第19戦記 波動合神‼︎ 最終決戦兵器、波動氣神ジェネバスター‼︎
ジェネバスター起動の承認を得るため、富士山は国会議事堂へ赴いたが、徳川らの反論により可決は難航していた。
そんな中、一人の男が机を叩いて勢いよく立ち上がった。
【国会議事堂 本館】
阿蘇部「この期に及んでまだ自らの保身を優先させるおつもりか⁉︎」
徳川「…っ⁉︎」
阿蘇部「敵はすぐ目の前まで来ているのです‼︎ こうしている間にも魔光牙によって街は破壊され、街の住民たちが危機に晒されているのです‼︎
あなた方は、自らの保身のために街や住民たちを犠牲にできますか⁉︎」
脇坂「うっ………」
阿蘇部「守るべきは保身よりも、平和を望む人たちの命ではないのか‼︎」
小早川・朽木・赤座・小川「………」
阿蘇部のキレのあるツッコミ「阿蘇部節あそべぶし」が炸裂し、徳川らは反論できずにいた。
徳川「では…、万が一の時は責任を取られるおつもりであると捉えてよろしいですかな…?」
阿蘇部「何かあれば私が説明責任を負おう」
脇坂「であれば…、あとは総理にお任せしましょう…」
徳川「フフフ…、これで我らが付け入る口実ができた…」
脇坂「全く…。みなさん、頼みますぞ…」
小早川・朽木・赤座・小川「はい…」
【ネオ新宿区 都心近郊】
その頃、Gトルーパーズと隊員たちは魔光牙に苦戦しながら、承認を今か今かと待ち堪えていた。
最終隊員A「数が多すぎる…‼︎」
魔光牙「グァァァ‼︎」
G・T「わぁぁぁぁ…‼︎」
大型の魔光牙は鋭い爪を振り回した。
少年「このままじゃまずい…」
萌「そろそろ合体しないと…」
麻里奈「機体がもたぬでござる…」
明日美「私も限界かも…」
杏花「直虎、承認はまだなの⁉︎」
直虎「まだだわ‼︎ 長官、早く…‼︎ これ以上は…‼︎」
富士山「諸君、聞こえるか⁉︎」
富士山の声がスピーカーから鳴り響いた。
G・T「…⁉︎」
直虎「長官、承認が下りたのですね‼︎」
富士山「みんな、待たせてすまない‼︎ 総理、承認ボタンを‼︎」
阿蘇部「最終決戦兵器、波動氣神ジェネバスター‼︎ 起動、承認‼︎」
阿蘇部は国会議事堂の議長席に隠された承認ボタンを右手の人差し指で勢いよく押した。すると、最終自衛隊総司令部の司令室のモニターに、「波動合神」という文字が表示された。
オペレーターA「最終決戦兵器、波動氣神ジェネバスター、起動承認が下りました‼︎」
オペレーターB「起動キーを解除‼︎ いつでも合体可能です‼︎」
直虎「了解‼︎ Gトルーパーズ、メインモニターの下、中央にあるハンドルを右に回して‼︎」
G・T「
Gトルーパーズは、メインモニターの下の中央部分にあるハンドルを右に回転させた。すると、それぞれのアーマード・ギアの光球が光り出し、メインモニターには「Genesic Formation」という文字が表示された。
直虎「チェンジ、ジェネシック・フォーメーション‼︎」
直虎のかけ声とともに空中に巨大な光の球体が出現し、Gトルーパーズは中へ吸い込まれた。
魔光牙「グァァァ…⁉︎」
オペレーターA「何が始まるんだ…⁉︎」
杏花「何、この感覚⁉︎」
麻里奈「世界が壊れていくでござる…」
萌「だけど、新しく何かが生まれるようなワクワク感がある…」
明日美「世界の終わりと始まりを同時に見ている気分…」
少年「心地いい…」
光の球体の中でGトルーパーズのアーマード・ギアが細かくドット絵のようにパラパラと分解されると、バスター1は胴体に、バスター2は右腕に、バスター3は右足に、バスター4は左足に、バスター5は左腕にそれぞれ変形し合体した。
合体したあと、光の球体は消えた。
少年「ここは…⁉︎」
杏花「コクピットの中…⁉︎」
麻里奈「5人が一堂に会しているでござる‼︎」
萌「天井には大きな球体…、目の前には大きなモニターがあるよ‼︎」
明日美「複座式のコクピットのようね」
気がつくと、Gトルーパーズはジェネバスターの胸の球体がある部分に集められていた。
コクピットは複座式で左から萌・杏花・少年・麻里奈・明日美の順にメインモニターの前に配置され、バイオフィードバックシステムのワイヤレスセンサーは天井にある球体にそれぞれ接続されていた。
目の前にはそれぞれのアーマード・ギアに設置されていたものと同じ形のコントロールバーがあり、コントロールバーの両サイドにはレバーがあった。
直虎「両サイドのレバーを前に押して、ジェネバスターを起動させて‼︎」
G・T「ジェネバスター、起動‼︎」
Gトルーパーズが両サイドのレバーを前に押すと、ジェネバスターの背部に光輪をかたどったバーニアとブースターが現れ、左腰部分には刀剣が出現し、額部分からは太陽をイメージした前立てが現れた。
G・T「波動合神‼︎ 最終決戦兵器、波動氣神ジェネバスター‼︎」
ジェネバスターは地上に堂々と降り立った。その立ち姿は、戦国時代を強く逞しく生き抜いた何者も恐れぬ勇壮たる武士のようであった。
富士山「ついに合体したか…‼︎」
直虎「波動氣神…、ジェネバスター…‼︎」
最終隊員B「何と勇ましい…‼︎」
その場にいた誰もがジェネバスターの勇姿に見惚れていた。
少年「これが…」
杏花「波動氣神ジェネバスターね…」
麻里奈「これぞ日の本一の
萌「カッコいい…‼︎」
明日美「惚れ惚れするわ…‼︎」
魔光牙「グァァァ…‼︎」
直虎「おっと…、見惚れている場合じゃない‼︎ Gトルーパーズ、ジェネバスターについて手短に説明するわ‼︎
ジェネバスターは合体型のスーパーアーマード・ギア。あなたたちの専用アーマード・ギアが一度原子レベルまで分解されてから再構成・変形をして巨大なパーツとなり、組み合わさって合体したのがジェネバスターよ。
コクピットは複座式で、あなたたちの専用アーマード・ギアと同じようにバイオフィードバックシステムが搭載されていて、メインのOSとリンクしているわ。
操縦方法もそれぞれ専用のコントロールバーで操縦・戦闘が行えるように設計されているわよ。」
杏花「確かに、操縦方法は変わらないみたい」
直虎「ジェネバスターにもあなたたちの特性を活かせる武器が装備されているからね。武器の種類や戦い方については、戦いながら覚えていく方が早そうね。
今までの戦い方を見ている限り、あなたたちならきっと自然と使いこなせるようになるはずよ。
役割分担しながら状況に応じ、上手くパイロットと武器を切り換えて戦うのよ」
萌「どうやって切り換えるの…?」
直虎「切り換え方は簡単よ。あなたたちの目の前にある操作パネルの右上の緑のボタンを押せばいいの」
麻里奈「ほほう、これもバイオフィードバックシステムの応用でござるな」
直虎「そう、それがバイオフィードバックシステムを応用した「バイオマイグレーション」よ。
一つの機体、一つのコクピットで複数のパイロットが戦闘のあらゆる記録・情報などを直前のメインパイロットから引き継いで継戦させることができるわ」
明日美「私たちみんなで一つということね」
直虎「そういうこと。あなたたちの結束力が強くなるほどバイオマイグレーションの精度も上がるわ。みんな、頑張って‼︎」
G・T「
Gトルーパーズは大型の魔光牙との戦闘に取りかかった。
杏花「まずは私から‼︎ Gナックル‼︎」
魔光牙「グアァ…‼︎」
杏花「お次にGキィーック‼︎」
魔光牙「グアァァァァ‼︎」
杏花は強烈なパンチを繰り出し大型の魔光牙をよろめかせたあと、鋭い飛び蹴りを当てて大型の魔光牙を地面に倒した。
麻里奈「敵の分析は拙者にお任せあれ‼︎ Gスキャナー、サーモグラフィックモード発動‼︎」
「ピピピピピピピピ………。」
麻里奈がGスキャナーを発動させると、ジェネバスターのモノアイから大型の魔光牙に向かって赤外線レーザーが照射された。
麻里奈「スキャン完了‼︎ 弱点は胸の中にある
明日美「ありがとう、麻里奈ちゃん‼︎」
