第14話 番外編!美咲ちゃんの蒼龍日記
1日目
今日からあのバカ夫(ウソ、めちゃくちゃ良い人)の命令で空母 蒼龍に配属になった。この日は乗組員について調べ回った。そこそこ女性が多かったのが意外だった。後、みんな優しかった。これからこの日記に書ける日は書いていこうと思う。ちなみに、私の部屋は士官室を割り振られる予定だったが敢えて下士官の方にしてもらった。
4日目
乗組員と心を開くことに成功した。みんな私のことを将校としてではなく蒼龍クルーとして見てくれているのが何より嬉しい。この日から艦内のダメコン訓練に参加した。たまたま本物の不発爆雷が起動したそうだ。艦底に穴が開いていた。そこそこ大きかったが私も頑張って指示に従いつつ自分からできることをしっかりとやっていけた。ただ課題点もあったそうで「もっと周りを頼れ」だそうだ。周りを頼ろう。
10日目
ダメコン訓練は完璧なものとした。艦長曰く、「こう言ったことをしておくと指示を出すときに困らなくて済む。」とのことだ。今日からは艦橋に許可なしで上がっていいそうだ。
15日目
最近は艦長や士官組、各班長から空母の動きについて本格的講習を受けた。本土の学舎では学べないリアルがそこにはあった。まだまだ艦長になるには速すぎる気がとてもする。
30日目
手紙が康彦さんから来た。内容は元気?くらいのレベルだったので元気だお?と返してやった。座学は各講師の方々からお墨付きをもらった。「大佐は記憶とその利用がしっかりとできている。」と言ってもらえた。素直に嬉しい。
31日目
今日からは対空戦闘訓練の予定だったが米軍小規模牽制攻撃隊の襲撃を受けた。艦長からは艦橋に上がれと言われたが振り切って対空銃座に降りた。対空砲弾の給弾を手伝っていたがそこの分隊長が負傷したので代わりに陣頭指揮を取った。今までに教えてもらったことをフル活用して敵機を集中砲火で落とすことに成功した。現在地はソロモン海らしい。敵はだいぶ近い気がする。
40日目
飛行甲板での艦載機誘導訓練をした。何回か轢かれそうになってその度に班長からこっぴどく叱られた。死なないよりマシなのではあるのだが気をつけなければ。
45日目
雨天時の艦載機着艦誘導をした。雨で視界不良となった艦載機を無事に帰還させる任を任された。雨で滑り、波で煽られる甲板でなんとか着艦誘導に成功した。その機は偵察機だったそうで聞いたところによると敵機動艦隊がかなり接近しているそうだ。
60日目
また康彦さんから手紙が来た。本土では大和が完成しかけているそうだ。「要望があったら教えてほしい」と資料と共に送られて来た。
返事はまた後でもよさそうだ。
78日目
蒼龍単艦での本土帰還中に追手の第II機動艦隊第3分艦隊が追いついて攻撃を仕掛けて来た。私は艦橋で代理艦長として指揮をとった。本物の戦闘は怖かった。補佐で艦長が付いてくれたから冷静さを保てたものの、いなかったら何人死なせたことになるんだろうと考えてしまった。
分艦隊の連中は攻撃隊を殲滅された為アメリカ本土への帰還ルートを辿っているそうだ。
90日目
呉軍港に戻ってきた。久しぶりの本土であったが何故か接舷指揮を取れと言われた。途中までうまく行ったが、無線機の故障で艦橋での操作が全てとなった。少し寄せ過ぎたものの最初にしてはうまく行った。これからあの馬鹿に会いに行って報告するが今日はこの下士官室で寝ることにする。報告は明日でいいそうだしね。
これで私の蒼龍日記を終了する。
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