第9話 結婚式
内閣結成から1年経ち、ようやく俺なしでも管理省がしっかりと機能し始めてきた。大きな問題はなく各省庁、頑張っているらしい。俺の方も暫く軍の関係は美咲に代役を頼んでいた。
けれどそっちの方もだいぶ落ち着いてきたらしい。そこで一つ提案をした。
「美咲、そろそろ結婚式しない?」
ちょうど休暇がお互いにもらえそうなのでそのタイミングで今まで流れてきた結婚式をこの期にすることにした。
「けど、いいの?参列者かなり豪華な方々がおそろいよ?」そうなのだ。
まだ誰にも言っていないのに何故か漏れて出てきた情報を聞きつけた首相二人組が参列するそうだ。それも完全OFFで。おまけに暇な大臣全員にその話をしたものだから大臣組もほとんど来るらしい。さらにそれをマスコミに言ってしまったアホ(石原)がいたせいで国民にもバレてしまった。そして根東ロスが起きた。
クーデター主犯の俺に何とかロスが起きるとは到底予想しなかった。そんでもって式の日は奇跡的に参列希望者全員がOFFの日の1月21日とすることにした。様式は慣れているヨーロッパタイプ?にした。そこからは何故か俺も美咲も長期休暇に次ぐ休暇が続いた。多分配慮してくれたんだろう。その間で式の準備をしつつ婚姻届も出した。残念ながら美咲の両親は今はオランダ旅行だとのことで顔は見れなかったが、電報で祝福された。そして式当日を迎えた。
真っ白なウェディングドレスに包まれた彼女はとても美しかった。本人はいささか不満げではあったが。
「ねぇ康彦さん、こんなに肌露出して大丈夫なのかしら?破廉恥な女って思われたら・・。」
「大丈夫!みんな君の美しさに惚れるだけだよ。多分。」
「多分って何よ、んもぅ。」
そんなこんなで主役様参戦だ。
ホール内にはたくさんの人で溢れていた。
入ると同時にスポットライトが当てられ拍手が巻き起こった。その後はあまり覚えていない。はっきりと覚えていたのは、友人演説の時にまさかの首相が出てきてみんな恐縮していたことだ。なので俺が急いで演台まで行って肩を組んで一応余興で用意していた漫才を披露して大爆笑をかっさらった。
まぁ、元ネタはミルクボーイ氏の漫才だが。
そしてブーケトスをやった時に取ったのがまさかの石原首相だった。本人曰く
「適当に手を伸ばしてみたらなんか取ってた」とのことだ。終始笑顔のまま式は終わった。
式が終わり、美咲の着替え中に式場の片付けの手伝いをしていた時、管理省の副大臣達に呼ばれた。
「大臣!本日はおめでとうございます。そこでなんですが明後日までお休みになられますか?」
「いや、流石に出勤するよ。もうそろそろキツくなってきた頃でしょ?」
「まぁ、そうなんですが。私たちも妻子持ちなんですが、定期的に家族の時間を作った方が良いですよ?だから明日くらい家でゆっくり2人で過ごしてくださいよ。」
一応、一軒家を買ってはいた。そこで仕事もしたり、新しい友人も連れ込んだりはしたがあまり美咲とは話す暇がなくたさなっていたような気がした。だから、
「ありがとう。じゃあ明後日まで休むよ。明々後日からは職場復帰するから。」
そう言うと彼らはホッとした表情のまま帰っていった。
そして着替え終わった後に美咲にそのことを伝えた。かなり嬉しそうだったので何処か温泉でも行くことにした。無論日帰りだが。
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