第7話 告白の続きと深刻なお願い

いずれバレるであろうこの純粋な僕っ子に真実は伝えねばなるまい。


「まずはヒーローの柏野先輩についてだ。」


「はい!柏野先輩と先輩の交際についてですよね。」


おい!後輩よ。吐き気がするNGワードを話すな。


「違う、俺とあいつは仲が良くない。」


「えっ!私の同級生の子はみんなあの二人は中学の時から付き合っているって言ってました。」


「みんな知ってますよ。親公認のカップルで全校生徒が公認している仲だって」


おい!可愛い後輩さんよ。これ以上言うと俺の体がどうなるか分かっているんだろうなぁ。怒りがこみ上げてきてキレていた。


しまった!後輩の前で取り乱してしまった。切り替えて続けよう。


「取り合えず黙って聞いていて欲しい。」と言うと「はい!」と答える純。


「柏野 美優の生態についてだ。」


「あいつは白河 純と言う存在を救う気はない。」


「あの時も男女入れ替わりという非日常に興奮して喜んでいただけだ。」


「脳の中身が他の奴と違う。」


「世界で指折りの危険人物の一人なのだ。」


「なるほど、世界クラスの頭脳を持っていて無意識に人を救うスーパーヒーローなんですね。」


「そんなステキな方が先輩なんて………最高です!」


もう止めよう。ダメ男に惚れた世間知らずのお嬢様には、何を言っても無駄だ。


「では、話を戻しても構わないか?俺に頼みがあるんだろう?」


「さすがは私の大好きな先輩、私の事なら何もかもお見通しですね。」

いや。まだ分からないことだらけだ。


「実はヒーローが掛けてくれた魔法が解けそうなんです。」


「私は本当に昨日まで男の子だったのかな?って。」


「明日になれば魔法が完全に解けて、そしてこれからずっと女の子のままじゃないのかなって不安で。」


で、俺にどうしろと?解ける理由は偽物ヒーローの詠唱魔法だからだ。

俺は魔法使いじゃないぞ。


それに君の不思議ちゃん路線は今知ったばかりだ。


「私を助けて下さい先輩!」


無理だ!断る!って言いたい。せっかく救われたって言ってくれたんだから何とかしないと…。


しばらく考えて話を進めた。


「分かった考えておく。いい方法があればすぐに試そう。」


「ありがとうございます。優しくて大好きな先輩。」


うっ!満面の笑顔が心に刺さる。無理とはいえない。


「たっだっいま~~~!」

玄関から大きな音とともに不法侵入してくる奴が現れた。


「悟くんの大好きな美優ちゃんが帰ってきましたよ~!」


「お腹すいたなぁ~ごはんごはん!」


普通に自分の家のように振る舞いながらくつろぎ始めようとした時に白河さんを発見した美優は


「ん!あんた誰?」


神様、この女の記憶力は半日すら持たないようです。

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