第4話

あれから更に一年がたち、俺は五歳になった。


ちなみにこの間に俺は幼稚園に入った。

ただ他の奴と仲良くはなれそうになかった。

なぜなら俺の精神年齢は奴らと十歳近く離れているのだ。

俺は昔からガキと関わるのが好きではなかった。


ただ気が合うやつもいた。

そいつの名前は、坂本さかもと そらだ。

髪の毛が茶色がかっている、俺より少し背が高い男の子だ。

こいつは俺の悪乗りにもついてこれるし、この年にしては面白いことを言ってくるのだ。

お互いに、ソラ、コータと呼び合う仲なので友達といえるのではないだろうか。


他にも幼稚園にはいろんな奴がいる。

例えば、関わったら面倒なことになりそうな、ガキ大将、小林こばやし 英樹ひでき

こいつはいかにもっていう風貌で、坊主頭にがっしりとした体格っていう、

ガキ大将なるために生まれたかのような奴だ。

あとは、幼稚園の中で一番かわいいと思う、早瀬はやせ 咲良さら

この子はショートヘアーの髪にそれはそれは可愛い顔という、誰だって惚れてしまいそうな子だ。

たぶん英樹も惚れていると思う...

もう一人は早瀬さんの友達の矢坂 桜花。

こちらも長い髪を後ろで束ねるかわいい女の子なのだが、気が強く正義感が強いのか、モテるとかそんなことはない。


他にもたくさんいるが、目立つのはそんなところか...


などと部屋の隅で宙を見ながら考えていたら、急に怒鳴り声が聞こえた。


「おい、俺には向かうつもりか?」


英樹だった。たぶんおもちゃの取り合いかなんかしているんだろ...しょうもない。

いつもだったら放っておくところだが今回は話が違う。

俺の友達を標的とするなら、俺だって黙ってない。


「おいデブ、なに俺のダチに手ぇ出してんだよ?」


「あぁ!?」


俺が軽く挑発すると、案の定、英樹は乗ってきた。


「こ、コータ...」


「大丈夫かソラ?」


「う、うん...」


俺はソラにケガなどがないことを確認し、もう一度英樹に向かった。


「俺の事を...デブって言ったな...」


やはりデブといったのが奴の逆鱗に触れたのか、怒り心頭といった様子だ。


「来いよ、お前なんかこわくないぜ!」


「なめやがって...」


更に挑発すると、もう爆発寸前といったところまで来た。


「いいこと教えてやるよ、俺の異能は【巨神の剛腕】だ。超攻撃型の異能だ。

お前なんか一撃で吹っ飛んじまうよ。」


そう英樹は言い俺に襲い掛かってきた。


「くたばりやがれ!」


英樹の大ぶりのパンチを俺は難なく避けると、英樹の足を引っかけ転ばせた。


「うわぁ!」


英樹は思いっきり床に突っ込んだ。


「分かったか?これからは俺のダチに手を出すんじゃねぇ。それと、あんまり

やんちゃはするな。」


「コータって強かったんだね。」


「そんな事ねぇよ。」


俺とソラは部屋を出ていった。


ちなみにこの後俺が園内で噂になっていたらしいのだが、俺は興味がなかった。



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