第201話
ひょっとしたらルルカには対人レーダーみたいなスキルも発現しているのではないだろうか?
他人のステータスが見れる鑑定のようなスキルがあれば一発でわかるのだけど、残念ながらそのような便利スキルはない。
「この3日間何か変わったことは?」
「初日の午後に城内で騒ぎがあったようで、なんでも魔物の侵入を許したとか」
「内城の入り口広場まで攻め込まれたぞ。
まぁ敵の指揮官は俺が前線から舞い戻って討ち取ったけどな!」
「さすがはツトム様です!
ツトム様の武勲は国内外に知れ渡ることでしょう!」
「そんな大げさなことになるの?!
おかしな貴族とかに目を付けられたくないからあまり名前は出したくないのだけど……」
既にどこぞの国のお姫様にロックオンされているような気もするが……
「しかしながらこればかりはどうにもならないのでは?
軍から正式に依頼を受けて動かれている以上は公式の記録に残ることですし」
そのことについては以前ロイターのおっさんにも釘を刺されたけど。
「倒した魔物の数で言えば帝国軍のほうが多いはずだし、そんなに目立ってないだろ、たぶん……」
「(個人で軍と比較している時点でおかしいことに気付いていらっしゃらないみたいね)」
「ん? 何かあるのか?」
「い、いえ、別に……
それよりもツトム様が討ち取られた敵の指揮官というのはオークキングですか?」
「いや、オークジェネラルだった」
「ジェネラルでしたらツトム様なら……」
「手強かったぞ。かなりの難敵だった」
討ち取ったジェネラルの詳細を説明する。
もちろん腕を斬り落とされたことは言わないでおく。ルルカに伝わったらまたうるさい……コホン。余計な心配をさせてしまうからな!
「…………そして俺はこの特殊な個体を"オークジェネラル高技量型"と名付けることにした」
「ジェネラルがキングクラスに……」
「俺が倒した訳ではないがジェネラルが率いていたオークリーダーも高技量型だと思う。
兵士と戦いながら俺が放った風刃を避けたからな。最後は帝国軍が数的有利を生かして囲んで倒していたが」
「リーダーすらそれほど強化されているのですか……」
ロザリナは衝撃を受けているみたいだが、俺が名付けた名称は華麗にスルーされた。おかしい……
そういえば以前2人に俺の魔法を見せた時も風刃とかの和風名称はスルーされていた。飛行魔法を教えてもらったネル先生にもスルーされていたっけ。
ひょっとしたら異世界言語スキルが機能していなくて、俺のハイセンスなネーミングが上手く伝わってないのではなかろうか? あり得るな……
「ロザリナもオークと対峙した時には十分注意するように。高技量型かもしれないからな」
「わかりました。
それで、あ、あの……、ツトム様……」
「どうした?」
「その……、お尻に、当たっています……」
そりゃあずっとモミモミしていればそうもなる。
「んっ……」
ロザリナが体勢を入れ替えて正面から抱き付いてきた。
「また、ご奉仕……致します……」
俺の耳を舐めながら囁いてくる。
既に一度して余裕のある俺は、ロザリナの背中からお尻を撫でながらちょっと意地悪してみることに。
「この後砦に戻らないといけないからな。今日はここまでとしよう」
「し、しかし、ツトム様のこちらはまだ……」
ロザリナが手で握ってきた。
「私が動きますので」
手を絶妙にに動かして刺激を与えてくる。
「ロザリナもゆっくり休みたいだろ?」
誘惑を振り切って風呂から立ち上がろうとしたところ、ロザリナが体重をかけて押さえ込んできた。
「ツ、ツトム様ぁ……」
普段割と冷静なロザリナが涙目で俺を見つめてくる。
「ひょっとしてロザリナのほうがしたいんじゃないのか?」
今度は俺の方が耳元で囁く。
「そ、そんなことは?!」
「したいのならおねだりしてみて」
「…………さい」
「聞こえないなぁ」
「ご、ご奉仕させてください!」
「もっとはっきりと言わないとわからないよ?」
両腕でお尻を揉みながら首元の辺りで感じる胸の柔らかさを楽しむ。
「ツ、ツトム様のでしてください! 私のここに……」
ロザリナは微妙に腰を動かして位置を調整している。
「まだ……ん……」
更に焦らそうとしたら強引に口を塞がれ腰を落とされてしまった。
「んっ、チュプ、ぁっ、あぁっ……チュパ、レロ……んっ、んんっ、あっ……」
ロザリナが腰を動かす度に湯が風呂の外へと溢れ出た。
…
……
…………
ん?
浴室で大変気持ち良くなった後、脱衣所を出たところで人の気配が。
知らない女性が頭を下げている。
「初めまして。サリアと申します。いつも姉が大変お世話になっております」
!!!!
そうだった! ロザリナの妹が泊まっていたんだった!
エロいことばかりに気が向いていてすっかり忘れていた!
「は、初めまして、ツトムと言います。お姉さんは良く尽くしてくれるのでこちらのほうこそ大変助かっています」
「先日も私などに大変高価な首飾りを頂きまして、厚く御礼申し上げます」
「王都に行った際のお土産でして、他の知り合いにも渡してますので軽い気持ちでお受け取り下さい」
サリアと名乗ったミディアムヘアの女性はロザリナより柔らかい表情をしているものの、姉に負けず劣らずのスタイルをしている。
若干顔を赤らめているけど…………
あっ!?
そうだよ!
こんなとこで待っていたら風呂でしていた声が丸聞こえじゃないか!
姉の痴態を聞いてたら妹ならそりゃあ恥かしくなるよ!
い、いや、落ち着け。
驚いてしまったが、俺は別に恥かしくはないし聞かれても問題ない。
なぜなら、普段ルルカとしている時はロザリナに、ロザリナとしている時はルルカに聞かれるどころか見られながらなのだ。
むしろ妹にあの最中の声を聞かれて猛烈に恥ずかしいのはロザリナだろう。
恥ずかしがっている様子をかなり期待してロザリナのほうを見てみると…………
あ、あれ?
なんか平然としてるんですけど……
恥ずかしさを隠しているような感じもしないし。
ひょっとしてロザリナのほうもルルカに見られながらしてるから耐性ができてしまっているとかか?
それにしたって実の妹に聞かれるのとは全然違うだろうに。
「サリア、部屋にいなさいって言ったじゃない」
「でも姉さん、こんなにお世話になっているのにご挨拶しない訳にはいかないわ」
「そんなのこれからいくらでも機会があるのに」
「前回泊まらせて頂いた際にも同じことを言われてその通りにしたら、結局今日までその機会はなかったじゃないの」
「むぅ」
ロザリナの膨れっ面なんて珍しい。
もしかして妹のほうがしっかりしてる系の姉妹なのだろうか?
「とりあえずここではなんですしリビングで話しませんか?
こちらも服を着たいですし」
俺はシャツにパンツ姿だし、ロザリナなんか裸体にタオル巻いただけの色っぽい状態なのだ。
「わかりましたわ」
軽く服を着てリビングで対面する。
こう改めるとなにを話したらよいものやら……
ロザリナの妹であるサリアさんに1番に聞きたいことは、先ほど聞いた姉の痴態の感想なのだけど、さすがに初対面の女性にこんなことを聞く訳にもいかない。
2番目は……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます