第2章 配達を始めます!3

 結論から言えば、最初の予想通り。銀髪銀目の男性が、創造神様でした。


「ディアル様ですね。この度、ガイア様のところに配達人として雇われました朔です。よろしくお願いします!」


 立ち上がって自己紹介をし、ぺこりと頭を下げます。


 何事にも最初の挨拶が大事なのです!


「はい。僕がの担当のディアル・マディルです。ディーって呼んでくださいね♪」


 ニコニコ笑って手を差し出されましたが、これってって事でいいんですかね?


 思わず隣の御影さんをチラ見すると、にっこり笑って頷かれました。

 ならばと、差し出された手に手を重ねると、


「よろしくね、朔さん♪」


 めちゃくちゃ人懐っこいな、この神様!ってくらいの笑顔を向け、握った手をさらに両手で握りしめて、ちっちゃい子がするみたいに、ブンブンと上下に振られました。


「は、はい。よろしくお願いします、ディーさ「人様の手をブンブン振り回すんじゃないのっ!」」


 アワアワしてる私の手は、御影さんの叫び声の後に聞こえたバシコーン!と言う音と共に自由になりました。


「ごめんなさいぃ…」


 目の前には頭を抱えてしゃがみ込んだディー様。そして、私の隣にはお怒りらしき御影さん。

 いつの間に持っていたのか、その右手にはしっかりとが握られていました。


 ……これって、アレだ……。ハリセンだ……。


 何処から何を突っ込めばよいのか、分かりません。


「懲りねえよな、ディーは…」


「仕方ねえ、だからな…」


 男性二人が頷く中、御影さんがディー様にお説教(?)を始めてました。


「毎度毎度。教えたことくらい、ちゃんと覚えるようにしなさいっ!」


「御影、ごめぇんん…」


「初対面の人相手に、初っ端からはしゃぐなって言ってんでしょうがっ!!」


「だってぇ…」


「大の男がでかい図体で、『だって』とか言うんじゃないっ!」


 ……オカンだ……。オカンがいる。御影さん、オカン属性か…。


 呆気に取られて立ち尽くす私。その肩をポンと軽く叩かれ、そちらを向けば、先程の女性がいました。


「あれ。いつもの事なんで、気にせず座ってお茶にしましょう♪」


「あ、はい…」


 こうして、奨められたお茶を飲みながら、隣で続いてるお説教を時折気にもしつつ、残りの御三方の自己紹介もしていただきました。


 プリン色の男性は小鳥遊たかなし奏太そうたさん。

 ショートマッシュが高遠たかとお明生あきおさん。

 茶髪の女性が五月さつき夢乃ゆめのさん。

 そして、御影さん。

 皆さんは中学からのとある縁とやらで、社会人になっても付き合いが続いてて、なんと死んだ時も一緒にいたんだそうです。


「なんかね。ガイア様がナナちゃんに目ェ付けてて、寿命迎えるの待ってたのに、ディーくんのに巻き込まれて、みんな仲良く死んじゃったんだよねぇ♪」


「…」


 飛んでもない内容を、夢乃さんはにこやかに軽く語ってくださいました。


 いいのか、それで……。

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