第30戦記 氣

 ついに対峙した二大スーパーアーマード・ギア。


 これから一体どんな戦いが始まるのか、誰も想像はつかない。




【ネオ新宿区 都心近郊】


 最終自衛隊と機甲十字軍が戦闘をしている片隅で、三人の半グレがたむろしていた。


半グレA「へっ、チョロいチョロい…」


半グレB「違法ダウンロードで手に入れた黒い凶星のアーマード・ギアの写真が、ロボットオタクにこんなに高く売れるとはよ…」


半グレC「世間や宇宙連邦政府の連中は大騒ぎしているが、俺たちにとっちゃ騒がしい方が資金源しのぎが増えるってもんだぜ‼︎」



「ドガァァァァァン‼︎」



半グレA「おっと…‼︎ 俺たちまで黒い凶星の呪われるのはゴメンだぜ‼︎ そろそろ、ずらかるぞ‼︎」


「ザッ…」


半グレB「あぁんっ…⁉︎ 何だぁ、お前らは…⁉︎ どきやがれっ‼︎」


 半グレたちの目の前には、ブラドスとブラディスト教団員たちがいた。


半グレC「おうっ‼︎ どこの誰だか知らねぇがなぁ…、「新歌舞伎町しんかぶきちょう三獅子さんしし」を舐めんじゃねぇぞ‼︎」


ブラドス「血浄せよ…」


B・D教団員「エル、ブラドス…」


半グレA「おいっ‼︎ あんまふざけてっとタダじゃ………⁉︎」


B・D教団員「エル、ブラ、ディカ、ステス…‼︎」


半グレB「うわぁ…⁉︎」


半グレC「何だコイツらは…⁉︎」


半グレたち「ぎゃあぁぁぁぁぁぁっ‼︎」


 ブラディスト教団員は三人組の半グレを大鎌で殺害した。


ブラドス「フッフッフ…、の戦い、見ものよの…」


 ブラドスが見つめるその先では、ジェネバスターとデア・シャッテン・ローゼが激戦を繰り広げていた。



ミア「はぁぁぁっ、Zファウスト‼︎」


杏花「おりゃあぁぁっ、Gナックル‼︎」


「バリバリバリィッ…‼︎」


 デア・シャッテン・ローゼの紅いオーラをまとった拳とジェネバスターの青白いオーラをまとった拳がぶつかり合い、辺りに激しい稲妻が走った。


 次の瞬間ミアは飛び上がり、デア・シャッテン・ローゼの拳を構えた。


ミア「Zケッテン・ファウスト‼︎」


萌「鎖に繋がれたまま腕を飛ばしてきたよ‼︎」


杏花「直接殴る方が得意だけど、撃ち落としてやるわ‼︎ Gマグナム‼︎」


 杏花も負けじとジェネバスターの右腕を切り離して射出し、デア・シャッテン・ローゼの腕に当て、その後右側の二の腕部分を上に上げて射出した右腕を戻した。


杏花「やった‼︎」


 だが、ミアは弾かれた右腕に繋がれた鎖を鞭のようにしてジェネバスターに叩きつけた。


G・T「あぁぁっ‼︎」


ミア「まだまだ武器の応用力が足りんな…‼︎」


麻里奈「頭脳の応用力なら、拙者も負けぬ‼︎ 次は拙者と‼︎」


萌「あたしと‼︎」


明日美「私の番ね‼︎」


麻里奈「萌お嬢、明日美殿、バイオマイグレーションを応用して神速三段突きを仕掛けるでござる‼︎」


萌・明日美「OK‼︎」



麻里奈「まずは萌お嬢が牽制攻撃を‼︎」


萌「任せて‼︎ GマイクロミサイルにGバルカンをセットであげるね‼︎ それそれそれー‼︎」


 萌はジェネバスターの背部からGマイクロミサイルを一斉発射し、Gバルカンでデア・シャッテン・ローゼに牽制を仕掛けた。


ミア「そんな攻撃、避けるなど造作もない‼︎」


 ミアが軽々と大量のGマイクロミサイルとバルカンを回避していたところ、麻里奈はジェネバスターの両手の指を前に差し出した。


麻里奈「バイオ、マイグレーション‼︎ お次は拙者が‼︎ Gパルスウェーブ、照射‼︎」


ミア「何っ⁉︎ 機体がっ…⁉︎」


 麻里奈はジェネバスターの両指先からGパルスウェーブを放ってデア・シャッテン・ローゼの動きを封じ、先程萌が放ったGマイクロミサイルの残りを命中させた。


ミア「くっ…、だがこんなものはダメージの内に入らない‼︎」


麻里奈「明日美殿、トドメでござる‼︎」


明日美「バイオ、マイグレーション‼︎ 任せといて、麻里奈ちゃん‼︎


 Gバスターライフル、エネルギーフルチャージ‼︎」


