第10話

第十話

「そうねぇ〜採寸は終わったんだけど〜これからも身長は伸びる時期にもなるし難しいのよねぇ、大きさの変わる防具を作ろうと思えば作れるのだけど素材がないからねぇ〜」

ロズエルさんがアンさんを言う

「素材のことはなんとかするわ、大抵の物は用意できるから」

「まぁ本当〜とっても嬉しいわ〜なら何でもつくれるわ~」

「貴方のためじゃないのよ」

「わかってるわよ~」

「紙に書いてくれたら持ってくるから、あと王立学院の制服も作ってくれる?今度入学なのあなたが作っても大丈夫でしょ?採寸もしたことだし」

「学院に行くの!?今年の入学者は凄いからねぇ〜そんな年に入学できるなんて羨ましいわ〜学院の制服ね大丈夫よ〜今年も学院の許可は取ってるからどうしてか学院の生徒は来なかったけどね〜どうしてかしら〜」

そういうロズエルさん、いや絶対その見た目のせいだよとは思ったものの口には出せなかった。

「いや、貴方のため見た目のせいでしょ、もっとまともな格好をしていたらきっと生徒も来るわよ、腕はいいのだし」

アンさんが言った。言っちゃったよこの人

「そんなのいやよ〜私は私よ」

「そんなことを貫いてるから小さい子には泣かれて、兵士に疑われて、挙句の果てには同類の変人に好かれるのよ」

「もうひどいんだから〜それより今日はそんな雑談しに来たわけじゃないでしょ、この子の防具なんだけどどんなのにするの?」

「そうだねえ…エルはどんなのがいい?」

「僕は……そうですね…」

そう言い自分を想像する

「金属を使ったシルバー色の防具がいいです」

「却下」

アンさんに却下される

「なんでですか!」 

そう言うと

「お前、ダグ爺に勧められた武器はなんだ?」

「短剣とナイフと小太刀です」

「そうだろ金属を使った防具は防御力は高いが動きにくいお前の武器に合わないそして何よりお前は避けるのだけはうまいんだから動きにくい防具なんて着たらお前の長所無くなるぞ?」

「確かに!ホントですねそれなら…軽い装備である程度防御力のある防具がいいですね、これならいいですよね?」

「そうだな」

「わかったわ〜それとエンチャントはどうする〜?」

「えっ、ロズエルさんエンチャントできるんですか!?」

ロズエルさんがエンチャントできることに驚いた。なぜならエンチャントスキルを持つ人はごく少数で貴重な人材。エンチャントできるだけで朝から行列ができる。

「できるわよ~でもあんまり人気が出ないのよね〜お店を立てたときは行列ができたのに2年後には見ての通り閑古鳥よ、どうしてかしら〜?」

何故かわかった気がする。

「凄い驚きましたがエンチャントですか…僕はエンチャントにあまり詳しくないのでアンさんと相談して決めてください」

「わかったわ〜ならアンどうする〜?」

「防具に関しては任せるよ、制服には『クリーン』は付けといてくれ、あとは適当に」

「わかったわ〜あと、ちょっとまってねぇ~、はい、これメモいつ素材持ってくる〜?」

メモに目を通すアンさん

「すぐに持ってくる、ヘル少し待っていてくれ」

そう言い出ていくアンさん、僕はもう一度ロズエルさんとふたりきりになるのだった…

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