15.お部屋とバロメーター
おっおっおっお。それは、いたる所で観測可能である。床の上、机の上、シンクの中、風呂場に玄関、本当にいたる所からわかる。唯一観測できないのは天井だろうか。
そう、部屋が荒れているのだ。正確に言うと荒れ始めている。これは黄色信号で危険信号だ。本当は早急に片付けてしまえば良いのかもしれないがそれが・できないできていないから危険サインなのだ。部屋はその人の心の状態を表すとはよく言ったもので、部屋が荒れているときで元気なとき、心身共に健康的なときは少ない。部屋が荒れるのが先か心が荒れるのが先かは鶏と卵の先攻後攻話と同様の議論だと私は思っている。
まず忙しさや体調の不調にかまけて食事が
机が乗っ取られているためにあらゆる作業が滞る。PC作業は勿論、紙を伴う作業も進まなくなるというか取りかからなくなる。
そうこうする内に次なる
かろうじて回したとして、そこから干すことを放置してしまう事もあたし、一番多いのは取り込みの行程を怠ることか。出窓の物干し竿に洗濯物が掛かっていない状態の方が珍しいかもしれない。次の選択を回すまで干しっぱなしで、入れ替えになる事が常である。取り込んだ洗濯物も刺客になるのだ。まず一旦全てをハンガーやクリップを外してベッドの上に放る。本当に、ぽーんと放る。そこで一連の流れで畳めばいいのだが、そのまま放置して外出したり何か別のことをした日にはもう半分諦めた方が良い。きっとその後二日は畳まなない。
しかしベッドを占拠している大量の洗濯物。どういう結果を招くかというと、夜、寝る前にこれまた「一旦」床に放る。はい、ここも黄色信号。サッカーなら二枚目退場。今回はバスケットボースのルールを適用することとするのでファウルは四回まで許容することとする。この「床に放置された洗濯物」が更に部屋を荒らす。洗濯物が散らかってるなんて汚部屋の典型過ぎて「漫画か!」とツッコみたくなる。
洗濯物が厄介なのは、畳んでも仕舞わなければ同じ現象に辿り着いてしまうところにある。綺麗に畳んで整列させていても、ベッドの上では無意味なのだ。クローゼットの中でないと。
順調に部屋が荒れてきたところで次なる起爆剤はカーテンとなる。机、床と見てきて今度は壁部門に突入だ。カーテンを、開けなくなるのだ。人間不思議なもので、暗い気分の時は暗い部屋に籠もりたくなるのだ、アナグマのように。そんなときばかりは
この後もサクサクっと荒れ放題を堪能した後、ある時点でV字回復を起こすまでがワンセットなのが救いである。大抵土日に起こる気がする。
シュババババと片付いていくときは気持ちが良いし、動いてエネルギーを消費している感覚に安堵する。カロリー消費というわけだ。
衝動に駆られるように一心不乱に部屋の清浄度兼正常度を向上させ、一息ついて仕事を片付けていくのだった。今度は絶対荒らさない、と何度目かの誓いを立てて。「絶対」も「今度」も、来ることは期待しない方がいい。
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