 明日美はGバスターライフルをジェネバスターの両手で構えて、目標をミアのデア・シャッテン・ローゼに向けた。


明日美「一発キツいのお見舞いするわね、黒い凶星さん‼︎


 ターゲットロックオン、Gバスターライフル最大出力、ファイヤー‼︎」


 明日美はGバスターライフルを最大出力で発射した。だが次の瞬間…。


ミア「うぉぉぉぉぉっ‼︎」


 ミアはデア・シャッテン・ローゼからを放出してGパルスウェーブを振り払った。


ミア「さっきは不覚を取ったが、今度はそうはいかんぞ…、明日美‼︎ ライヒ・デア・ゼーレ、全開‼︎」


 ミアはデア・シャッテン・ローゼの全身に紅いバリアフィールドを展開させ、Gバスターライフルを無効化した。


明日美「そんな…⁉︎」


萌「えーっ、ビームが効かないの?」


麻里奈「せ…、拙者の神速三段突きが〜〜〜…」


 自分の考え出した戦法を破られて麻里奈は少し落ち込んだ。



ミア「バイオフィードバックシステムを応用するとは、油断ならん頭脳の持ち主だ‼︎

 だが、今のお前たちでは3連続がのようだな‼︎ 今度は私の番だ、Zラキータ、斉射‼︎」


 ミアはデア・シャッテン・ローゼの背部からミサイルを大量に発射した。


杏花「来るわ‼︎ 麻里奈、ECMよ‼︎」


麻里奈「承知‼︎ ECMの舞‼︎」


 麻里奈はECMを発動し、ミサイルの軌道を反転させた。


ミア「甘いな、ECMテーケ‼︎」


 ミアはECMを発動し、ミサイルを軌道を再び戻した。


麻里奈「なぬっ⁉︎ あのアーマード・ギアにもジャミング機能が搭載されているとは⁉︎」


ミア「Zマシーネン、Zゲヴェーア、同時連続発射‼︎」


萌「ジェネバスターみたいな実弾兵器に…」


明日美「ビーム銃まで…⁉︎」


G・T「くっ…、ああっ…‼︎」


 ミアはバルカン砲とビーム銃を同時に連続発射した。同時攻撃でジェネバスターは少し損傷した。



直虎「この武器のバリエーション…、あれはジェネバスターと同じコンセプトでのかしら…?」



ミア「まだこれで終わりではないぞ‼︎」


杏花「悠理、こうなったらムラクモソードで一気にぶった斬ってやんなさい‼︎」


悠理「分かった、ムラクモソード‼︎」


 悠理はムラクモソードを取り出し斬りかかったが、全く当たる様子がない。


悠理「はぁぁぁぁ、はぁっ…、やぁっ‼︎」


ミア「フッ…、太刀筋がまるで素人だな」


杏花「ちょっと悠理‼︎ この前、魔光牙を倒した時みたいにしっかりやんなさいよ‼︎」


悠理「そんなこと言われても…、敵の動きが速すぎるよ‼︎」


明日美「悠理くん、敵の動きをしっかり見れば大丈夫よ‼︎」


ミア「デア・シャッテン・ローゼの額の鎖は、ただの飾りではないぞ‼︎Zシュテンゲル‼︎」


G・T「ああっ…‼︎」


 ミアはデア・シャッテン・ローゼの額の鎖を自在に伸ばし、鞭のようにしてジェネバスターの足に引っかけたあと、胴体部分にグルグルと巻き付けた。


ミア「エレクトマグネティッシュ・シュトローム‼︎」


 ミアはデア・シャッテン・ローゼのZシュテンゲルから電流をジェネバスターへと流し込んだ。


G・T「あああああっ…‼︎」


萌「う…、動けない…‼︎」


麻里奈「せ…、拙者のバスター3の電子拳法、電磁パルス拳みたいでござる…‼︎」


ミア「ムラマサブレード、チェストブレイド‼︎ はぁぁぁぁぁっ‼︎」


悠理「よ…、避けられないっ…‼︎」

 

G・T「あああああっ…‼︎」


 チェストブレイドが直撃し、ジェネバスターは大きな損傷を負った。



十字軍兵たち「おおっ、決まった‼︎」



最終隊員たち「つ、強い…‼︎」



萌「ご、5連続で攻撃…⁉︎」


明日美「バイオフィードバックシステムをかなり使いこなしているようね…‼︎」


麻里奈「拙者たちは5人で息を合わせてバイオマイグレーションで連携していくのに対して、相手は一人でそれを完結できる分、バイオフィードバックシステムの熟練度はあちらが上でござるな…‼︎」


