第7話 アシアリウルク……3

「うぉおおおおおおお!」


 俺は草原を全速力で駆けていた。


 ちらりと後ろを振り返ると、巨大なスライムはまだ俺を追いかけてきていた。


「なんでゲームの最序盤の平原にこんな化け物みたいなスライムがいるんだよ!」


 悪態をつくが、スライムは自身の体をひこずりながら無邪気に追いかけてきている。

 普通なら”ホラーじゃない方のスライム”を見たら抱きつくとか触ってみたいとなってしまうが、そんな余裕を持つ事はできない。


 なぜこのようなことが起きているのか、それは5分ほど前に遡る。




 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――




「おっさっきの宝箱よりもなんか綺麗」


 1つ目の宝箱を開けた後すぐに見つけた宝箱にたどり着いた俺は、さっきより少し小綺麗な宝箱に興奮していた。

 小綺麗とはいえ、さっきのと比べてであり、別に特別きれいなわけではないが、さっきのと比べるとなにかいいものが出そうな雰囲気があった。


「あれ?どうやって開けるんだ?」


 見た感じただ蓋を開けたら良いだけなはずなのに、その蓋はビクともしない。


『ピーー』


 どこからか可愛らしい鳴き声が聞こえて、鳴き声のした方向をを向くと、可愛らしいスライムが居た。


「定番の雑魚モンスタースライムじゃん。すげー。」


 スライムを見て興奮し、抱きつこうとした。

 そこで少しだけスライムのいる場所が焦げているような気がして一瞬嫌な予感がした。


『ピーー』


 可愛らしい鳴き声とともに飛びついてきた。


「びっくりした!」


 流石にスライムが飛ぶとは思っていなく、とっさに避けると、スライムのぶつかった宝箱が突然燃えた。


 ――あっ、これ、やばいやつだ。


 そう思ったらとっさに逃げて、なんやかんやがあって、今1メートルほどの大きさのスライムが俺を追いかけてきている。




 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――




『『ピーー』』


 可愛いはずなのに恐怖しか感じないその声から全力で逃げながら俺は解決方法を考えていた。


 既にスライムは逃げる時に湧いたスライムと合体して1メートルを超えている。

 スライムは転がりながら移動してきていて、なんでこんなに早いんだっ!てキレそうになるくらいには早い。


「戦うしか無いのか!?武器なんて無いのに。」


 口にはしてみるが、戦う気力なんて既に無い。

 1メートルの液体とか1トン近くありそうなのに戦う気力があるなんて言う方がおかしい。


 殴る→押しつぶされる→死ぬ

 こんな式が成り立っている。可逆反応ではなく不可逆反応なので、

 殴る⇄押しつぶされる⇄死ぬとはならない。

 というかなったらそれはそれで怖い。


 ふと自分の進行方向に何かを見つけた。


「見ずらいけど人かな?流石にトレインするわけにはいかないし、どうしよう。」


 先には複数の人がスライムと戦っているのが見える。


「よし。トレインしよう。女の子いなさそうだし。」


 我が身が一番可愛いのである。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――


皆さんこんにちは?

今から寝ます。明日はテストです。


カクヨム6周年のイベント『KAC2022 ~カクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ 2022~』に参加してみようかな〜と思っていたら、お題が『88歳』で、は?ってなりました。椿ルイです。


二刀流→推し活→第六感→お笑い/コメディ→88歳


うん。わからん。

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