「ありのままの自分になれない」
言いたい事を聞いてくれる人がいない。
悩んでいる事があるが、立場上誰にも話せない――
皆さんもこうした理由で、日常が窮屈に感じたことはありませんか?
夜な夜なBARに集うのは、様々な世界の、様々な立場の人間が――獣人が、魔王が、兵士が、元の世界では言えない「本音」を漏らす。
「実はさ……」
「ホントはさぁ」
「聞いてくれよ」
時にはしっとり、時には小さく胸中を揺さぶるような話に、そっと耳を傾ける……
仕事、立場、役職に縛られない、ありのままの自分になれる場所。
それが「BAR日諸」
さぁ、今日も開店です。
どうぞ、こちらへ――
(2022/8/15執筆)
さまざまな立場の人が行きつく『BAR日諸』。
たまたま来店した人同士が飲み合うことがあるのは、現実のバーとそう変わらないだろう。
だが、このバー、客の立場があまりにも違い過ぎるのである。
普通のOLが来たかと思いきや、異世界の兵士、悪役令嬢、更には魔王まで来店する。
とは言え、書かれている内容は、自分の悩みや立場を淡々と語り合うものだ。
逆に言えば、立場があまりにも違い過ぎても、心に抱えているものは同じだという事である。
現実に立ち返って、自分と立場が違う人でも、案外思っている事は同じなのかな……?
そう思わせてくれる作品である。