第168話「お前にゴリラを愛する心は無いのか!?」
前話で『ヘル』が『ヘラ』になっておりました!!
申し訳ありません!!
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第百六十八話『お前にゴリラを愛する心は無いのか!?』
俺は今、皇城に在るゴリラ専用室で大きな座椅子に座り、困惑している。
生まれた赤ん坊の映像をヴェーダが脳内に送ってきたからだ。
赤ん坊に神核が有るので、下界にはまだ降りられないとの事。
まぁそんな事より……
「……阿修羅かな?」
『アスラ族ではないですね、神族ですが』
「えっと……表情が三面とも硬いね、まぁ赤ちゃんだから――」
『ヘルが抱っこしていますので。少し気が弱いようです』
「??なるほど……」
何言ってんだコイツ……
ヘルが抱っこすると表情が硬くなるの?
気が弱いってお前、赤ちゃんだよね?
生後数分ですよね、それは考慮しないの?
「とりあえず、母子ともに健康、なんだな?」
『私は絶好調ですね、この子は……ヘルが抱いていますので』
いやだから、ヘルが抱くと何なのっ!?
何でそこ濁した感じで言うのっ!?
「ヘルさんに抱っこされると、何かあんの?」
『……ヘルは神格が高いので、怖がっているのでしょう』
「それならまぁ……って、そのヘルさんから、変な称号?が付与されたんだが……」
『ん?……あぁ、それは【ヤンデレンゲンの指輪】ですね、おめでとうございます。冥界の支配者が妻ですか、さすがです。今は地球圏の限定的な冥界の支配ですが、彼女が貴方と結婚すれば、その支配も拡大するでしょう』
お前の言っていることが何一つワカラナイヨ……
【ヤンデレンゲンの指輪】って何だよ……嫌な響きだよ……
俺の【バッドステータス無効】先輩が仕事してくれないよ……
『冥神の祝福ですからねソレ、無効化はしませんよ』
「……祝福? 結婚祝いとか出産祝い?」
『冥神に惚れられた呪いですね、あ、祝いですね』
「セルフ祝いかよっ!! って、何て? 今お前何つった? ねぇ」
『あ、お乳の時間です。何かあったら念話で。それでは』
ちょっと、今『何かあった』よっ!?
お願い聞いてっ!! 犯罪の香りがするのっ!!
そこに犯人が居るのよぉぉぉっ!!
しかも集団の可能性有りぃぃっ!!
ちくしょおおぉぉぉぉっ!!
『おや? あ、ラージャ』
「おおっ話を聞いてくれるかっ!?」
『大魔王が
ズコーーーーッ!!!!
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飛んで行った。速度全開筋斗雲で丘陵まで飛んで行った。
ダンジョン造って転移も考えたが、ヴェーダが『心配無い』と言ったので、転移以外の高速移動を使って行きました。お付きは無し、一人で行った。
街に人間の姿は在ったが、昨日の今日なので少ない。
奴らは既に魅了状態なのか、筋斗雲を見てもボケっとしている。
神殿の入り口にタスロと神官達が俺を出迎えに来ていた。ヴェーダから連絡を受けたようだ。皆の顔は硬い。
大魔王が居るからな、そうなるな。
ドゥルジは管理者として大魔王の接待。今はダンジョン内に居る。
俺はタスロ達に礼を言って『スモーキー丘墓ダンジョン』の内へ。ここは眷属しか入れんが、今回はヴェーダが大魔王の丘墓入りを許可した。
ダンジョン入場程度なら、俺の許可などヴェーダには不要だ。
ダンジョン警護の悪魔に先導されて地下五階に転移、最奥に在る巨大な近世欧州風の館『セパルトゥラ総督府』へ。総督府やダンジョンの建築物は、大猩々の俺が自由に動き回れる造りになっている。
正門に並んだ衛兵と侍女の悪魔式最敬礼に返礼しながら総督府に入り、そのまま貴賓室へ向かう。
長い廊下に大きな姿見が有るので、そこで身だしなみチェック。
クソデカいゴリラが黒いアラビアンな上下を着ている、ウケる。
大熊のマントも羽織っている、良い感じ。ヨシッ。
武器は持たない。では参ろうかっ!!
