第6話

 「ぎあああぁぁー!」

 

 ーキーンコーンカーンコーン


 「あれ?」

 此処は何処?!

 今、何時?!


 「起立!礼!」


 あっ、授業終わっちゃった!

 どんだけ、妄想してんの、私!

 昨日の夜からだよね?

 記憶が無いんだけど!

 こういうのよくあるんだよなあ。

 妄想してて、記憶が飛んでること。

 私、大丈夫なのかしら。

 と、取り敢えず帰ろう…

 ばたばたと帰り支度を始める。


 しかし、何なんだろう。

 BL?BLなのか?

 何、自分出しちゃってんの。

 馬鹿じゃないの、私!


 「よお、アオ。」

 「ぎあああぁぁー!」


 今!

 今!聞こえた声は、まさか!

 

 「何なんだよ。いきなり大声出して。鼓膜痛え。」


 リュウ!

 

 さ、さっき(妄想で)色々やらかしてた張本人!

 か、顔が見れない!

 BL書いてて、最後自分とのキスシーンって…


 アホーアホーアホー


 誰がアホやねん!

 ちっ。

 また、カラスか。

 紛らわしい!


 はっ!

 いけない!

 もしや、デジャヴュ!


 今度こそ、頭にうんこされてたまるか!

 上空を見上げながら、カラスの真下にならないように、避けて歩く。


 「アオ、うんこ気を付けろよ。」

 「分かってる!今度こそ、カラスにうんこなんかされないから!」

 「いや、カラスじゃなくて、犬のうんこ。」

 「え?」


 ーグチャ


 「…」

 「あー踏んじまったなあ。しかし、カラスのうんこ避けて、犬のうんこ踏むとか、持ってんなあ。」

 「…」

 「でも今度は、直じゃないしまだマシ…いや、ちょっとうんこ撥ねてんな。」

 「…」

 「ま、放課後だし、良かったじゃねえか。早く帰って風呂入れよ。アオ?」


 「いやああああー!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る