プロローグその3
「う~~ん??」
水はH2O
つまり水素と酸素。
両方とも大気中にある訳だから、
大気の成分を集める感じで…
「ウォーター」
!?
明らかに今までと違う感じ!
カチっと歯車が合わさったようなそんな感覚が確かにあった!
「おお!」
手のひらから水が!
慌てて飲む。
ただの水だがすごく美味しかった。
川端努 男性
人種 15歳
LV3
HP 20/20
MP 45/78
力 11
早さ 12
器用 12
魔力 22
LP 0P
スキル
異世界言語・魔法の才能・収納魔法Lv1・浄化魔法Lv1・水魔法Lv1
水魔法も習得できたし、いよいよ北西の方角へレッツラゴー!!
…
……
…………
2時間ほど(時計がないので体感時間である)歩いて線のようなもののところに辿り着いた。
丘から見えた線のようなものは馬車の轍(わだち)であり、道路とはとても呼べない薄っすらとした獣道より少しましな程度の道が南北に走っている。
ここに来るまでに犬と兎を2匹ずつ倒しレベルアップした。
川端努 男性
人種 15歳
LV4
HP 25/25
MP 86/109
力 14
早さ 15
器用 16
魔力 31
LP 1P
スキル
異世界言語・魔法の才能・収納魔法Lv1・浄化魔法Lv1・水魔法Lv1
収納魔法の中には犬と兎4匹ずつ入っている。
さて、南か北かどちらに進むか選ばなくてはならない。
南にはずっと道が続いているが見える範囲で人工物はなく、北は左のほうにカーブしていき道の西側にある森のせいでその先が見えなくなっている。
とりあえず保留にして休憩がてら魔法の練習をしてみることにする。
某錬金漫画のように地面に両手をかざし土を動かそうとしてみる。
意外になんとかなりそうな……
土を丸く固めるイメージで発射!
水魔法を習得した時と同じ感覚があり拳大の土が飛んで行った!
ステータスを見ると土魔法Lv1を習得できたようだ。
案外すんなりと習得できたので戦闘で使えるように進化させたい。
さきほどの丸く固めた土では犬すら倒せないしょぼい威力だったし。
イメージとしては槍っぽい感じで刺さるように……発射!
今度は良い感じだと思うが如何せんただ飛んでいくだけなので威力の検証ができない。
もうちょっとこう回転する感じで弾丸ぽく発射してみる。
やはり的に当てないと手ごたえが掴めない。
ここは目先を変えて複数の土槍を同時発射できるか試してみよう!
まずは2本……
次に3本……
扇状に広範囲に4本……
さらに5本と発射したところで、
「うぅ!?」
もの凄い気持ち悪さが襲ってきた!
川端努 男性
人種 15歳
LV4
HP 25/25
MP 8/109
力 14
早さ 15
器用 16
魔力 31
LP 1P
スキル
異世界言語・魔法の才能・収納魔法Lv1・浄化魔法Lv1・水魔法Lv1・土魔法Lv4
土魔法がLv4に上がっているがそれよりもMP残り8がこの強烈な気持ち悪さの原因だろう。
とてもじゃないが座っていられないので草むらに横になる。
これだけ気持ち悪くなるのではMP切れになったらどうなるのだろう?
気絶程度で済めばいいが、最悪そのまま死ぬとか……
とにかく残りMPには注意しないと、戦闘中にこの状態になったらと思うと恐怖しかない。
20分ほどであろうか。
横になって休んでいたら気持ち悪さがなくなった。
MPが少し回復したこともあるのだろう。
上体を起こしてみると、南のほうに違和感が……
よく見ると馬車が数台北へ向かって移動している。
初めての異世界人!
街か村の情報を聞こうと立ち上がる寸前で待ったをかける。
当然知ってて然るべき街や村を聞きに来るのは不審人物と思われないだろうか?
