第4章 さぁさぁ悪夢のミッドウェーやでwww

第20話 ヨークタウン、ホーネット、うっ頭が・・・

我が軍では最近新しく超長距離高高度偵察機、通称「零式偵察機改3型」、略称「零偵」を量産体制に漕ぎ着けることに成功した。これは空母による洋上補給をすることにより、アメリカ全土は偵察を可能とした少し大型な高性能機である。それにもかかわらず生産コストはとても安いのだ。何故なら『鈍足、弱装甲、貧弱7粍豆鉄砲』の負の三拍子が揃ったからだ。しかし、これは改2型であって、改3型になると少し値が上がったもののこの負の三拍子を弱装甲以外は解決することに成功した。これにより、常に米軍の動向や丸わかり。改装さえすれば電探を多く積むことができる。ちなみにレ三式複戦は元々量産機ではなく、偵察機自体が軽んじられていた時の遺物と化していたので倉庫番となった。そんな素晴らしき性能をした零偵がミッドウェー島方面に対して頻繁に物資を輸送しているとの連絡があった。確認できた限りでは航空爆弾が主であったそうだ。航空写真機も大分最新のものを採用しているため、彩度がとても良い。どうやら弾薬だけではなく爆撃機も輸送しているらしい。そしてそれを輸送してきた空母を確認した。それは見間違えることはなかった。なぜならその艦はWGのリリース特典かつ環境兵器とまで称されたあの空母だったのだ。

米軍空母 ホーネット並びにヨークタウン

恐らくこの写真の端に写っていた空母は

エンタープライズ、彼女しかあり得ない。

ホーネットとヨークタウン、そしてエンタープライズ。こいつらが3隻集まったのはあの大敗北であるミッドウェー海戦の時に他ならない。

彼女たちは常に行動を共にしていた。そのためミッドウェー海戦を再び行うのなら死闘になることは間違いない。珊瑚海のようにうまくはいかないはずだ。しかし、大和のようなオーバースペック空母に改装される前に沈めなければならない。そして決断を下す。


「天皇陛下、今回の作戦指令書です。ご了承お願いいたします。」初めての謁見だった。本来なら海軍司令長官とか海軍大臣の仕事だが陛下直々の頼みで来て欲しいと言われたので来たのだ。この場所には俺と陛下以外にはいない。そんな静寂の後に重苦しく陛下が口を開く。

「根東中将、貴官は正気であるのか?」

それもそのはずだ。作戦内容は支配地域の最低防衛艦隊以外の作戦可能艦艇全てを持って米軍艦隊の早期沈黙化を図るといったものだ。これにより、アメリカ本土へ侵攻。そして太平洋戦争の終結を目指すといったものだ。

「はい、正気であります。むしろ正気で戦争などやっていけるわけがありません!」

陛下相手でも臆してはならない。それを石原首相に教わった。彼はそれを最も嫌っている。

「では仮にだよ、仮に作戦が失敗した場合はどうする。つまり艦隊が全滅する場合だよ。」

「その時には最終手段として、秘匿兵器の使用に踏み切ります。」

これは本当の最終手段だった。長距離誘導ミサイル群によるアメリカ都市部への直接攻撃である。これを使用した場合、恐らく他国もこれを模倣し戦火はより広がることは間違いない。しかし、これを1番初めに使用することによる、影響力に各国は畏敬の念を抱かない訳がない。

そのことを全て陛下に申し上げた。

「・・・秘匿兵器の使用に関しては君たちに任せる。私の責任にしてくれても構わない。但し前提である、作戦の成功に全てを注ぎ給え。この作戦は日本の全てを賭けた大博打となるはずだ。最善を尽くすように。私からは以上である。君から私に聞いておきたいこととかはあるか?」

「特にありません。失礼いたします。」

部屋を出ようとした時に陛下に呼び止められた。

「根東中将、待ちなさい。君に渡さなければならないものがある。」そしてかなり大きな箱が部屋の中に運び込まれてきた。中身は、

・天皇専用の旭日旗

・草薙の剣(レプリカではあるものの公務などで使用される正真正銘の本物)

・天皇陛下専用護身用拳銃

そしていつも帯刀している日本刀だ。

「旭日旗は第1艦隊の旗艦につけなさい。これは燃えてしまっても構わない。そんな状況下での作業で人が死ぬのはごめんだ。後、他のものは絶対に生きて君の手で私に返しなさい。それは何年経っても構いません。」

陛下にできる最大級の配慮だ。

「この根東、天皇陛下直々に装備をいただき深く感銘しております。必ず無事に戻ってこの手で返させていただきます。」そうして今度こそ部屋を出ていった。

作戦名は、

『MI作戦』とした。

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