第1章 私が女神様の配達人になるまで…7
準備万端!いつでも始められる状態になりました!!
「それじゃ、最後にガイア様に確認してもらいましょうか♪」
意気揚々としていた私に、御影さんがにっこり笑って言いました。
「はい!完璧な仕事っぷりをお見せしたいと思います!!」
「んん?」
握り拳で抱負を述べたところ、御影さんに思いっきり首を傾げられました。
「…そう言えばお聞きしてませんでしたけど、朔さんはお幾つでした?」
…でした?ってことは、享年って事ですよね?
「えーと…、確か五十ですね。息子も成人しましたから…」
「……五十…だったんですね…」
ポカンってされましたよ。
まあ、そうですよね。オタク丸出しな所ありましたから、そんな年の女がオタクさらけ出すとか思いませんよねぇ…。
「じゃあ、
ところが続いて言われた言葉は、予想外な言葉でした。
二十歳前後にしてもらうとは?
「…はっ!それって、異世界転生お約束の若返りってやつですかっ!?若返りってやつですよね?」
二十歳前後となれば、働き盛りの全盛期でした!
残業残業、また残業にきれ、時間短縮する方法を考案したら、人件費削減になったとかで、賞与太かったなぁ……。
って、違う。そうじゃない!
「もちろん。今のままでも、体力的な事とかは問題ないですけど…。気分的にも外見的にも若返った方がやる気になりませんか?」
誰もいないと言うのに、耳元で囁くようにそう言われました。
「…もしや御影さん達も若返りをしちゃったのですか?」
恐る恐る伺うと、あっさりと頷かれました。
「私達の場合は、数年ばかし若返っただけですけど、今の姿は大学卒業した後くらいですね♪」
つまり、二十代前半ですか。
……私もそのくらいにしてもらおうかなぁ……。
そんな訳で、ガイア様に相談に行ったところ、
「同郷がおるのじゃ。同じ年の方が良かろう?」
こちらが言うまでもなく、御影さん達と同世代にされました。展開、早っ!
そんな訳で、私。朔としての新たな姿になりました。
生え際にチラホラ見えてた白髪は消え去り、小ジワの目立ちつつあった顔からはシワが消え、ハリツヤのある若い子特有のお肌に。
年齢に応じて出てきた段々バラも、すっきりと引っ込んでしまってます。
そして、何と言っても、
「身体が軽いっ!」
体重的なことは勿論ですが、あちこちにガタがきていて、動かしづらかった身体が、スムーズに動かせる感動と言ったらもうっ!!!!
……うん。この感覚で調子に乗って徹夜とか、不摂生かました結果があの体になったのか。今度は気をつけよう…。
そんな心配が必要ない身体になっていたとは知らずに、ただただ若気の至りを猛省してました。
「ちなみにの。妾の眷属として分かりやすく姿を変えた故、それは許せよ?」
「ふえ?」
見せられた自分の姿は、ほのかに元の姿が残っているような残ってないような。なんと言うか、整形しました?って感じでしょうか?
まあ、下の中から、上の下か中の上にランクアップされたというとこ?
際立って変化しているのは目の色でした。
「…青にも緑にも見える…」
ガイア様の両目の特徴が混ざっているような色です。不思議ぃ……。
「何じゃ?かようなことが不思議かえ?御影らとて、目の色が変わっておらなんだかえ?」
チラリと向けられた先には、にっこり笑って目を細めている御影さん。
「…普段は前の世界の姿で過ごしてますから、分からなかったと思いますよ?」
そう言って今の姿を見せてもらえば、目の色が全然っ違いました。
青みがかった銀色です。
初めて見ました。当たり前か……。
動きやすい服も用意されました。
前世ではキャップにスニーカーが通年仕様。
夏は暑さ対策に、タンクトップにラッシュガードを羽織り、ジーンズで。
冬は寒さ対策で、色々着込んだ上にダウンジャケットに指出し手袋でした。
これからは、気温差の心配はないために、好きな格好ができるとの事でしたが、そこはほら。長年の安定感と言いますか。
黒のロンTにジーンズ。腰にはターコイズブルーのワイシャツー気分で羽織ったり脱いだりするためーを巻き付け、クッションの効いたスニーカーに、頭にはつば広の黒のキャップ、となりました。
ちなみにロンTとキャップには地球の写真がプリントされてるし、もひとつオマケに、キャップは万が一飛んでっても一定距離を離れると自動的に戻ってくる機能付き。洗濯だって脱いで一振するだけで、汚れが落ちるという…ね。
着てる服まで神仕様とか、半端ないな……。
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