第3話

 結局包囲網は敷かれておらず、壁外区への出入口付近で兎と犬を狩り続けレベルが上がったところで終了した。



川端努 男性

人種 15歳

LV7


HP 44/44

MP 115/195


力  21

早さ 24

器用 27

魔力 56


LP 3P


スキル

異世界言語・魔法の才能・収納魔法Lv2・浄化魔法Lv1・水魔法Lv1・土魔法Lv4・投擲Lv1・敵感知Lv1



犬…5匹

兎…12匹

ゴブリン…7体



 ギルドでゴブリン以外を売却して受付のお姉さんに教えてもらった北にある宿を見に行く。


 所持金160ルク→8,810ルク


 10分ほど歩くと複数の宿が集まってる区画に辿り着く。


 脇道で出てる屋台でパンに肉が挟んであるホットドッグのようなものを買って食べてみると案外おいしかったので複数買って収納しておく。時間を置いて出してみれば収納の中で時間経過してるかどうかがわかるだろう。

 屋台の人に聞いたオススメ宿に行ってみる。

 朝食付きで個室が2,500ルク、相部屋(4人部屋)で1,500ルクなので個室を選んだ。


 所持金8,010ルク→5,510ルク


 指定された部屋に入ると3畳ほどの空間にベッドと小さな机と椅子がある。

 布団は綺麗そうだが念の為に浄化魔法をかけ服を脱いで布団に入った。



 色々あり過ぎた異世界初日だったが夜ベッドで寝れる結果は良く頑張ったと言えるのではないだろうか!




 まだ暗い内に目が覚める。


 昨日はさすがに疲れたのかベッドに横になってすぐ眠ってしまった。


 収納から屋台で買ったパンを取り出してみる。

 まだ暖かい。

 朝食は日の出からと言われたがあと何時間かわからないので、取り出したパンを食べる。


 昨日買ったコップで水を飲み一息ついてるとMPが満タンなことに気付く。

 もったいないので少し魔法の練習をしよう。


 草で切った手に回復魔法をかける。

 何度か試すものの反応なし。

 昨日魔法を習得した時はもっとイメージをこう…

 傷が塞がり元の状態を思い浮かべながら…


 何度も試して昨日幾度か感じた歯車が噛み合った感覚を覚える。

 見ると手の傷は消え、回復魔法Lv1を覚えた。



川端努 男性

人種 15歳

LV7


HP 44/44

MP 165/195


力  21

早さ 24

器用 27

魔力 56


LP 3P


スキル

異世界言語・魔法の才能・収納魔法Lv2・浄化魔法Lv1・水魔法Lv1・土魔法Lv4・回復魔法Lv1・投擲Lv1・敵感知Lv1



 収納魔法がLv2になってるし投擲Lv1も覚えている。

 投擲スキルは剣ゴブにこちらの錆びた剣を投げた時に習得したのだろうな。



 さて…、日の出はまだみたいなので異世界における目標を決めよう。


 もちろん…男ならハーレム目指すでしょ!!


 いや、待つんだ。


 ハーレム自体に異論はないが、俺はここで『年上ハーレム』を目指したい!!


 何故かって?


 それは日本にいた頃の俺の女性歴(←言うほどのものはない)に由来する。


 男子高から進学した俺は大学で初めての彼女が出来た。

 同学年で可愛い子だったがHは消極的でお胸様も消極的だった。


 それでも人生初めての恋人に舞い上がっていたのだが、その興奮が冷めてくると彼女に尽くす日々を段々と苦痛に感じ始め、徐々に距離が開いていった。


 半年過ぎて別れ話を切り出してあっけなく破局した。後から聞いた話によるとこの時既に彼女には新しい彼氏が出来ていたらしいのだが、別れ話をするもっと前から実質的には終わっていたのでなんとも思わなかった。


 2人目の彼女は社会人になってから、関連企業の年下の子だった。

 スタイルの良い可愛い子でHもやや積極的だったが年下ということで自然と俺を頼る形になり、息苦しさを感じ始めた俺は別れ話を切り出した。

 彼女自身は上手くいっていたと思ってたらしく、泣き出してしまってかなり大変だった。

 すごく申し訳ない気持ちになったが、別れてから3ヵ月もしない内に彼女の結婚話が人づてに聞こえてきたので安堵した。


 男女の付き合いはそんなもんとか男性が女性に尽くすのは当たり前と言った意見もあるだろうが、個人の嗜好なのでどうしようもなかったのだ。


 その後風俗(お風呂)に通い始めたのだが、何度目かの中級お風呂屋さんで嬢に、


「お兄さんはエステのほうが合ってるよー」


 と言われ試しに行ったエステで「これだ!」と開眼してしまった。


 本番こそないものの、年上女性の至れり尽くせりのご奉仕にメロメロになってしまったのである。


 もちろん女性はお仕事として奉仕してるのは百も承知なのだが、会社の先輩の年上の奥さんが甲斐甲斐しく旦那の世話を焼いてるのとかを見て憧れてしまった。


 しかし30歳近い自分が年上の交際相手を探すのは難しかった。

 大概結婚してるか結婚自体を諦めている好みではない人かの2つのパターンしかなかった。

 婚活パーティーやコンパに参加すればまた違ったのだろうけど、「そこまでしてまで」という想いもありそのまま運命の日(昨日のこと)を迎えたのである。



 理由を語ったところで『年上ハーレム』を目指す為に具体的な計画に移りたい。


 まず肝心の女性をどうするかだが、自分で口説き落とすなんて無謀でしかないので、ここは奴隷を購入したいと思う。倫理や人権がどうとか色々あるだろうが国が認めてる制度を利用するのは何も問題ないというスタンスでいきたいと思う。


 どのぐらいの値段になるのかわからないが、すぐにどうにか出来るとはとても思えないので、壁外区で奴隷を扱う店を探したり色々情報収集すべきだろう。


 次に問題なのは住居だろう。

 さすがに宿屋でイチャイチャできないので家を借りる必要がある。

 これも家賃など情報収集の必要ありだ。


 やはりというか最大の課題は金策ということになる。

 当てがない訳ではないが成果は疑わしいので地道に稼ぐ必要がある。

 

 気が付くと日の出を迎えて明るくなっている。

 浄化魔法を使って体を清潔にし服を着て食堂に向かった。




 宿を出て北に向かう。

 建物が途切れ草原が遠くまで広がっている。

 西側のような防柵はなく、西に森、東に麦畑が見える。


 お!


 冒険者が角兎と戦っていた。


 一撃で仕留められてないのを見ると、さては見習い冒険者だな!


 何度か斬り付けて兎を倒した冒険者は既に倒していたらしい兎と合わせて2匹担いで壁外区に戻っていく。

 昨日から何度か兎を担いでギルドに向かう冒険者を見かけたがかなり大変そうである。

 収納魔法の有難さを実感すると共に、手ぶらでのこのこ狩場に来る俺を彼らはどう見るのだろうか?

 ダミーのバックぐらい持つべきかもしれない。


 新たに2人の冒険者が狩りを始めそうなので、西の森方向に移動して狩りをすることにする。

 目の前で収納魔法を見せ付けて彼らをいたずらに刺激しないように配慮した。



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 ちなみに、冒険者側から見たツトムは、


「マジかよ……、防具も武器もなしに普段着で森に行くなんて正気か??」


 お互いの考えがわからないのは幸せである。

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 しばらく歩くと敵感知に複数の反応があった。


 敵感知は方角しかわからないので昨日から不便に思ってた俺は他に有効そうなスキルを探してみる。

 だが見つからなかった。

 LPを使えばスキル自体のレベルを上げられるみたいだが……

 ゲームでよくある、低レベルの内は上がりやすく高レベルになるほど上がりにくい仕様に備えて低レベルのLP消費してのレベルアップは控えるべきだろう。

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