第303話

「ただ…………

 ディアが来てからツトム様が私を見てくれる時間が少なくなってしまわれたのが悲しいです……」


 いいっ?!


「そ、それはほら!! 人が増えた以上1人に対する時間が減ってしまうのは仕方ないことだし、新入りのディアが馴染むように気配りする必要もあるし!」


「ルルカさんを見る時間は私ほどには減っていません……」


 くっ?!

 ロザリナに指摘されたことで最近の家での様子を思い起こしてみると、俺は……


「やはりツトム様はルルカさんやディアのような胸の大きな女性がお好きなのですね……」


 意識してか無意識なのかはわからないが、ルルカとディアのお山を目で追うことが多かったようだ。


「好きなことは否定はしないが、ロザリナの胸だって大きいからな?」


 一般的にはロザリナは十分巨乳だ。我が家では1番小さいとはいえ。


「それにディアが来てから俺と最も一緒にいるのはロザリナなんだぞ」


 ディアがルルカの護衛に就くことで、冒険者としてロザリナと活動することが可能となったからだ。


「…………」


「ほら、こっちに来い」


 ロザリナが不承不承といった体で俺の膝の上へと座る。


「俺がロザリナのことをないがしろにするなんてことはないからな。心配することはないぞ」


「わ、私はルルカさんのように簡単には説得されませんからね!!」


 ルルカを納得させるのも簡単ではないのだが……

 ロザリナを抱き寄せながらその耳元へと囁く。


「知っているか? ロザリナとギルドに行く時なんか周囲から羨望の眼差しを受けてるのだぞ。

 俺みたいな少年があんな美人を連れて、ってな」


「嘘ですっ、そんなこと……」


 ちょっとだけ誇張してるものの事実ではある。


「この前の昇格試験の時の6等級パーティーの中にも、ロザリナに憧れるようになった男性冒険者が何人もいるだろうな。

 最後なんてロザリナのことを誘ってた奴がいただろう?」


「あのような誘いは全てお断りしています。今はツトム様の奴隷ですので……」


 普段ギルドでの剣の指導の時も誘ってくる奴がいるってことか。

 一度見に行くべきか。

 これまでは見に行くと強制的に剣の特訓をやらされそうで回避していたが……


「その試験の帰りに建物の脇のところでロザリナにしてもらったな。

 あんな場所でしてもらったのはロザリナが初めてだからな」


「ほ、本当ですか?」


「もちろんだ。ルルカにもあんな場所でしてもらったことはないからな」


 ロザリナが抱き付いて来る。

 なるほど。ロザリナには特別扱いを感じさせることが有効っと。


「ロザリナとパーティー行動中はさすがに自重していたのだが、今後はその必要はないようだな」


「その……、安全が確保されているのであれば、ツトム様のお相手は……、存分に……致します……」


 美人が頬を赤らめながら恥ずかしがる姿は実にイイ!!

 ロザリナとパーティーを組む楽しみもできたし、雨降って地固まるって奴かな。


 ただ、今回はこれでいいとしても今後は雨も降らせないようにしないと。具体的には家の中でもロザリナのことを見るようにしなくては。

 しかしなぁ……

 家の中のラフな格好でいるルルカとディアが身体を動かす度に服の中のアレが揺れるからなぁ、どうしても目線で追ってしまう……

 ディアはそこまでではないのだが、ルルカなんかは俺に見せ付けるようにしているフシが感じられるし。

 この辺りのアピールはロザリナはまだまだ弱い。既婚者である2人には対抗できてない感じだ。


 本当ならこの後、この山の岩石を利用して収納魔法の実験をするつもりだったけど、もうそんな雰囲気ではなくなってしまった。

 直接戦闘に関連することではないから後回しでも問題はないが。




 バルーカに帰着後、ロザリナを家で降ろして留守番の2人に今日のことを話すよう指示をした。なんとなく女性だけで話させるほうが良いような気がしたのだ。


 俺は壁外ギルドへと赴き依頼を完了させた。

 商業ギルドでの換金はミリスさんが行うと思っていたが、王都のギルドで渡された書状に書かれている名前は、壁外ギルドの所長と会計の責任者の2名でミリスさんの名はないとのこと。


 報酬を受け取り、まだ時間的に早かったので清掃の依頼を3件こなし魔法の練習をして帰宅した。




「明日もう1度王都に行こうと思う。ルルカ、付いて来てくれ」


「わかりました」


「ティリアさんの家にも挨拶に伺うからな」


「ツトムさん?」


 ルルカがプレッシャーを掛けてくる。

 しかし負けるわけにはいかない!


「こう何度も王都に行ってるのにいつまでも挨拶もしないではマズイだろう。

 この前の手紙の返事も出してないのだろ?」


「それは……その通りなのですが……」


 明日王都に行く目的はディアの首飾りを購入するためだ。

 サプライズとして渡したいので、今この本人がいる場でそれを言うわけにはいかないが。


「もう…………仕方ありませんね」


「ついでにあの酒も買っておこう。贈答用にも使えるしな」


「あの酒は美味かったな!」


「ディアは程々になさいね」


「妹達にも好評でしたよ」


 1本2万ルクの高級酒だから好評なのも当たり前だ。

 俺は酒精の強いのはちょっと苦手で、弱いのならそこそこイケる感じだ。












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申し訳ありません

今回の投稿も明日加筆修正します

午前中に行う予定です


※話数のところに加筆予定であることを表記するようにしました

 加筆完了後に表記は消します

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追記)加筆修正済

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