第193話「殺ってやんよ、お前ら全員な」





 第百九十三話『殺ってやんよ、お前ら全員な』





 こ、こ、これが……っ!!



『パイズリンの誕生は史上初、ですね』



 女性ゴブリンの最終進化先として、当初からヴェーダが推していた究極の美女……クッフゥゥゥ~!!


 だだだ、駄目だ勃起をきたすっ!!

 むほぉーっ、イ、イキそうだぜぇ~っ!!


 視界に入れるだけで射精を促すとはっ!!

 美少女悪魔公爵並みのエロカリスマっ!!


 数分前まで最年長ゴブリンBBAだったとは思えないっ!!


 レベルはミギカラを超える423っ!!

 ガンダーラの最高レベルに達してしまったっ!!


 美熟女巫女長ホンマーニの爆誕だぁぁっ!!!!



『ラージャ……そろそろ汚物処理の傷は癒えましたか?』



 うっぷ、ゲボッホ!!

 も、問題無い、大丈夫だ。


 ただ少し、口の中がビターなだけだ、問題無い。



 ヒリ出た汚物をメチャが洗い、「け、賢者様ぁ、ど、どうぞ、お召し上がり下さいっ!!」と言って彼女は穢れ無き笑顔を見せた。


 そんな笑顔を見せられたら、喰うしかないじゃぁないかっ!!


 集団リンチの末、ひ弱なゴブリン老女のエサとなった魔竜の最期を嘆き、ゴチャゴチャと寝言を垂れる汚物を右手で掴み、頭から行った。


 ゴキュゴキュ咀嚼しながら水晶女の頭を味わう。


 そこで気付いた。

 これはコアじゃぁねぇっ!!

 ただのクリスタルだっ!!


 コアの外郭だ、着ぐるみだ、嘘やろ……と。


 喰った意味が無かった~っ!!

 怒りで青筋が三本切れる。


 ヤケになった俺は汚物の四肢をもぎ取り、一本ずつ腹に収める。


 胴だけとなった汚物は丸呑みだ。

 ゴックンする過程でコアの位置を把握。


 子宮に収まっていた。キモw

 そこは頭か心臓の位置にしとけと苦笑が漏れる。


 こうして、コアの知識を得た。


 コアの名前は『オナ兄』と言うらしい。

 これは正式名称ではないが……

 名付け親はゴブゾンビのチョー、はぁ……


 どこまでも悪意で満たされているな、あの野郎の頭は……


 コアの記憶を調べた結果、重要と思えるモノは特に無い。

 一応、ヴェーダに精査させたが、俺と同意見だった。


 ただ、コアが魔竜の大腸を棲処すみかにしていた理由として、偏愛と性的嗜好の他に、『身を護る鎧』の役を魔竜本体に求めていたようだ。


 これはちょっと、身勝手と言うか……

 えらく都合の良い愛情だと思います。


 脳死状態である主人の体内に隠れ、その体を操って外敵に備える……


 なるほど、ただの寄生虫ですね有り難う御座いました。



『結局、コアの恋心は偽りだった、そう言う事でしょうか?』



 どうだろうなぁ……


 世界さん的には、コアとマスターが結ばれる、または固い絆で結束するのを望んでいる……そんな考えが見え隠れしますぞ。


 今回は互いの相性が悪かった、そう思うね。

 眷属適性なんかもコレ、相性の問題だろ?


 俺の場合は喰っちまったから相性もクソも無ぇ、コアとしての俺の性質や思考が適性を決めている、相性が合わないワケがない。


 コアとマスターの相性が抜群で、かつ『一心同体』ってくらいの関係になると、三皇五帝みたいな存在になれるんじゃないですかねぇ?


 ただの憶測だけどな。



『そうなりますと、三皇五帝はラージャに匹敵するマスター能力を持っている、とも考えられますね。憶測の推測ですが、軽視は出来ません、周知させます』



 あんまり怖がらせないようにオナシャス。


 ところで、魔竜の肉はどうする?

 毒とか無いなら祝勝会の御馳走に決定ですが。



『マハルシに……いえ、皇城前の広場に転送します。凱旋と魔竜のお披露目を同時に行いましょう、民衆には告知しておきます』


「はいよー」


「あの、賢者様……」



 股間を刺激する美声が俺をたぎらせるっ!!


 振り返ると、頬を染めたホンマーニが俺を見つめていたっ!!


 黒髪灼眼、キングと似た黒っぽい赤銅色の肌。額に生える二本の角は漆黒、その長さは15㎝程だろうか。


 ハゲ散らかっていた髪もフワフワロングに。

 身長は2m近い、そして……そのパイオツ、真っ白なインドサリーをパツンパツンにするド迫力の連峰っ!!


 パイズリンの名は伊達じゃない、正宗公やでぇ!!(混乱)



「何だホンマーニ、美女に見つめられるのは苦手なんだが?(ペド風)」


「ポッ、いえ、あの、この度は、私に機会を与えて下さり誠に――」



 俺は人差しフィンガーをホンマーニの美リップにプッシュし、自分のネックを左右にスウィングした。



『ジャキみたい……(ぼそっ)』



 ッッ!!

 やめないかっ!!


 ヴェーダが最上級の侮蔑を俺に浴びせる。

 欧米人に『ファッキュー!!』と言っているようなものだぞっ!!


 まったく、今は美女の相手で忙しいのだ。



「それ以上の言葉は不要だ、気にするなホンマーニ。俺はボスとして当然の事をしたに過ぎん(キリッ)」


「ポッ……はい」


「ところで、今晩、風呂にどうだ、昔みたいに」

「あっ……はい、お供致します。ポッ」


「ブヒ? じゃぁ俺も――ブッホォっ!!」

「……お前は俺と入れ。スマンな兄者、邪魔をした」



 バイ菌マンと一緒に風呂入る魔族は少ないぞジャキ。

 そしてナイスな股間への貫手だったレイン、手の消毒を忘れずにな。


 さて、忘れ物は無いな?


 両肩の標準装備メチャ&ラヴを確認、右腕にファクミー、左腕にホンマーニを乗せ準備完了。


 ヨシッ!!


 撤収だっ!!


 いやぁ~、終わってみれば圧勝だったなっ!!

 北伐に入れ込んでいたあの日の俺よ、サラバだっ!!


 なーんつってな!!




≪マハルシの【ダン位】が【しょダン】に上がりました≫



 は?



≪マハルシの順位が178位に上がりました≫

≪マハルシの保護設定を解除します≫

≪魔素排出権を二つ所有しています≫

≪魔素排出を開始しますか?――≫



 う、う~ん、は?



≪魔ドンナがマハトマ・ナオキに宣戦布告しました≫



 おぅふ……

 これは~……



『やってくれますね』

「それな」



 何の説明も無いんですがねぇ……

 世界さんは絶対に殺しましょうねぇ(ガチギレ)……


 メハデヒ王国制圧は後回しかぁ?

 もうアレだ、頭にキたぞ俺……


 殺ってやる、殺ってやるぞぉぉっ!!

 先ずは手始めに――



『あらやだ素敵、それは楽しみです』



 もっと褒めてクレメンスっ!!






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