第3話 キャバクラは嫌い

会社の上司に幾度となく連れて行かれたが、毎回無駄な時間だと思っている




課長からしたら若い子と飲めて楽しいのかもしれんが、俺からしたら自分と同い年くらいの女性に高い金を払って一緒に飲む理由がさっぱりわからない




でもなんとなく、このミユさんは俺が知っている“キャバ嬢”とは違う感じがして色々と聞いてみたくなった






「ミユさんはなんでお店で働いてるの?」


「えっと、、、“お昼”もやってるんですけど、夜に何もやることないし、、だったら働こうかなって、、」




それは理由になってるのか?と思ったが


もしかしたら会ったばかりの俺には言えない何か特別な理由があるのかもしれない。これ以上つっこむのはやめておこう。








「夜の仕事は楽しい?」


「うんと、、、カナコさんと知り合ってからは楽しくなりました!いつも色々と教えてくれるので。私たち、姉妹みたいなかんじなんです!」


(ミユさんは間違いなく妹の方なんだろうな)










「もういい時間だし、出ようか」


卓也がそう切り出すまで、外がうっすら明るくなっていることに気が付かなかった






「ミユ、みっちーさんとLINE交換した?」とカナコ姉さんは言う






「あっ、まだです。。あのー、LINEいいですか?」


「ああ!もちろんもちろん」




不慣れな手つきでQRコードを差し出してくる




「今日はみっちーさんと色んなお話ができて楽しかったです。今度また一緒に飲めたら嬉しいです。こんなかんじで・・・」


「会計は一旦俺払っとくから!」と卓也が割り込む




(こんなかんじって、プライベートで、ってことだよな? “キャバ嬢”って一括りにしてたけど、ミユさんは普通の女の子だ。今度二人でご飯行きませんか?って誘ってみようかな・・・)






お店を出るなり卓也は声高らかにこう叫んだ






「じゃあうちらは積もる話があるから、あとは若いお二人で!あっ、会計はまたLINEするわ〜!」


突如として闇夜に紛れていった卓也とカナコさん






って・・・えっ、、、えっ!!?!?!?

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