの凄く大切にしてるのは伝わってくるねぇ。旦那が『居て当たり前』じゃないからね、コアは。私らもそうだけど、何か違うねぇ……」


「な、なるほどなー、ふむふむ、しかし天然かぁ、私は天然じゃないから、その辺は分かんないかナ」


「え?」

「ん?」



 メチャの意外な言葉に驚きを見せるラヴ。

 ラヴの反応にキョトンとするメチャ。


 まぁなぁ、天然は自分の事を天然だとは思わんからな。

 そもそも天然が何なのか理解していないっ!!



 いやいや、違う違う、そうじゃない、それはどうでもいい。


 嫁さんズがオカシイって話なんだ。


 大方の予想は出来る、皆が『オマン化』を狙っているっぽい。


 それもまぁ大した問題じゃない。


 問題は反動だ、性欲お化け達の反動が恐ろしいっ!!


 今はオマン化に向けて性欲を抑えているご様子。俺は一国の主である立場柄やる事が沢山ある、なので昨日と一昨日は時間停止の不思議空間でセクった。


 ……しかし、一人三発で済ませてくれたっ!!


 嫁さんズはヤり足りない様子だったが、それ以上を求めなかった。俺は何か理由があるのだろうと察し、彼女達の意志に従って熱く反り返った大太刀を納める。


 即ち、嫁さんズの性的欲求は相当溜まっていると推測される。


 これはイケナイ、危険です、火薬庫で花火をする中学生の俺状態です。


 中学生の俺はアホなので、蓋を開けっ放しにした火薬入りの木箱に向けて、何も考えずロケット花火を撃ち込みそう、いや、撃ち込みます。そんな状態。


 これは何とかせねば……


 私は熟考に入ろうとします、しかし、嫁さん一号が邪魔をします。



『大丈夫、ラージャは心配しなくても良いのです。そんな事より、その赤ちゃんコアに神気を流して成長させなければ。その子は女の子ですね、ジャキがラージャの娘をもう一人貰いたいと懇願しています、嫁に出しますか?』



 え? え~っと……

 この子がオッケーするなら、いいんじゃね?

 それより懇願って、そんなに嫁が欲しいのかアイツ?



『そうですねぇ、ラージャの娘は【癒しの天使】だとジャキが言っておりました。第一夫人の女悪魔ペニバンに少々厄介な性的嗜好が有りますので、詳しくは伏せますが。とにかく、ラージャの娘だけが癒し、と』



 ふぅん、なるほどなー。


 ちょっとこの子にジャキとの結婚を念話で聞いてみよう。外見は赤ん坊だけどコアだからな、知識は大人だ。


 まずジャキの情報を渡して……


 ふむふむ、あ、そう?

 ふむふむ、今からでも行けるの?

 そうなんだ、じゃぁ神気を渡すね、ホイヤー!!


 胸に抱いていた赤ちゃんが大きくなっていきます。

 ムクムク成長しますねぇ、うん、お母さんそっくりです。



「よっしゃ、母親に似て綺麗だな」



 娘を褒めたら母親が赤面しました。



「ふぁぁーー、クッ、私を篭絡ろうらくするつもりか貴様っ、私は騙されんぞっ、その狂おしいほど情熱的な愛を囁く醜い唇を塞いでやるぅンっチュ、貴っ様ぁ~、接触時間が短すぎるわっ、謝罪と賠償を要求するっ、あ、もう一度キスをして下さい、それで今後の裁判に何らかの影響が出るかもしれません、さぁ早くっ!!」


「ではお父様、ジャキ様の許へ嫁ぎます、今度夫婦でご挨拶へ向かいますね。皆様方、ご機嫌よう、それでは――」



 コア娘は深く一礼して転移した。頑張れ。


 その母親は俺に抱き着いて裁判費用捻出の子沢山計画を訴えている。可愛いので押し倒した。スマンな。



「ふぁぁーー、あ、DPで『ふかふかマット』買いますね、えいっ、えへへ、クッ、殺せっ!!」



 俺はバクハツした。


 お前が、お前が悪いんやっ、お前が悪いんやでぇーーっ!!




『どうです、とんでもないでしょう?』


「そだねぇ、これはヤバいねぇ……」

「あわわ、あんなに腰を激しく……とんでもないですねぇ」


『メチャ、そこじゃないの、そこじゃないのよ』




 ちょっと外野がウルサイですっ!!


 あ……


 ふぅ……


 しまった、今日もオマンを押し倒してしまった……


 ニッコリ笑って俺の頬を撫でるオマン……


 コイツは魔性の女だぜ……っ!!


 明日にはスーレイヤ全土がダンジョン化しそうな勢いで子コア産んでるしな、もしオマンをあの桃色無限地獄に連れて行ったら……ッッ!!



 ヤベェなコイツ……







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