第1章 私が女神様の配達人になるまで…4
私が配達を始めるにあたり、必要な物を揃えていかなければなりません。
配達に必須!
確実に必要なものは『地図』です。
配達先も分からないまま、配達出来るわけないんですよ。
配達してて、ものすごーく思いました。
最新の地図が欲しい!!←切実に!
先月配達したはずのお宅が、翌月には更地になんて当たり前。
空き地があっという間に住宅地に変わった時なんて、番地が分からず、
「どーすんだよ、これ…」
って、頭抱えたことも数回。
あの時は表札に住所を入れてくださっていたお宅のお陰でものすごく助かりました。
我々メール便の配達員は、基本的に配達物はポストインのみです。
まあ、会社にもよるんでしょうが、私のとこはそうでした。
どうしても入れれない時には、支給されてる袋に入れて、玄関先の濡れない場所に置かせてもらうんですが、稀にそれも出来ないお宅もあるわけで…。
通販関係だと、配達先の電話番号とかありまして、住所分からないと、申し訳ないのですが確認のためにかけさせてもらったこともありました。
大半の皆様は、表札なくてごめんなさいとか、裏手の洗濯機の中に入れといてくださいとか言ってくれました。
時間指定されて、その時間に持ってこいと言われた時は、泣きたくなりましたけどもね……。
私、あくまでも
そして最も恐ろしいのが、同じ番地に集合している親族一同の皆様のお宅。
これがまた、親切な方は表札に家族のお名前がそれぞれ表記されてます。
非常にありがたい。投函する度に心の中で拝んでましたよ。ええ、ホントにありがや…。
親切な方なんて、一軒一軒、表札確認してるとこに来て、
「この人はあの家、こっちはそこの家ね」
なんて、教えてくださるので、支給されている地図に書き込んでいきましたよ。
おかげで地図が真っ黒になり、そこの地域の地図だけ、家で拡大して専用地図を手作りしたのも、良い思い出です…。
「……いや、それピンポン押して確認してちゃダメなんですかね?」
地図について語る私に、不思議そうに御影さんが聞いてきました。
「…ふ。宅配や郵便局だと、そんなに文句言われませんけど、私らメール便の配布員がそんなの出来ませんよ…」
実際、ピンポンしてた他社の配布員さんを見たことがありましたが、相手も悪いとこに当たったのか、
「そーやって、個人情報盗む気だなっ!」
って、怒鳴られてました。あれは、無理。やろうとも思わん…。
そーいや、昔。引っ越して直ぐに、郵便局の人に、なるべく家族全員の名前が入った表札をつけて欲しいって言われたなぁ…と、今なら理解できますけども。
とにかく、最新の地図がいつでも手に入るようにしたいのです!
そうして出来たのが、私専用の『万能地図』です。
配達先の神様の名前を登録すると、地図に場所が表示され、しかも自動的に引越し先も更新される優れもの!
急ぎの場合は、配達先の神様の現在地が表示されるという、正に神仕様の『地図』なのです!
さらにナビ付き。
以前は地図に配達先をチェックして、そこからコースを決めて…などとしてましたけど、『
………こんなん、元の世界にあったんですかね?
時代に乗り遅れていた自覚のある私には、とんと記憶にございませんよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます