第37話 D、B、DBS!DBS oh DBS!My work is,my work is!

DBS作戦は1948年5月3日を開始日時とした。

補給線の寸断や情報操作によりアメリカの混乱は頂点となり、作戦は露呈していなかった。

ドイツからシュタイナー陸軍派遣少将が派遣され陸軍の練度も上がっていた。海軍も演習や実戦を重ねて練度を高めつつあった。それは同盟各国も同様であった。日本は海軍将校を主に派遣しており、いずれも好評であった。


そして、1948年5月3日未明。その時が来た。

DBS作戦開始である。

太平洋日本軍艦隊は既に展開を完了していた。そして、旗艦はもちろん敷島で総司令はこの俺である。通信機を渡された。しゃべってほしいようだ。何も考えていなかったのだが。

「・・・諸君、この作戦はアメリカを倒すこと以上に戦争の早期決着に不可欠なものとなっている。そのことを頭に叩き込んでおけ。・・・死んで得られるものなど何もない、だから死ぬな!以上だ。作戦開始!」

敷島から発光弾が上げられた。それは緑色で必勝の意を持っていた。


同時刻、イタリア海軍はスエズ運河をはじめとした各米軍艦隊に陽動攻撃を開始していた。偽情報で枢軸国側は連携が取れていないと言っていたので艦隊の大多数が陽動作戦に引っかかった。

独ソ連合艦隊も前進し海岸主要都市へと近づいていった。


同日0600

夜明けと共に太平洋艦隊は航空部隊を発艦した。これらは海軍や陸軍の施設に対しての攻撃である。この中には降下猟兵も含まれていた。


大西洋艦隊はノースカロライナ州を攻撃し始めていた。どうやら警戒網だけはしっかりとしていたようなので夜明けと同時に見つかってしまったのだ。しかし、攻撃をを強行し揚陸部隊が次々と攻め込んでいった。


1200

太平洋艦隊は航空部隊が帰還し艦隊は揚陸艦の往復可能距離まで前進していた。

「司令、損傷率は多少ありましたが未帰還機はゼロだそうです。」

「我々の訓練の賜物だな。」

「司令、我が艦隊の左舷側から敵艦隊発見との報告が!」

「戦闘配置!海も戦場だということを忘れるな!」

艦隊の左舷側、つまるところ北側から大小様々な艦艇が接近してきていた。しかし、先に発見した日本軍の方が圧倒的優勢であった。

「深追いだけはするな。追い払えれば十分!」

まさに鎧袖一触であった。


1350

ついに大西洋艦隊の揚陸部隊が上陸に成功した。

「進め進め!敵の防衛軍は寡兵である!」

ドイツお得意の電撃作戦である。これにソ連の圧倒的物資量が加わるのだ。海岸は発見の報を受け米軍が防衛線を展開していたがあまりにも脆弱であった。この日の夜、ノースカロライナ州長が降伏宣言をし、同州は呆気なく枢軸国のものとなったのだ。


5月4日 

朝から再び航空攻撃が敢行された。今度は防衛体制が整っていたので未帰還機が急増した。それでも敵の陸軍工廠などの生産体制を弱体化させることに成功した。大西洋艦隊は太平洋艦隊が揚陸するまで待機し、補給を完全にしていった。


5月5日

「進めぇ!敵の弾など大和魂の前では無力であるぞぉ!」

太平洋艦隊も上陸が始まった。艦隊は支援砲撃可能位置まで前進していた。

「対地砲弾、目標、敵トーチカ。撃ち方はじめ!」

対地砲弾が味方の血路を切り開く。しかし、上陸地点のカリフォルニア州は防衛強化都市であった。そのためなかなか前進できなかった。

「小隊長、康が!」

「気にしている場合か!前にすす、うっ!」

「小隊長!」

『こちら第7戦車隊、航空支援を要請する!頼む、誰か来てくれぇ!』

「迫撃砲だ、迫撃砲を持って来い!」

「衛生兵、衛生兵を誰か寄越してくれ!」

「砲撃が来るぞ!気をつけろ!」

それは前世におけるノルマンディー上陸作戦と同等であった。

『艦隊に支援砲撃再度要請!座標はドゥアッ・・・・ザーーーー』

こんな調子だった。

「司令、砲撃は?」

「・・・砲術長、対地砲弾は残り何発だ。」

「残り200発です。」

「補給艦はどうなっている。」

「後2日できます。」

『・・・・砲撃座標を指示する。座標は57 57 68 7356 10!目標は大型トーチカ並びに野砲群だ!』

たくさんの要請の中にやっとまともなものが出てきた。

「よし、要請を受領する。座標、57 57 68 7356 10だ。全艦連動統制射撃にて行う!」

大小様々な砲が目標へと砲身を向ける。

「撃ち方はじめ!」

大きな爆音が海岸の兵士でも聞こえるくらいであったそうだ。砲弾は全て目標に命中し、再び日本軍は前進していった。

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