第17話 スイムを救出
「スイムを返して貰ったからには、お前たちの言うことを聞く必要がないね」
「ふ、ふざけやがって!」
「どうやら痛い目見ないとわからねぇらしいな!」
「前は油断したが今度はやられねぇよ!」
三人組が鼻息を荒くさせた。そして弓持ちが弓を引き、杖持ちが魔法の準備にかかる。
「喰らえ! 風魔法・風刃!」
「武芸・三連射!」
杖持ちが前にも見た風魔法で弓持ちは前とは違う武芸だ。
「だけど関係ないね水魔法・
僕の魔法で水が盾に代わり風の刃と矢から見を守ってくれた。
「「な、何ぃッ!?」」
「水魔法・水鉄砲!」
「「ギャァアァアアァアアアア!」」
水の盾で奴らの魔法と攻撃を防ぎ水の弾丸で反撃。二人共見事にやられてくれた。
魔法は前と同じだけどよく喰らってくれるね。
「くっこいつ!」
「ビビるな全員で掛かれば」
「水魔法・水ノ鞭!」
「「「「「ギャァアアァアァアア」」」」」
鞭を振り回しただけで残りの連中が倒れていく。鞭はこれで結構痛いからね。馬鹿にしてたら怪我するよ!
「こ、こんな無能に俺らが、そんな筈あるはずない!」
残ったのは剣士ともう一人ルガだった。叫んだのは剣士。そういえばこの剣士とは結局戦ってなかったね。
彼我の距離は三メートルぐらい離れてる。抜いたのは剣だけど、攻撃が届く距離じゃない。
手持ちの武器は勿論前に見た武芸から考えても剣の紋章持ちなのは間違いないよね――
「くそこんなのに負けるかよ! 行くぜ! 武芸・跳空切り!」
ジャンプした! 前と違う武芸で一足飛びで距離を詰めて切りつけてくる。
「危ない!」
「スピィッ!?」
横に飛んで剣士の攻撃を避けた。結構距離があったから油断していた。
「ふん! 運よく避けたか! だがこの距離は俺の距離――武芸・切断強化!」
相手は前に見た武芸を使い、剣を構え再び距離を詰めてくる。それなら――
「水魔法・水剣!」
魔法で今度は杖に水を纏わせ剣の形にした。これで相手の剣戟を受け止める。
「ちっ、なんなんだそりゃ! 水に見せてどんなトリックつかってやがる!」
「別にトリックでもなんでもないよ。僕の魔法だ」
「は、この嘘つきが。だが残念だったな剣なら俺の方に分があるぜ!」
確かにまともに剣でやりあっても僕に勝ち目はないだろうね。
「水魔法・水飛沫!」
「な、ぐぉ、目に水がーーーーーー!」
だけど僕の本質は魔法だ。剣だけじゃ叶わなくても魔法を組み合わせれば活路を開ける!
「ハァアアァアアアアァアア!」
「グ、グワァアアァアアア!」
水で怯んだ相手を水の剣で切った。これで三人組を含めて全員戦闘から離脱した。
「峰打ちだよ――」
倒れた剣士に言い残して、最後の一人と向き合った。
「なるほどな。使えない水属性と思い込ませて搦手で戦うのがお前の流儀か。ゴミムシらしい卑怯でせせこましいやり方だな」
わかったような口を利くね。どれも水魔法でしかないんだけどさ。それにお前達だけには卑怯者呼ばわりされたくないよ。
「仲間はもう動けないよ。お前も観念したらどうだ?」
「プッ、グワッハッハ! 面白い冗談だな。だったらお前に絶望的なお知らせだ。俺はそいつらが束になっても敵わないぐらいには強い!」
そう言ってルガが腰の袋に手を伸ばした。そしてするすると長い槍を取り出し構える。
あの袋は魔法の袋なんだろうな。それにしてもあの槍がこいつの得物か。
「ハッハッハ。その顔随分と驚いているな。そうさ俺の紋章は槍の紋章――」
フンッ! と槍を横薙ぎしニヤリと不敵な笑みを零す。今の一振りで猛烈な風が発生し僕の髪をバサバサと靡かせた。
「槍が使えて驚いたか? 俺はこう見えてテクニシャンなのさ」
更に笑みを深めて男が構える。僕も思わず身構えた。今の言動――確かに口先だけではなさそうだよ。
「見せてやるぜ俺の妙技を! 武芸・
相手が武芸を行使。彼我の距離は五メートルは離れていたけど槍が伸びてその距離を一気に詰めてきた!
「うわっ!」
槍の軌道に驚いたけど、何とか横に飛び退いて突きを避けた。
「ほう。逃げ足だけは速いようだな。だがまだまだ!」
奴は槍の伸縮を繰り返しながら必要に突きを重ねてくる。
「スピィ!」
「う、うん、これは!」
「ハハハッ! どうだ! 相手のリーチの外から一方的に攻撃できるのが槍の強み。そこにこの武芸――つまり俺様は無敵ってことだ!」
作者より
ここまで読んで頂きありがとうございます!
宜しければフォローや★で応援頂けると嬉しく思います!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます