2章 日常の異変
第11話 翌日の家族構成
「お兄ちゃん、お兄ちゃん、お母さんが呼んでいるよ!」
「起きて、お兄ちゃん。」
ん?俺は一人っ子だぞ。
「人違いだ。他を当たってくれ。」
「寝ぼけてないで起きてよ、お兄ちゃん!」
「お兄ちゃん!」
「ウルセー!俺はお前の兄貴じゃねぇー!」
そう吠えて飛び起きた。
朝から変な夢を見たみたいだ。周りを見渡すと…。
知らない女の子が泣いていた。
いや、俺はコイツを知っている。昨日に出会った僕っ子女子の白河 純だ。
とりあえず、泣いたのは俺のせいだと思うので謝る。
「すまない寝ぼけて強い言葉で叫んでしまった。」
「うっ」「うっ」彼女の涙は止まらない。
ヤバいこんな所をアイツに知られたら今日が終わる…。
「本当にすまない兄貴なのにきついことを言ってしまった。」
「僕は、僕は、」純は泣き止む気配がない。
「ああ、俺の大切な弟だ。だから泣くのを止めてくれ。」
「本当?」
「本当だ。世界一大好きな弟だ。」
「ありがとう、お兄ちゃん。」
ふぅ~。なんとかなった。
「世界一、世界一、大好き…。エヘヘ。」
泣き止んだ純は笑顔で微笑んだ。かなり上機嫌になっている。
落ち着いた純に事情を聞いてみた。
「なぜ?俺の部屋にいるの?」
「それはお母さんが、お兄ちゃんを呼んできてって言ってたからです。」
ドウイウコト?母さんが呼んでいるとは?
「とりあえず行くか。」
「お兄ちゃん、僕も付いていく。」
二人でリビングに行くと、父さんがいて母さんが「二人ともここに座って」
ん?ドウイウコト?
テーブルに四人が座る。
父と母と俺と僕っ子女子。
「今日から家族が四人になった訳だが、純の部屋はどうしようか?」と父さん
「僕はお兄ちゃんの隣で寝るから大丈夫だよお父さん。」と純が答える。
「そうね、あなた達は仲がいいから一緒の部屋でも大丈夫ね。」と母さん
「え~っと質問してもいいですか?」と俺が言うと。
「平日の朝だからあんまり時間がないぞ手短に頼む。」と父さん
「では一つだけ、この子は誰?」俺は純を指すと
「お前の弟に決まっているだろうが、朝からくだらない質問をするな!」
非日常な出来事のはずなのにメチャクチャ怒られた。
「悟吏、昨日からどうしたの?おかしいわよ。美優ちゃんがいるのに家の前で堂々と美優ちゃんの親友と浮気しようとしたり。ストレス溜まっているの?」母さんに心配された。
「えっお兄ちゃんそんなことしたの?」と純が言う。
「そうなんだよコイツ最低だろ~。美優ちゃんの目の前で浮気だぞ!クズみたいな事をしたのに美優ちゃんは私のせいだと言うんだぞ」
「あんないい子を泣かす男は人間のクズだよ」と父さんに言われた。
「二人とも待って。理由も無しにお兄ちゃんがそんなことするわけないじゃない!何か理由があるんだよきっと!」
全力の擁護をするお兄ちゃん大好きっ子。
「色々と申し訳ありませんでした。」俺が謝り、朝の家族会議を終えた。
「今日は朝の準備を俺がやるよ。」と朝ごはんを作り始めると純が隣にきて
「お兄ちゃん、僕も手伝う」とべったり引っ付いてくる…。
スキンシップが半端ない。
「あの~純くん?」
「どうしたの?お兄ちゃん。」
「純くんの体は女の子なんだからそんなに近づかれると緊張するのだが。」
「仕方ないじゃない、昨日の朝に女子と入れ替わってしまったんだから。」
あっ、その入れ替わり設定は反映されているんだ…。
「僕は嫌だけどお兄ちゃんが最初に理解してくれたのが嬉しかったんだ。」
すまない。設定がブレていてこの関係を理解出来ない俺がいる。
「あまりのんびりしていると学校に遅れちゃうよ。」
「おしゃべりなら帰っていっぱいできるからその時にしよ?」
純に言われて朝食の準備を始めた。
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