第3章 トラブルからのガクブルです!1

「いぃぃやぁぁぁーーーーーーーーっ!!!!」


 皆様、こんにちは。

 創造神ガイア・ナテラ様配下の配達人、朔です。

 現在、私は仕事の途中ですが、ハムスターボールの中のハムスターよろしく、愛車と一緒に……。


 … … な ん で や ね ん !


 愛車の周りが空間保護されてるおかげで、グルグル回ることは無いけれど、マジに怖い!ガチで怖い!!

 瓶詰めの中に浮いてる浮き(?)になったと言えば分かるだろうか?

 いつ、天地が逆転するかと、こちとらビクビクしている現在。


 何がどうして、こうなった!?


「…バカなっ!我の攻撃を通さぬだと!?」


 と、巨人様が、叫びながらも手を止めません……。

 ええ、巨人様。

 その掌からしたら、私なんざガチャのフィギュアサイズです。


 この巨人様が、バカラ・バカラ様です。


 とにかくデカい!


 デカすぎて全貌が分かりません。

 ってか、何で攻撃(?)されてんのかも、分からんしっ!!

『スマホ』に付けられてた緊急ボタンを、まさか早々に押す羽目になるとは思いませんでしたよね!


 そして私は理解したよ!

 事ある毎に「バカなっ!バカなっ!」と、口にする。

 そりゃ御影さんが言い間違えても仕方ないわ…。

 私の頭の中のメモ帳も、バカナ・バカナ様に変わりそうです。


 そもそも私が指定地点に到着し、

「初めまして!ガイア・ナテラ様配下の朔と申します。ガイア・ナテラ様からのお手紙とお荷物をお届けに参りました!!」

 って、声を出すなり、上からヌッと巨大な手が伸びてきた時の恐怖!

 愛車の空間保護のおかげで、握りつぶされることはなく、ツルンと滑るようにその手から逃れたのですが、どうもが良くなかったようです。


 ムキになったバカラ・バカラ様が何度も挑戦して、掴めないと分かってから、上から殴りつけてくるわ、踏みつけてくるわ、魔法(?)をぶっぱなしてくるわで、ガクブルでしかない。

 最終的に両手を使って、右に左にと転がし始めて下さいましたけど、その早さがですね……。

 スキルあるけど、いつ空間保護が壊れんだろうかとビクビクするくらいの早さ。あと、すんごい扱いが乱暴です。


 私、○カちゃん人形ではないよ?ガチャのSDキャラフィギュアでもないよ?


 そうこうしてる間にも、「バカな、バカなっ!!」と叫びながら、手の動きは止まりません。


「バカラ様、止まってくださーーーーいっ!!」


 涙目で必死に愛車のハンドル握りしめてると、聞き慣れた御影さんの声が聞こえてきました。


「んん?おう!んとこのお嬢じゃねえかっ!どうした?」


 ピタリと転がす手が止まりました。

 そう、いきなり止まった。つまり、反対側で受け止めていた手も止まっているという事で……。


「うぎゃぁぁぁぁああああっ!!」


 ………空間保護毎、彼方にぶっ飛ばされました、私ーーーー。







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