こwwwれwwwステータスウィンドウじゃんwwwwwww

「うおおお! ユニークスキル:イージスの盾!」


 と言わなくても別に発動できるのだが、とにかくイージスの盾を発動してみる。ここまでずっと読み書きや事務仕事の勉強ばかりしていたので、これを見るのは実に一週間ぶりである。


「我が盾にはどんな勇猛な事が書かれているだろう! どれどれ!」


 そう言って盾の表面に書かれた文字を確認してみる。文字を覚えた事によって街が見せる表情は驚くほどの変化を見せた。ならば今日これからはこの盾も大層見違えたものとなる事だろう。


「あれ?」


 何か文章でも書かれているのだろうと見当を付けて出現させてみた盾だが、どうもそのような雰囲気ではない。いや、読めるは読める。だがその文字が表す所が何を意味しているのかが判然としない。


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力:76 丈夫さ:45 速さ:61


火魔法:63 水魔法:7 雷魔法:1 風魔法:3 氷魔法:0

土魔法:1 木魔法:0 ……

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 ……といった具合に、力だとか魔法だとかいった言葉に数字がくっついた謎の文章がつらつら続いている。よくわからない……力が76? 火魔法が63とは? 火魔法を63個も使える魔法使いなんているのだろうか。ちなみに僕も火魔法だけは3つほど使えるが。


「ん、待てよ? て、事は……」


 思い立った仮説にもとづいて目の前の文章を確かめてみる。力と魔力の数字が大きくて丈夫さが低い。火魔法だけ数字が大きい。


「あ、やっぱり。これ僕の能力を表してるんだ」


 どうも目の前の文章は力の強さや魔法がどれだけ使えるかという事を数字で表しているらしい。長さや重さのように人の能力も数字にしてみようという発想だろう。


 何故能力の強さを盾に載せているのかはわからないが、それが解るとなかなか面白い。僕は火以外の魔法は覚える事ができなかったが、これを見るに雷魔法よりは水魔法の方が多少覚えやすそうな雰囲気がある。水魔法に絞って練習すれば案外一つくらいは覚えられるのだろうか? そう考えると他にも眠っている能力が見つかる可能性がある。僕は少しわくわくしながら、残りの項目を確認していった。


「えーと、光魔法:2 力の魔法:0 聖魔法:1 魔の魔法:0…… 能力値アップの通知:0、ウィンドウすり抜け:0、ウィンドウ分割:0…… 」


 やたら大量にある項目を一つ一つ確認していくが、途中から能力かどうかもよくわからなくなってくる。魔法だけなら十数個だが、そこから先の項目が何を表しているのか判然としない。ただ一つ言える事は、軒並み数字が0だという事だ。


「お、プライバシーモード:1! やった、0以外の数字だぞ!」


 つまり鍛えればプライバシーモードを覚える可能性があるのだろうか? だが同じく1の聖魔法が一切使えなかった事を考えると、この先プライバシーモードが使える事もなさそうか。かっこ書きで(※不可視モード)とあるから、隠密スキルだろうか?


 こうして見ていくと意外と役に立つ情報……というか、手に負える情報が出てこない。ほとんど書いてある事がよくわからないし、わかる情報だって結局は『火魔法以外は諦めろ』だ。


「ああもう、全然駄目じゃないか! 何か無いのか僕の中には!」


 せっかくの情報なんだから少しくらいは使用者の僕に得をもたらしてほしい。もうほとんど数字だけ追って目を滑らせていくが、読み上げ:0だの出現演出:1だのささやか過ぎる値しか見えてこない。結局そこに書かれた数字はイチゼロだけで最後の項目まで続き、最下段には補足のようにこう書かれていた。



 ※項目の値を変更したい場合はご自身で書き換えてください。



「は?」



 突然出てきた文言にしばし黙って意識を傾ける。ここまでの項目と比べれば文章のわかりやすさは段違いなのだが、その書かれている通りの事が頭に入ってこない。


 項目の値を変更したい場合……。変更したい場合? 変更したい場合って何だ? 


 書き換えたら……どうなるって???

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