第14話 『折り紙の力』
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第14話
『折り紙の力』
イタッチとダッチは、虎とハオに武器を持って向かい合っていた。
イタッチは隣にいるダッチに伝える。
「俺が猿の方を相手する。お前に親玉はくれてやるよ」
「言われなくてもそのつもりだ!」
ダッチは刀を手に虎へと斬りかかる。イタッチも折り紙の剣を両手で握り、ハオにゆっくりと近づく。
「……この私の相手はイタッチ……。あなたのようですね」
「さて、殺し屋の実力がどのようなものだか、楽しみだな」
ハオは背中に背負っていたハオの身長よりも少し高い棒を取り出す。
そしてその棒を頭の上で回転させた後、イタッチに棒の先端を向けて構えた。
「楽しむほどの実力があなたにあればですけどね!」
ハオは素早く距離を詰めると棒を突いてイタッチに攻撃をしてくる。イタッチはどうにか攻撃を躱す。
イタッチは折り紙の剣が届く距離まで近づこうとするが、ハオの棒での攻撃で動きが制限されてなかなか近づけない。
やがて避け切ることができなかったイタッチを、ハオの棒が直撃する。
だが、棒がイタッチに直撃したが、ハオはその違和感にすぐに気づいた。
「これは……違う……」
棒の当たったイタッチは折り紙へと姿を変え、風の飛ばされる。
「折り紙で自分の姿を作って身代わりにしたか……」
周りを見渡してもイタッチはいない。どこだと探していると、ハオの頭上に何かが現れる。
「上……」
上を見たハオの視界には四人のイタッチがいた。おそらく折り紙で偽物を作り、その中に紛れているのだろう。
「……動揺させるのが狙いですか。ですが、全て打ち落とせばいい話」
ハオは棒を高速で動かして四人のイタッチをほぼ同時に倒した。だが、
「……いない、全て偽物だと…………」
全て折り紙になり風に舞う。驚くハオの後ろに折り紙の剣が当てられた。
「俺の勝ちだ」
ハオの後ろに現れたイタッチが折り紙の剣を背中に当てる。降伏したハオは棒を捨てた。
「…………この私が負けた……か。さすがは怪盗様だ。私には手に負えなかったようですね」
地面に落ちた棒をイタッチは蹴って、絶対にハオが届かない場所に飛ばす。降参したハオは
「私は殺し屋。負けたからには死ぬしかない。やるなら早く……」
「俺は怪盗だ。盗みはするが人は殺さない。それが俺だ」
「……自害を選んでも止められそうですね。仕方がありません、敗者は敗者らしく勝者のいうことを聞くとしますか」
負けを認めたハオにイタッチは折り紙で手錠を作ると、それで拘束して動きを封じた。
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