第3章 トラブルからのガクブルです!2
「いやぁ、すまん!ガイア殿のとっから、誰か来るって聞いたの忘れてたわ!ガッハッハッ!」
胡座をかいているバカラ・バカラ様は、豪快に笑ってくださいました。
いや、忘れないで下さい。マジで怖かったんですけど、私……。
私的にかなり吹っ飛ばされましたが、バカラ様的にはほんの数歩の距離だったらしく、力尽きてハンドルに突っ伏してた私は、バカラ様に空間ごと掴まれて運ばれました。
現在は、バカラ様の目の前にあるテーブルの上に御影さんと一緒に乗せられてます。
「いやいや。忘れないようにお願いしますって、少し前に連絡しましたよね、私?」
御影さんがものすごーくニコニコしながら言ってます。ニコニコしてるのに、怖いのは何でだ?
駆けつけてくれた御影さん。そのアシはあちらの世界にあったセ○ウェイみたいなヤツでした。
何、あれ。今度乗せてもらえるか聞いてみよう……。
きっとあれも小鳥遊さんの創ったヤツなんでしょうね。
さて。落ち着いて話し出したバカラ様。
サイズで言えば、掌でブチッと握りつぶされそうなのが私。巨人だけあって、とにかくデカい。
目線が何とか合う高さなので、全体を見ることができましたけど、何て言えばいいのかな?
紀元前のローマ人みたいな格好した褐色肌の金髪角刈りのマッチョ?
予想通り、口癖が「バカな、バカなっ!」なので、名前を言い間違えるのだと、御影さんからお聞きしました。ですよね……。
とりあえず御影さんに促されて、ポストを取り出したものの、あれ?これ、バカラ・バカラ様使えないのでは?って、サイズ感。
「ああ、大丈夫ですから♪バカラ様、人差し指を置いていただけますか?」
「おうっ!」
ズイッと突き出された巨大な人差し指。それがポストに触れるなり、テーブルの上いっぱいに大きくなるポスト。
「ほわあっ!!」
「あ……」
そんな事を想定していなかった私は、ポストに押されて、テーブルの端へと追いやられ、ヒョイと身軽にポストに飛び乗っていた御影さんが思わず漏らしたかのような呟きを聞いた。
「ふ…んぐ……」
そんな私は現在、テーブルの端っこで、爪先立ちになって、落ちないように踏ん張ってます。
「すみません、朔さん!説明不足でしたっ!!」
慌てた御影さんが、手を伸ばしてくれますが、もう少しが届かなくって、
「うにゃっ!?」
頑張って背伸びした拍子に、爪先が滑った瞬間、体が宙に浮かびました。
事故死の次は転落死ぃーーーーっ!!
襲い来る衝撃に、グッと体を強ばらせたものの、フワンとした感覚に包まれました。
なんて言うんだろ。フカフカのお布団にダイブした気分?
「おうおう。無事か、細けえの?」
「……はあ…」
目を開けると私は孫悟空…じゃなくって、バカラ様の掌の上に乗っていました。
助かった……。いや、細けえのって、私?私のことですかっ!?
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