第12話 兄弟の部屋と朝の挨拶
着替えを行うため、部屋に戻った。
当然の弟の純も付いてくる。
「あの~純くん?」
「どうしたの?お兄ちゃん。」
「制服に着替えたいのだが、出ていってくれないだろうか。」
「僕の部屋なのに?なぜ?」
「兄の着替えが見たいのかい?」
「お兄ちゃんの裸が見られる……。エヘヘっ」
ヤバい、うちの弟はブラコンを拗らせた変態と設定らしい。
「じゃあこうしよ。お兄ちゃん。」
「二人の部屋なんだから、お互い普通に着替えをしてても気にしないし気にならないって感じにしよ!」
「もちろん却下だ。」
「そんな~。」
「お風呂は一緒に入らないの?」
「それも却下だ。」
「弟の裸を見て興奮する兄を見たいのか?」
「僕の体を見て喜んでくれるお兄ちゃん……エヘヘっ」
ダメだ悪い予感しかない。
「入れ替わったこの女の子の体、かなりスタイル良いからなぁ」
「きっとお兄ちゃんも喜んでくれるはず……エヘヘっ」
見た目が高身長モデルJKのわが弟が朝からただのエロおやじ化している。
怖すぎる。家が魔境に変わった。
何とか着替えを無事に終えたあと、いつも通りの美優の連続ピンポンが鳴り。
今日の俺に始めての日常がやって来た。
「美優~会いたかったよ~。」
「美優お姉さま、おはようございます。」
「おお~どうしたのだ、悟くん1号」
「朝から家のやつらがおかしいんだよぉ~。」
「私からすれば悟くんも同じくらいおかしく思えるのだか?」
「どうしたのだ。」
「実は…。」と言おうとしたら…。
「お兄ちゃん!お姉さま!」と純がかなり不機嫌な顔になっていた。
「いくら親も公認の仲だからって私の前でいちゃつかないでください!!」
純はメチャクチャ怒っている…。恐らく嫉妬というやつだ。
「美優、また純の人格が変わった気がする…。どういう事だ?」
「悟くんちょっと待ってろ。」と言って純の前に立った。
「おい!純!」ドスの効いた声で美優が純に威嚇する。
「義理の姉になる私にそんな態度を取っていいと思っているのか?」
怒った美優さんこぇ~。
「だってぇ、私を完全に無視して二人で仲良く話すんだもん。」
威嚇された純はかなり大人しくなった。
「家に帰れば兄を独占できるだろうが!学校の時は学業に専念しろ!」
「お前の兄も勉強をがんばっている妹が好きなはずだ。」
沈黙のあと、純が俺に聞いてくる。
「お兄ちゃんは勉強を頑張っている、私の事どう思う?」
俺はとっさに
「俺は学校で真剣に頑張っている、純が好きだな。」
それを聞いた純の機嫌がみるみる治ってきた。そして、
「美優お姉さま、失礼な態度を取ってしまい申し訳ありませんでした。」
「お兄ちゃん、会いたくて寂しいけど、学校が終わるまで私がんばる。」
「無理はするなよ、純。」
「お兄ちゃんありがとう。」
「お兄ちゃん、お姉さま、先に学校に行きますね。」
そう言うと純は上機嫌で学校に向かって行った。
「どういう事?」と言う俺に「そう言う事だ、悟くん」と美優が言う。
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