第3章 トラブルからのガクブルです!4
とりあえずディー様の所の仕事が落ち着いてるとの事で、ついでだからと御影さんと小鳥遊さんが同行してくれることになりました。
バカラ様は、もう少し構って欲しそうな顔されてましたけど、ハリセン担いだ御影さんの姿に諦めて見送ってくださいました。
すごいな、ハリセン……。
そんなことを思い出してる時でした。
「そう言えば、ガルロン様はどうでしたか?」
不意に御影さんに声をかけられました。
電動アシスト自転車と、セ○ウェイ、ロケットエンジン付きのキックスケーターが横に並んで走る光景ってシュールだよね?ちなみに私が真ん中です。
いや、そうでなく…。
「あー。一応、バカラ様の前がガルロン様のはずだったんですけどもぉ…」
そう。ディー様の次に行くはずだからと、手紙を預かったのだが、実際はまだ渡せていないのだ。
「「???」」
両側から首を傾げながら、こちらを見てくるお二人。
「……地図から消えてましてですね……。それで自動的にルート変更入って、バカラ様のとこに行っちゃってたんですよねぇ……」
しかも出たり消えたりを繰り返したと思ってたら、いきなり消失したので確認しようとしたら、バカラ様のとこに着いていたというわけでして…。
「…そっかぁ…」
「あー、察し…」
御影さんは上を向き、小鳥遊さんは下を向いた。
ちなみに前者は疲れた顔で、後者は笑いを堪えていた。
「???」
そんなまんまで少し走っていた頃、
「…うん。やっぱ、先に行っときましょう!」
と、大きな溜息をつきながら、御影さんが提案してきました。
「ん。朔っち。『万能地図』に停止かけて。んで、御影の後付いてって♪」
ニヤニヤ笑う小鳥遊さんの言葉に従い、御影さんの後に付くと、私の後ろからは小鳥遊さんが付いてきました。
「迷子防止なぁ♪」
成程、納得しました。
そうこうしながら、どれくらい走っていたのでしょうか。辿り着いた先は何も見えません。
「…行き止まり?」
首を傾げた私の目の前で、どっから取り出しているのか、御影さんの右手にまたもハリセンが掴まれていました。
「…御影さんは関西出身?」
「うんにゃ。御影は関東育ち。確か、オバサンが関西出身だったかな?」
ポソッと呟いたのに、小鳥遊さんには聞こえてた。
「御影ンチのオバサン。子供の説教も旦那の説教も、ぜぇんぶハリセンでぶっ叩きながらやってたの♪」
「……それは、習慣になりますね…」
「…だよねぇ…」
二人で会話している目の前では、御影さんがハリセン持ってウロウロ歩いてました。
「ん。あった…」
突然、立ち止まったと思えば、ハリセンを大きく頭上に掲げています。
「ガルロン様!引きこもってないで、出てきてください!!出てこないと、ぶっ壊して引きずり出しますよ!!」
「はいぃっ!?」
御影さんの言葉に驚きすぎて叫んでましたよ。
「ガルロン様。ガイア様の事好きでさ♪たっまーに冷たくされると引きこもっちゃうんだわ♪」
え?神様が引きこもっていいの?いいのか?ってか、ガイア様が好きとは??
聞かされた内容に、こちとらポカーンとなってましたが、
「ぶっ壊す!」
と言う御影さんの言葉と同時に、辺りに響き渡る破壊音と空間がひび割れていくことに、ドン引きしてました。
………御影さん。思ってたんとキャラ違う……。
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