第185話「簡単に言えばビッチですね」
第百八十五話『簡単に言えばビッチですね』
大丈夫だ、問題無い。
殺風景な鼠色の岩肌に辟易しつつ、狭い通路を拡張しながら数歩進むごとにステータスをチェック。
うむ、大丈夫だ、問題無い。
『でも、穢れた干し芋食べちゃったから……』
ッッ!!!!
お、俺にはバステ無効が有る(白目)。
大丈夫だ、問題無い。
『不潔かどうかの話なんですが』
ッッ!!!!
お、俺は干し芋を三秒以内で食べたから(震え)。
ジャキ菌に触れていない(吐き気)。
だ、大丈夫だ、問題無い(願望)。
そ、そんな事より、浸食の具合はどうだ?
メインダンジョンなりの抵抗が有るのか?
『無いですね、戸惑っているようです』
まぁそうだろうな、外から浸食出来るのは俺だけだろうし。
例えるならアホなジャキが天才ハッカーにシバかれる構図だろうか、ムゴい。
魔竜のサブダンジョンでジャキのバイオテロ発覚後、眷属化と同時に『チン掻き禁止』をバイ菌マンに告げ、俺達は魔竜のダンジョンにやって来た。
眷属に対して初めて使った『主の命令』が『チン掻き禁止』だった俺の悲しみを知って欲しい。チン掻き条件緩和を訴えるジャキを殺さなかった俺の優しさを知って欲しい。
『掻いたら手を洗うと約束すれば条件緩和出来ました、そこで目を泳がせたジャキが悪いのです。アホなのです』
うむ、否定できない……っ!!
条件付きチン掻き禁止として『チンコに触ったら手を洗え』と命じる事も出来た、しかしっ、『主の命令』は絶対、細かく指示しなければ、ジャキはセックス中でも手洗いに翻弄されてしまうっ!!
何より、アホの為に細かい指示を考えるのが辛いっ!!
面倒臭ぇにもほどがあるっ!! 北伐中ですぞ?
そもそも、何で手を洗う事を即座に約束出来なかったのか、アホの考えが理解できないっ!!
ですので、ジャキのチン掻き癖が治るまで様子見です。
それはさておき、眷属化で体色が赤黒くなったレイン、黒くなったバイ菌マン、こいつらは先天性特殊個体なので、眷属化での強化はイセやトモエの伸びに次ぐと期待できた。
予想通り、他の眷属達は総合力上昇率が二倍から四倍なのに対し、レインとジャキは八倍だった。
今回のサブダンジョン戦と養殖でのレベル上げ、そして訓練による能力の底上げで、二人の総合力が一億を超えた。
数字を見れば強そうだが、一億と言えば鍛える前の最強妹ズと同じ数字、しかも【貫壊】と言うぶっ壊れスキルも持っていない。当時の妹ズと勝負しても半殺しにされるでしょう。
妹ズには負けるが、エリアボスを除く深部魔族には勝つ。
ダンジョンバフを受けつつ、高レベル化と多数のスキル付与で強化された魔竜眷属とも十分に戦える。
陣地から出なければ、ダンジョン支援効果は互いに得られる。
本来ならそうなる。しかし、ヴェーダの侵食が早い。
「ブ~ヒッヒ、これが眷属化だケンジロォォ!! 兄より勝る弟なんか居ねぇンだよぉっ!! ブヒャッハー!!」
「……生まれ変わったこの体が、血を寄越せと叫んでいる、チャオッ!!」
ウチは近接脳筋が多いからね、先行浸食での陣地構築は有り難い。非常に助かってます。
ミギカラが先頭、左右をレインとジャキで固めて敵陣へ突撃。
俺は中衛として周囲の監視、美味しいリンゴは眷属にやる。
後衛のラヴが闇魔法でデバフ支援、メチャはラヴの護衛。
第二陣の近接隊が左右に分かれて突撃。リザードマンとゴブリン、ドワーフが主体。先行組が半殺しにしたエサを
少し遅れて遠距離部隊も左右に分かれて進む。コボルトとエルフ・ダークエルフ組だな。彼らは取りこぼしを排除していく。
今回、北伐を一番楽しみにしていたピクシーズは居ない。
ナイトクロウラー四齢妖蟲の四体が
ついでにスコルとハティ、狼達も居ません。
兄やんに連れて行かれました。修行だそうです。
『ラージャ、第一階層の掌握が完了しました。侵食を第二階層へ進めます』
「おう」
よっしゃ、そんじゃぁ僕は創造悪魔を召喚しましょう。
後衛の守りが薄いからな、悪魔軍団で囲む。
魔界から悪魔を呼びたいのが本音だけどね。ここは戦場なので。
魔竜にトドメを刺すまで魔界トンネルはお預けです。
さぁ~て、何を創ろうか……
今後の事を考えると、男女を均等に創るべきだな。
エロパワーでDPを荒稼ぎして頂きたい。
どうせここもサブダンジョンになるから、サブマスから創りましょうかね。
う~ん、エロい奴、エロい奴……居たっ!!
名前はデフォにコレを足して、能力はこんな感じで……
……ヨシっ!!
「来いっ『ジャヒー
『ゾロアスターの滅んだ悪神縛りなんですか?』
……説明が無いんだ。
そんな事書かれていないんだ……
売春婦を統括する淫売クソビッチって書いてて……
『アングルボザの悪口は駄目ですよ』
おいいぃぃぃぃっ!!
言ってねぇからっ!!
馬鹿じゃねぇのお前っ!?
『うふふ、私が考えたギャグです』
あ、それ面白くないです。
クッ、でも可愛いから許すっ!!
『わーい。さぁラージャ、新たな眷属が帝王からのお声掛かりを待っていますよ』
おっとイケネェ、愛妻が激マブなのでうっかりしてたぜっ!!
ふむふむ、頭頂に結い上げた黒髪、褐色肌は長城のアエーシュマと同じだ。赤い瞳がチャーミングな美熟女ですな。長身でグラマラス、そしてビッチ、完璧です。
服装も上下白いアラビアンで素敵ねっ!!
その
最後は……翻訳さん、頼むぜっ!!
今回は特に偏見を持ってないから大丈夫だよねっ!!
「オッス、オラ直樹、よろしくなー!!」
「ご指名、光栄に存じます。マスターの御立派様を一晩中愛でても宜しいでしょうか? あ、眷属の皆様も御一緒に私を責めると言うのはどうでしょう?」
ヨシッ!!
普通だよ翻訳さぁん!!
クソビッチだけどなっ!!
「お楽しみはダンジョン攻略後にしろ。はいコレ、サブコアね、お前がサブマスね、ヴェーダが侵食した場所しかコアは使えんけど、やる事は解ってるな?」
「存じております。護衛とセックス、ですわね(キリッ)」
「キメ顔で言うな、セックスは攻略後だアホ。あ、そうそう、ダンジョン名は『吉原』です。制圧したサブダンジョンもお前が管理しろ、あっちの名前は『秘密の花園』です」
「素敵な名前ですわね、畏まりました」
ビッチだけど有能そうだな、視線が俺達の下半身を舐め回しているが有能そうだ。ビッチだけど。
よ~し、兵隊を創造しましょうかねぇ。
『ラージャ、敵兵の殲滅を確認、第一階層の制圧が終わりました、この階層に敵は居りません』
早いな。
じゃぁ、ちょっと休憩すっかな、悪魔軍団創り終わってから下に降りよう。
『完全掌握したこの階層は魔竜やコアが滅びても崩壊しません、拡張して臨時拠点を創れば攻略が楽になります』
うむ、採用っ!!
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