杏花「ねぇ、直虎‼︎ アイツ、さっきバリアみたいなので攻撃を防いでいたけど、ジェネバスターには防御用の装備はないの⁉︎」



直虎「あるわよ‼︎ 「スピリットフィールド」よ‼︎」



G・T「スピリットフィールド⁉︎」



直虎「バイオフィードバックシステムを応用した、あなたたちの精神力をエネルギーに変換して放出させるバリアよ‼︎ 精神力が強ければ強いほど、そのバリアは強固なものになり攻撃手段としても使えるわ‼︎」


萌「王道バトル漫画でよくある、身体からオーラを出すみたいな…?」


悠理「バイオフィードバックシステムって便利なんだね。」


直虎「芸能人をやってる麻里奈と明日美なら、イメージを掴みやすいと思うわ‼︎

 芸能人オーラを出すためには、身体中の毛穴からオーラを出すなんて言われてるでしょう⁉︎

 それと似たような感じで、身体の内側から外へ向かって光を放出するイメージを思い描くのよ‼︎」


明日美「うんうん…、とっても分かりやすい例え」


麻里奈「ごもっとも」


直虎「黒い凶星の紅いバリアも恐らくはスピリットフィールドと同じ原理で発動しているわ‼︎ 精神力を消耗するバリアだから使い過ぎには注意するのよ‼︎」


杏花「了解‼︎ ところで直虎、さっきからジェネバスターの装甲が少しづつ修復されているような気がするんだけど、これは何?」


直虎「ああ、それは、私もまだまだジェネバスターについてはよく分からないことが多いんだけれど、ジェネバスターの装甲は「リジェネシス装甲そうこう」っていう特殊な材質の装甲でできていて、自己修復および自己供給機能である「リジェネシステム」が備わっているのよ‼︎」


杏花「自己修復と自己供給までできるの⁉︎」


萌「至れり尽くせりってやつだね」


直虎「見たところ、黒い凶星のアーマード・ギアもリジェネシステムを備えてるみたい。今まで受けた損傷箇所が修復されていってるわ‼︎


 ただ、いくら自動的に修復できるとは言っても、敵の攻撃が強力であれば自己修復が追いつかなくなったり、自己修復する前に機体が破壊されてしまうこともあるからそこは要注意ね‼︎もちろん、エネルギーの使い過ぎもよ‼︎」


明日美「過信は禁物ということね‼︎」


直虎「そう…。ちなみに話は戻るけど、この中で一番精神力、が強力で放出量が多いのは悠理くん…、あなたよ‼︎」


悠理「僕がですか…⁉︎」


杏花「はぁ…⁉︎ クラスの悪ガキに殴られて、やり返す度胸もない悠理が…⁉︎」


直虎「悠理くんのバスター1はプラズマエネルギーを放出するタイプのアーマード・ギアでしょ⁉︎

 それを扱えるあなたはを放出させて武器にできる素質が最も高いわ‼︎ まだあなたの中にが眠っているだけよ‼︎」


萌「悠理くんガンバ〜」


麻里奈「悠理殿、お主もつわものでござる‼︎」


明日美「悠理くん、自信をもって‼︎」


悠理「自信をもつか…、自信ってどういうものなんだろう?」


直虎「大丈夫よ、悠理くん‼︎ 自分を信じて‼︎ 自分の内側にある光が出るイメージを持つのよ‼︎」


悠理「はいっ‼︎ うぉぉぉぉぉっ‼︎」


G・T「はぁぁぁぁっ、スピリットフィールド、発動‼︎」


 悠理が氣を放出すると、他のGトルーパーズたちも氣を放出してスピリットフィールドを発動させることに成功した。


 ジェネバスターの機体全体が蒼白いオーラで包まれている。



直虎「やったわ‼︎ やはり悠理くんから一番強い氣が測定されているわ‼︎」



ミア「くっ…、すさまじい氣だ‼︎ だが、こちらも負けてはいない‼︎ はぁっ、ライヒ・デア・ゼーレ発動‼︎」


 ミアも氣を放出してライヒ・デア・ゼーレを発動し、機体全体を紅いオーラで包み込んだ。



ミア「行くぞ‼︎」


麻里奈「いざ‼︎」


ミア&G・T「参る‼︎」



ミア「はぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」



悠理「うぉぉぉぉぉぉぉ‼︎」



 ミアと悠理は互いにムラマサブレードとムラクモソードを取り出し、バリアフィールドを展開しながら突撃を開始した。



 、二つのする氣と氣、力と力のぶつかり合いの勝敗の行方は?




【次回予告】


ナレーション:田中二郎たなかじろう


 1年D組、雪月萌の担任、田中二郎です。地味な私のことなんか、どうせ覚えてもらえないんですよ〜〜〜…。


 雪月たちの戦いもいよいよ佳境を迎えるみたいですね。はたして勝敗はどうなるやら…。


 ん…、新しい敵…⁉︎


 あれは一体何なんでしょうか⁉︎


 次回、宇宙創戦記XTENTION‼︎


 【第31戦記 光と闇】


 と言うお話だそうです。私も一応楽しみにしてます、はい…。

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