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貴賓室に入ると、室内に居たドゥルジが俺をソファーに誘導。
俺の正面には裸の金髪美男子がソファーに座っていた。
二の四の六……翼が多すぎワロタ……立ちくらみ必至(我慢)。
彼はワインを飲んでいた。俺を見て微笑み、左手で着席を促す。俺は軽く頭を下げてドシンと腰を下ろした。
ドゥルジが俺にコップを差し出す。冷えた水が注がれていた。
クリスタル製の小さなそれを受け取ってグイッと飲む。
ついでに大魔王をチラ見。
大魔王には大き過ぎるソファー、そこへ優雅に座り、ワイングラスを右手に持ち、頭の悪そうな黒髪の女を床に正座させ、俺の目を見つめている。
目が合ったなの。
怖すぎ草生えるなの。僕を殺すなの?
「良い街だね、欲望が渦巻いている、好きだよ私は」
「そ、そっスか、あざっス……」
「このダンジョンも良い、下界でこれほど瘴気に満ちた場所は無い。あぁ、ワインは駄目だね、侮辱だよこれは。造った者を殺すべきだ」
ファーーwwそれ略奪品ww
造った人間死亡確定~w
ワイン出したドゥルジ白目ww
「酒蔵の掃除は君達に任せるとして、あ~ナオキ君、君ちょっと猿人になってくれないかな、見たいんだ、久しぶりに」
「猿人っすか、分かりました」
猿人に戻るとクソ弱くなるが、この大魔王さん相手なら強弱に意味がない。素直に猿人化します。そいやーっ!!
シュッと体が縮む。服がダボるが仕方ない。
そんな俺を大魔王さんはマジマジと見る。
そして、一筋の涙を流した。
えぇぇ……
「あ、あの~……」
「そう、そうだった、そんな姿だった。かつての地球は君達が、猿人が居た、猿人が楽園を築いていたんだ、懐かしい。アダムの如き醜いゴミとは大違いだよ、猿人は」
「え~っと、アダムとは、あのアダムですかね、エデンの」
「そうだね、そのゴミだよ。私の娘を妻に迎え、女が騎乗位セックスを望むのが気に入らんと言ってすぐに別れ、エヴァと言う名の人形を妻に迎えた」
「そりゃまた、クソ野郎ですねっ!! 騎乗位万歳っ!!」
「そうだろう? しかもあのゴミ共、全裸が恥ずかしいと言い出してね、淫売は胸と股間を手で隠し、ゴミクソ野郎は小さな包茎ウインナーを葉っぱで隠したんだ」
「馬鹿なっ!! 原始の人間がなんて事をっ!!」
僕は最近まで全裸だったんだぞっ!!
むしろ見せたい派だっ!!
でも勃起が僕を悩ませるっ!!
息子が皆を狂わせるっ!!
衣服が自由を締め付けるっ!!
だがしかしっ!!
魔族には全裸原理主義者だって居るっ!!
ラミア最高だぜっ!! 全裸万歳っ!!
謝罪と賠償を要求したい気分ですっ!!
「いいかいナオキ君、生物は全裸が基本だ、あのゴミ共はそれを恥だと言った、つまり、つまりだよ、全生物に喧嘩を売ったんだ、赦せるかい?」
「赦せませんよ、ぶっ殺します。その前に娘さんが不憫でならん!!」
「フフッ、そうか、あの子が不憫と言ってくれるか。そうだ、あの子が君に騎乗位を求めたらどうする? フフッ、美しいぞあの子は」
「アハハ、僕は騎乗位で毎回ヤられてます、余裕ですよ(頭痛)」
「よく言った、
ルシぶフォェァ……(吐血)
……なるほど、そう来たか、うむ。
イヤァァァッ!!
祝福違うぅぅっ!!
これウソ福ぅぅっ!!
悪魔の契約ぅぅぅぅぅぅっ!!
ハァ、ハァ、ヴェ、ヴェ……
ヴェーダァァァァァーーッ!!
おま、おま、お前ぇぇぇっ!!
またハメたなぁぁっ!!
報連相しっかりしてぇぇっ!!
サプライズ要らないのぉぉっ!!
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