幼馴染と俺の縁で繋がる妹の成長記
サトリ
1章 新学期の初日
第1話 平凡な男子の日常と元気な幼馴染。
高校二年の新学期が始まった。
朝、いつもの時間、いつもの通りに目覚め、平穏で平凡な今日が始まる。
部屋で制服の着替えを済ませ、顔を洗い母親のいる一階の食卓へ…。
「新学期だけど、今日もいつも通りの時間に起きれたのね。」
母に言われ、
「おはよう、いつもと一緒だから平気だよ、母さん。」
何気ない会話をして平穏平和の朝を今日も堪能する。
これから来ると考えられる平穏を乱す奴がいるため、この一瞬を大事に生きている。
父はもう仕事に出ていて居ない。母も仕事があるから息子の起床を見届けたあと、「行ってきます」と言い家を出た。
学校に向かうため、そろそろ家を出るかと思った矢先に外から奴の声が聞こえた。
「おっはっよ~♪」
相変わらず声がでかい…。
しばらくはやり過ごすため、無視しても家のチャイムを連打しながら
「あれっ?いないのかな~。」と言いつつその行動を止める気配が無い。
仕方なく出て対応してやった。
「今日も朝から元気だな、柏野 美優(かしの みう)さん。」と俺が言うと、
「私は何時だって元気だぜ!一緒に学校行こうよ!」と元気にハツラツと答える柏野。
「丁重にお断りします。」と家から出て歩き出す。
「じゃあ!元気に行こ~。」
いつものように会話が噛み合っていない…。
「一人で行かせていただけないでしょうか?柏野さん。」と言うと
「朝から反抗期とは思春期だね~悟吏くん、可愛すぎる幼馴染を前に緊張する気持ちは分かるけど、ここは本能に従い素直になるべきだと思わないかね?」
と言われたので、
「俺は本能に従った結果、一人で登校する方が良いと判断した。」
と言いながら学校へ向かう。
登校途中からマシンガントークを繰り出している、いつもの幼馴染。
「今日から新学期だね!大好きな悟吏くんと一緒のクラスになれるといいなぁ~!」と一般人ならときめくセリフを平然と言う美優。
会話を無視するとそのときめきセリフが過剰で過激になるので、
「そうだな、そうなるといいな。」と無難にこなす。
「素直でよろしい!」
ごきげんな美優はまだまだ止まらない。
「なぜ?朝から私がこんなに元気か分かるかね。」
「ああ、お姉さんが大学に進学なされたのですね。」と察してやる。
「そうだ。私は自由だ!」
暴走するのをいつも止めて叱りつけていた柏野家、長女が大学生になり、家からいなくなったため、妹の美優は朝からキャラがブレていて崩壊気味のテンションで話していたのだ。
しかし、これは想定内のため、気にしない。
平穏な生活を望む悟吏は冷静にハイテンションガールをあしらって
これから降りかかる火の粉を払う方法を考えていた。
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