斬り捨て御免なんてこともあり得るかもしれない。
これが街中とかならともかく、魔物が跋扈する外で安易に話しかけるのはリスクが高いかもしれない。
ここはこのまま草むらに潜んで観察することにする。
段々近付いてくる馬車は荷馬車で計3台。
速度は徒歩程度で、護衛が3人荷馬車の周囲を歩いている。
護衛はいずれも男で獲物は槍持ちと剣とあと1人はよくわからない。
槍と剣が和気あいあいとおしゃべりしていて警戒している様子もない。
積み荷は布が被せてあるのでわからないが大量であることは間違いない。
なんかこうして観察しているほうが襲撃計画を立ててるみたいでよほど不審人物な気がしないでもないが、気にするのは止めよう。
あの無警戒さなら近付いて更なる情報収集も可能だが……
ここは深追いすべきではないだろう。
馬車をある程度先行させて北へ向かい道の西側にある森を超えた先を見通せる地点まで行く。
そこでも何も発見できなかったら先行している馬車を追いかけて情報を聞けばいい。
方針が決まったので馬車が先行するまでじっと待つ。
馬車との距離が開いたらゆっくりと北に向かう。
念の為に道ではなく東側の草原を歩いて行く。
50分ほど歩く間に兎を1匹倒し目標地点に到達。
北へ続く道の先には立派な城壁が見えた。
とうとう! とうとう!
人里を発見したのだ!!
異世界に来て5時間ほど、手探りで人里を求めただけに感無量である。
このまま城壁に向かって歩いて行く。
近付いてくとその大きさが実感できてくる。
東西の辺で2キロ近くあるのではないだろうか。
その中央にある城門には門番の兵士が3人ほどいる。
ドキドキしながら近付くと……
「通行料は300ルクだ」
金取るのかー
「金持ってないです」
正直に門番のおじさんに言ってみる。
「それじゃあ街の中には入れられないな」
どうする?
犬か兎の死体の売却を持ち掛けるか?
「坊主はこのバルーカに何の目的があって来たんだ?」
「!?」←坊主と呼ばれて自分が若返っていたのを思い出したらしい。
「し、仕事を探しに」
「それなら北門に行くといい。北門の外には街から溢れるように集落が広がっているからそこで職探しするといいだろう」
外にも街が広がっているのに壁内との往来を制限してるのはなぜなのだろうか?
「わかりました!」
疑問に思いながらも西に向けて移動しようとすると、
「坊主待て!」
「!?」
「北門には東門回りで行くのが安全だぞ、西回りは森が近いので危険だ」
「色々ありがとうございます!」
慌てて東門に向けて移動する。
しばらく歩き、「ふぅ~」とため息を吐いた。
初めての異世界人との接触ミッションを何とかクリアしたぞ。
親切な人で助かった。
緊張して意識してなかったが異世界言語スキルがきちんと機能していたらしく普通に会話できたな。
それに貴重な情報も入手できた。
貨幣の単位は『ルク』
この城壁都市?街?は『バルーカ』
初会話で上々の成果であろう。
城壁の南東の角で左に曲がり北上していく。
人里に辿り着いた安心感からか、先ほどから空腹を覚えて仕方ない。
太陽の位置から現在の時刻は午後1時ぐらいだろうか?
朝から歩き詰めだし何も食べてないから仕方ない。
まさか太陽の位置で時刻を推測する事態になるとはな。
東門は南門とは違い人の往来が多かった。
門番のおじさんが親切にしてくれたのは南門が暇だったからではなかろうか?
東門から東に伸びる道は今まで歩いてきた道と違い、幅広く歩きやすい感じに整備されてる。
「!?」
門を出て東に向かっていく乗合馬車の中に獣人らしき人が!
あの頭に生えてる犬耳らしきものは間違いない!!
興奮を抑えながら東門を通過して城壁の北東の角で再び左に曲がる。
「おおおお!!」
北門から広がる街並みは想像以上に北の方角に広がっていた。
1階建ての建物と2階建ての建物半々ぐらいの割合だろうか?
木造建築が多い。
この門の外の街だけで人口1~2万ぐらいありそうだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます