第3話 仲間集め
進水式をなんとか記憶がない頭で終わらせることに成功した。よくわからん知人をなららやつがいっぱい来ては事情を尋ねたり、同情してくれたり、酒の誘いまでしてくる奴もいたもんだから相当人望はあったらしい。
そんでもって軍将会議と同時に軍事クーデターを起こすことに新島と決めた。そのためにはまず人が必要だ。そう思って帝国軍大本営のある東京の霞ヶ関までやってきたのだが思わぬ男2人と会った。
石原莞爾と東条英機である。
それもめちゃくちゃ仲良さそうにしてだ。
「これはこれは、根東くんじゃないか。人ってに聞いた話だと記憶がなくなったそうじゃないか。無理にとは言わないがいつでもいいが話を聞きたい。」
「はっ!恐縮ですが今お話ししてもよろしいでありますか?お二人とも。」
少し困惑したようだったが了解してくれた。
同日 帝国大本営第二秘密会議場
「それで、記憶の方はどうだ?」
「はい。残念ながら記憶は全て失っています。
そしてもう一つ重要なことをお話ししなければなりません。」
「なんだね。一応君とは昔馴染みではあったんだ。」と東条が言った。かなり恐れ多いことだが昔ならあり得なくないと思いながら計画を打ち明けた。
俺が転生してきたこと。
それが原因、もしくはそれ以前からの不可解な人事異動。
新島のこと。
そして、軍事クーデターのこと。
東条はかなり肯定の意を示してくれた。
彼の派閥自体は元々今の上層部に対し不満を持った人で構成されているそうだ。
しかし、石原は違った。
「確かに君の話には理解できる。しかし、俺の派閥構成員は関東軍で彼らは今の上層部がいうことを聞いてくれる財布同然だと思っていてかなり腐敗している。東条の派閥だけでは心もとないし、俺の派閥は使い物にはならん。更にだ。君はそれをした後何をしたい?」
失念していた。
「すいません。感情的になって失念していました。」
「ははっ。それでこそ若者だよ。だからだ。
一週間、一週間だけ待ってやる。その間に答えを見つけろ。そして俺たちを納得させてみろ。まぁ、何やっても東条は動いてくれるがな。」
「まぁそうゆうことだから。頑張って。」
そう言って彼らとは別れた。
そして会議場を後にした。
3日後
霞ヶ関で何故か雑用や委託任務などなどをするために少し滞在したのちにホームベースの
横須賀鎮守府に戻ってきた。そして新島に
霞ヶ関で話したことをそのまま話した。
「どうしてこんなに帰還が遅くなったんです?」
「あぁ、ごめん。霞ヶ関行ってた。」
「え?」彼女には霞ヶ関に行ったことを言っていなかったのだ。
「で、何をしてたんです?」
「石原さんと東条さんに会った。それでクーデターのこと聞きに行った。」
「そうですか。実はこっちも色々情報を調べていたんですよ。」
そう言って彼女は資料の束を持ってきた。
よく見るとだいぶ目の隈ができている。寝ずに頑張ってくれたんだろう。
「霞ヶ関の警備情報とかも載ってます。後、上層部の裏情報もかなり仕入れましたよ。」
どんなものかと思って見てみればそれはあまりにも上層部が如何に杜撰かがわかる情報ばかりだった。このままでは日本は確実に終わる。
決心はついた。
「また明日も霞ヶ関行ってくる。その間悪いけどここらへんの事務処理お願いするわ。」
「待ってください!わ、わたしも連れてってください!お願いします!」
なんだよ。結構可愛げあるじゃねぇか。
「わかった。けどどうなるかはわからんよ?」
「覚悟の上です。」
すぐに石原に電話をした。
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