第39話 あなたが要になります
走り出した真一は、
「遅くなってゴメン。僕も一緒に戦う!」
そう言って武器を構える真一に、みんなは次々に声をかける。
「事情は伺いました。今は一人でも多くの味方が欲しかったので、ありがたいです」
「今までサボってた分の仕事はしてもらうからね!」
「
「彩華、今は戦闘中だ。……真一、よく来てくれた。だが、
鋼太は武器を構え、再び七志の方へと向き直る。
「やァ、シンイチ。随分と遅い登場じゃないカ。心の準備はできたのカイ?」
七志は宙に浮き、真一たちを見下ろしながら語りかける。
「今更一人増えた所デ、僕に勝てると思ったのカナ?」
「うるさい」
真一は、剣の切っ先を七志に向け、堂々と宣言する。
「僕は、みんなと戦いたくてSOLAに入った。見ているだけなんてもうゴメンだ。だから何があろうと、僕はここにいるみんなと一緒に、お前と戦う!」
雅輝も大智も、鋼太も彩華も、みな心は一つだった。そして、もちろん真一も。その時、真一の耳に
しかし、状況が悪いことに変わりはない。これだけ戦っているのに七志には傷一つなく、疲れている様子もない。それに、まだ全力を出していないような、不気味な余裕さえ見える。それに対して、こちらは消耗していた。疲労は蓄積し、傷は
この中で一番体力と魔力が残っているのは僕だ……だから、僕がなんとかしないと!
真一はそう思い、剣を強く握りしめた。
「ダメですよ、真一くん」
真一の考えを察したのか、すかさず雅輝が止めに入る。
「ミノリさんから言われたんじゃないですか? 一人でなんとかしようとしないで、仲間を信じて欲しい、と」
「でも、みんなボロボロで!」
「分かっています。なので、今から実行する作戦はあなたが
「作戦?」
真一は疑問に思った。
真一はさっきみんなと合流したばかりだ。作戦なんて考える暇もなければ、みんなで話し合う余裕なんてなかったはず。なのにどうして作戦なんて立てられたんだ。
「細かく説明している時間はありません。あなたはあなたのできることを、精一杯やってください。今伝えられるのはそれだけです」
真一には、雅輝の言っていることがよく分からなかった。しかし、それ以上に、一緒に作戦に参加できることがとてもうれしかった。
「色々作戦を立てているみたいだケド、どうダイ? ボクに勝てそうな作戦は思いついたカナ?」
七志は本当に危機を感じていないという様子の余裕を見せていた。そして、不敵に笑いながら真一たちに手を向ける。
「さァ、もっと
そして、手のひらに炎を集め、再び巨大な火の玉を作る。
あの火の玉を、真一は防いだことがない。もしもあれと一人で向き合っていたら、真一は絶望し、力なく立ち尽くしていただろう。しかし、今は一人ではない。
「おい真一、防御は俺たちの役目だ。全力であれを防ぐぞ!」
真一の横に立った鋼太は、力強く言い放った。真一もそれに応えるように、言葉に気合いを込める。
「はい! 絶対に防ぎましょう、僕たちで!」
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