第2話 学校までの道のりは苦難ばかり

朝倉 悟吏(あさくら さとり)。

彼の学校への道のりはもう少し続く…。


「朝倉くん、美優さん。おはようございます。」


挨拶の先にいたのは、美優の親友の桜庭 静香(さくらば しずか)さんだ。

いつも清廉された振る舞いで人気の清楚系女子だ。


「あ~、静香ちゃんだ~。おはよう。今日もかわいいね!」

「桜庭さん。おはよう。」と俺は言った。


「かわいい!とりあえず抱き付きたい。いいか静香ちゃん。」と美優がセクハラしている。


「公衆の面前ではそのような事をしてはいけませんよ。」と軽くあしらっている。(嫌じゃ無いのかな?)


美優が桜庭さんに夢中なうちに俺は気配を消し、巻いた。


学校に入れば授業という平穏な時間が訪れる。そこまで頑張ろう。

曲がり角に差し掛かかった時にまたもや別のトラブルが発生する。


今、思い返すとフィクション作品などにある有名な…

そうそれ!

曲がり角と言えば男女がぶつかるあれだ。


背丈がほぼ変わらない長身のモデルみたいなJKと頭をぶつけたのだ。


そんなに強い衝撃では無かったのだか、相手が倒れてしまったので「大丈夫?君と訪ねてみた。」


「うん大丈夫だ。僕は」と彼女は答えた。


へ?僕?

どういうこと?あれか?入れ替わっているってやつか?

残念ながら入れ替わっていないよ。俺は。


「本当にすまない。朝から色々あって気が回らずぶつかってしまった。」と俺は謝った。


すると「僕の方こそボーッと何も考えずに歩いていて申し訳ない。」と彼女が言ったので、少しだけ考えて…あ~あ僕っ子の女子かと納得した。


「あの~お名前は?」と彼女に聞かれたので答える義理もないが、名前と学年を答えたら…。彼女の表情が突然、変わった。


「それは僕の名前だよ!よく見たら僕の顔じゃないか!」と突然叫んだ。

「返せよ僕の体を!」


ん?ドウイウコト?意味が分からない。

少し考えてみる。

1・目の前の彼女は俺で俺も俺説。

2・目の前の彼女が嘘をついていて、俺は俺。

3・目の前の彼女は俺で俺が彼女だった記憶を無くしている。

4・今までの事はすべて夢。まだ俺は起きていない。


う~ん。1と3は無いな。脳内の転移など生物学的にはあり得ないフィクションだから…。

4の場合は…無いな。病院に行くレベルの睡眠障害だから。

残るのは2か。では何故、彼女は嘘をつく…。


思考していると彼女が「こんなカッコで学校に行けないよ。」とスカートを見ながら涙目になる。

俺の中身はそんなに弱々しい男では無いのだが…。

こんな茶番劇は早く終わらせておきたい。が、相手を傷つけず穏便に済ませるための情報がまだ足りない。滅茶苦茶な設定だが、もう少し付き合うか…。


「普段のあなたはどんな男なんですか?」と聞いてみた。


「僕は普通の男だよ。普通に好きな女子はいるし、背の高さや体型も平均的で普通の男さ。」と彼女は答えた。


次に「家族構成は?」と聞いてみた。

「両親がいて僕は一人っ子なんだ。」と彼女は答えた。

それは合っている…。


その他に色々と聞いてみてある程度の情報が分かったので良い解決案が浮かんだ。

が、奴によってすべてが崩される事になるとは…。

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