萌「次はあたしと明日美ちゃんの番だね。ターゲット、マルチロック‼︎ Gホーミングミサイル、発射‼︎」
魔光牙「グアァ…‼︎」
萌は背部の光輪から誘導式ミサイルを発射し、全弾を大型の魔光牙の背中にある複数の角に命中させた。
杏花「かなり効いているわ‼︎」
明日美「次は胸ね。Gバスターライフル、発射‼︎」
魔光牙「グアァァァァ‼︎」
明日美がGバスターライフルを大型の魔光牙の胸に命中させると大型の魔光牙は胸の
明日美「弱点が露出したわ‼︎」
萌「でも、少し様子が変だよ…」
魔光牙「グアァ…、グアァァァァッー‼︎」
G・T「あぁぁぁぁぁっ‼︎」
大型の魔光牙は目をさらに赤く光らせ、爪を振りかざしてジェネバスターに襲いかかった。全身が赤みを帯びて熱を発し、周囲の温度が上昇し始めた。
杏花「アイツを怒らせてしまったようね…‼︎」
麻里奈「凶暴性と攻撃力が増しておるでござる‼︎」
最終隊員C「コクピットの中も熱くなってきたぞ‼︎」
直虎「そろそろトドメね…、あれを使うのよ‼︎」
少年「あれ…⁉︎」
直虎「ジェネバスターの必殺武器、その名もムラクモソードよ‼︎」
明日美「ムラクモソード…」
萌「かっこいい名前…」
直虎「全てを斬り、あらゆる可能性を生み出す創造と破壊を司る最強の剣‼︎ それを使えるのはバスター1のメインパイロットである少年…、あなたよ‼︎」
少年「この僕がですか…⁉︎」
杏花「悔しいけど、アンタに譲ってやるわ」
麻里奈「その役目、本当は拙者が…」
萌「がんばれー」
明日美「頼りにしてるわ」
少年「よぉし…」
魔光牙「グアァァァァッー‼︎」
直虎「来るわ‼︎」
大型の魔光牙は走ってジェネバスターに襲いかかった。
少年「ムラクモソード‼︎」
少年はジェネバスターの左腰部分に取り付けられた鞘からムラクモソードを取り出した。
ムラクモソードの刀剣の根元には宝玉が埋め込まれ、刃は空を照らすような美しい銀色に輝いていた。その形は日本の神話に伝わる「
少年「はぁぁぁぁぁっ‼︎ はぁっ、やぁぁぁぁっ‼︎」
魔光牙「グアァァァァ‼︎」
少年はムラクモソードを両手で構えてジャンプすると、大型の魔光牙に向かって袈裟斬りで斜めに斬りかかったあと、一文字斬りを放った。
そして、大型の魔光牙の胸の
少年がムラクモソードを振り上げた瞬間、ムラクモソードの宝玉がまばゆい光を放ち、それに呼応するようにジェネバスターの機体の5つの光球が光った。
少年「うぉぉぉぉぉぉぉ‼︎
G・T「
魔光牙「グガアァァァァ…、アァァァァァァ………‼︎」
ムラクモソードは胸の
それと同時に周囲の温度の上昇は止み、魔光牙の大群もEDEN'S GATEの中へと去り、EDEN'S GATEは閉じて消えた。
直虎「やったわ…」
富士山「あぁ…」
阿蘇部「本当によくやった…」
最終隊員A「やったぞぉぉぉ‼︎ 我々の勝利だ‼︎」
最終隊員B「見事だ、Gトルーパーズ‼︎」
少年「ふぅ…、疲れた…」
杏花「結構やるじゃない…、アンタ…」
明日美「君、よく頑張ったわ」
萌「お疲れさーん」
麻里奈「これにて一件落着ー‼︎」
波動氣神ジェネバスターを起動し、無事に魔光牙も倒したGトルーパーズと隊員たちは互いに勝利を喜び合った。
ひとまず危機は去った。
だが、これはこれから始まる壮絶な戦いの序章にしか過ぎない。
【次回予告】
ナレーション:
湯川だ。私の名はもう覚えてくれているかな?
Gトルーパーズに最終自衛隊、よく頑張ってくれた‼︎ ひとまず礼を述べさせてくれ‼︎
しかし、あの状況でよく魔光牙の大群を…、な………、そんなバカな…⁉︎
何故、その少年がバスター1を………⁉︎
次回、宇宙創戦記XTENTION‼︎
【第20戦記 謎】
と言う話だそうだ。私も楽しみではあるな。
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