第299話

 翌朝、イチャイチャ後に三者三様のお山を揉みながらマッタリとしてたら、ドンドンと玄関が叩かれ、


『ごめんくださ~い』


「妹達ですね。出てきます」


「ちょっ!? 待っ……」


 ベッドから素早く身を起こしたロザリナが、パンツだけの素肌に上を1枚羽織っただけのセクシーショットで寝室を出て行く。

 もう少し肌を隠して表に出るよう注意すべきだろうか? 家の中では大いに歓迎ではあるのだが……


『姉さん!? なんて恰好をしているの!!』


『仕方ないじゃない。朝はツトム様のお相手をしなければいけないのだから』


『お盛んだねぇ。あの年齢だと凄いのだろうなぁ』


『ゼアータまで!?』


『とりあえず中に入りなさい』


 2人の女性が家の中に入ってくる物音が聞こえてくる。


 しかしまた随分と早く来たな! まだ6時過ぎだよ。

 この世界では決して非常識な時間帯というわけではないけど。


「ツトムさん、私達も身支度を整えましょう」


「今日のツトムの着る服は…………」


 そう言えばいつ頃からか、その日着る服を自分で選ばなくなったな。

 裸のままで俺に服を着せようとするルルカとディアをニンマリと眺めた。




「お待たせしました」


「ツトム様、本日はどうぞよろしくお願い致します」

「ツトム君今日はよろしくね~」


 ちゃんと身支度を整えたロザリナも交えてリビングで今日の打ち合わせをする。


 まずはサリアさんとゼアータさんを王都へと連れて行く。

 2人は王都に数日滞在するのでそのための宿を確保する。

 そして後でロザリナを連れて王都に来る俺達との待ち合わせ場所を、第三城壁の西側の城門とした。


 王都は3重の城壁に囲まれていて、王城を守護する第一城壁、貴族街と役所関連のある第一区画を囲む第二城壁、住宅街と商業施設が多数ある第二区画を囲む第三城壁、そして城壁の外側に広がる壁外区という構造になっている。

 ロザリナとサリアさん姉妹の母親(正確には義父)は第二区画に店を構えている。ちなみにルルカの親友であるティリアさんの家も第二区画にある。


 あと一応今回の王都行きに関してギルドで依頼を受けていることを2人に話した。

 別に2人とはまったく関係ない案件なのだが、『陰でコソコソと金儲けしやがって』と思われるのを嫌がっただけだ。秘密にする必要も理由もなかっただけでもある。


「宿を決めたらまずは私が2人(姉妹)の母親に会いに行くよ。

 (義理の)父親のいないところで再会できるように段取りしないといけないし、ツトム君よりは同じ女性で2人と近い年齢の私のほうが警戒されないと思うし」


 確かに俺が母親と会ったところで悪質なイタズラと思われる可能性が高いか。


「再会する場所はどうしようか? 父親が不在ならお店でもいいかもしれないけど……」


「それはダメよ。従業員が父に言うかもしれないわ」


「ご近所にも知られないほうがいいわね」


「2人は適当な場所に心当たりは…………無さそうだね」


 王都にいたのが10年以上も前となるとさすがにわからないだろうなぁ。

 食事も兼ねて高級店の個室とか? でもどの店と繋がりがあるとかこちらではわからないし……


「お母さんに聞くしかないんじゃないかな。

 王都に一番詳しいのはこの中ではお母さんなんだし」


「そうだね。そうするしかないか……」


 話がまとまったところで2人が持ってきた荷物(かなり大きい)を収納に入れる。


「それでは行きましょうか」


「ツトム様、ギルドに行かなくてもよろしいのですか?」


 もう1度ギルドでオークを回収しなければならない。


「1回王都へ往復してからギルトに行くよ」


「でしたら私は壁外ギルドにてお待ちしております」


「わかった。

 ルルカ、直接ギルドに行くから家には寄らないからな」


「かしこまりました。お気を付けて」


 俺の身体とサリアさん・ゼアータさんをしっかりとロープで繋ぎ王都へと飛び立った。




……


…………



 王都へは飛ぶのが初めてなサリアさんとゼアータさんを抱えていたので、速度を抑え休憩を挟みつつだったが、戻りは単独飛行なので目一杯飛ばした。


 壁外ギルドにてロザリナと合流する。


「昨日お話しした6等級の女性に相談への回答を伝えて来ました」


「直接か!?

 どんな反応だった?」


「素直に聞いていましたよ。

 近い内にバルーカを離れることにしますと申しておりました」


「それは良かった……んだろうな……」


「はい。戦闘面での才能があまりない子でしたので」


 それがわかっていたのならわざわざ俺らに相談する必要はなかったと思うが……

 奴隷の立場上主人の了解なしに他人に意見することはできないとかかな?


「ツトムさん! お待ちしておりました」


 ミリスさんが俺らを見つけてやって来た。

 倉庫にてオークを回収する。

 一昨日回収した分と合わせて300体を超える数になった。


「最初にこちらの書簡を受付に渡してください。くれぐれも直接解体場に持ち込むことはしないでくださいね」


 上質な紙に包まれた書状を受け取った。


「わかりました。王都の西にある出張所でいいのですね?」


 王都の冒険者ギルドは第二区画に本部があり、東と西の壁外区に出張所が設けられている。


「どちらの出張所でも構わないのですが、そうですね…………西の出張所からでお願いします。

 (買い取りの)上限に引っ掛かるようでしたら東の出張所に運んでください」


 東西の出張所の買い取り上限は500体とかだったはず。

 だけど上限の数は前日に買い取った数にも左右されるか……


「ミリスさん、この依頼って期限とかあります?」


「特に期限は設けておりませんが、数日内で完了させてください」


 仮に今日中にさばき切れなかったとしても明日また王都に行けば大丈夫だな。



 壁外ギルドを出たところでロザリナを抱いて飛び立った。

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